33 / 40
2nd STAGE
『智花、突入』 ―1
しおりを挟む倉庫前に広がる開けた空間。
その中を銃弾が飛び交う。
エグリアス砦に到着した智花達は、待ち構えていた帝国兵達の攻撃に晒されていた。
帝国兵は倉庫の入り口の陰に身を隠し、智花達へと銃口を向けてくる。
智花達、救援部隊の構成員は全部で6人。ダンバンと智花以外の4人は全てダンバン配下の手練れ達だ。立て篭もる敵兵を制圧するには心もとない人数だが、元々こういった場面は想定していなかったのだから仕方が無い。
智花の手にはダンバンから譲り受けたレイ・ガンが握られていた。高出力のレーザーを射出する年代物だ。最新鋭の武器を薦めるダンバンを説き伏せ、グリップを握った感触が良いという理由だけでこの銃を選んだ。
「――敵は?」
「入口に4名。奥に扉が見えます」
「爆薬は恐らく扉の向こうだ。あいつ等の相手をしている時間は無い。シールドを展開して突っ込むぞ」
ダンバンが隊員に素早く指示を出していく。
「GO!」
ダンバンの掛け声で隊員達が一斉に動き出した。
指示を受けた二人はシールドを展開し、入口に居る敵に向かっていく。大きく展開したシールドが後方から着いてくる4人を敵の銃弾から守る。
6人がひとつの弾丸と化し、敵の只中へと突っ込んだ。
「長くは持ちません! 今のうちに奥へ!」
シールドを展開した隊員がそのまま入口に居た帝国兵を抑え込む。ダンバン達はすでに奥の扉へ向けて走り出していた。短い距離を一気に駆け抜け、倉庫の扉に手を掛ける。
一旦顔を見合わせタイミングを合わせると一気に扉を開け放った。
開けた瞬間に襲い来る敵の銃撃。だがそれもお見通しだ。予め展開していたシールドで全て受けきると、敵の銃撃の合間を縫って倉庫内に雪崩込む。
一瞬で倉庫内の状況を確認する。
敵は4人。真正面で銃を構えているのが二人、積まれたコンテナを盾にして銃をこちらに向けているのが二人だ。
そして、壁際で身を寄せ合っているのが――
智花は叫んだ。苦楽を共にしてきた大切な仲間の名を。
「桜子!!」―――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる