お姉さまのお陰で幸せになりました!

 王家主催の夜会にて、大きなダンジョンを抱えるバーデンベルグ領の領主の娘、フローリア・バーデンベルグ男爵令嬢は婚約者であるリカルド・エール辺境伯令息から婚約破棄(白紙)を宣言される。
 しおらしく受け入れ、父と共に会場を後にした彼女は―― 馬車の中で父と共に大喜びしていた。

 もともと、リカルド本人とエール辺境伯家の横暴もあり婚約を解消したかった相手だ。
 フローリアが「お姉さま」と呼んでいるジャネット・グェンジャー侯爵令嬢が助力してくれたお陰で、解消できた。
 助力してくれたお礼は男爵家ではなく、フローリアができる範囲のこと。
 何を言われてもやり遂げる覚悟を決めていたフローリアに、ジャネットはにっこりと笑う。

「明日、とある方とデートしてきてちょうだい」
「分かりま……はい?」


 近衛隊所属の辺境伯家嫡子の騎士 ✕ 「アクセサリー=武具」の感覚で興味がある男爵令嬢が婚約するまでの話。


※ 拙作「彼女が幸せを掴むまで〜モブ令嬢は悪役令嬢を応援しています〜」と同じ世界観ですが、読まなくても大丈夫です
※ お姉さまとその婚約者の過去話「そんなの、恥ずかしいに決まってるじゃないですか!」が出たので宜しければご覧ください

※ 10/13に、カクヨムで泡沫の華々たちシリーズをひとつにまとめて投稿を開始しました。その中に当話も含まれています。
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