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一章
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しおりを挟む皆んなを起こさないために早めに家を出たのでまだ街は静まりかえっている。
こんな時間に家から出ているのは早朝から店を開ける者だけでしょう。
静かな街道から視線を馬車の中に戻し、ふと握ったままの箱へと目線を落とす。
これは先ほど家を出る前にセバスチャンから手渡された物だ。
中身は見なくても明白です。
王家御用達の"護り石"。
王家御用達、と言ったら大袈裟に聞こえるかもしれませんがこの護り石に最初に目を付けたのは父であるグウェンハイム公爵。
あのグウェンハイム公爵が息子に持たせた石と噂が広がり一躍有名になりました。
クエストに出る度に手渡される護り石。
未だ一つも使われず鞄の中にしまわれたまま、数だけが増えていきます。
とても高価な物なのに…
"護り石"
護り石は持ち主が傷を負ったさい、身代わりになって砕ける。
護り石の質が高ければ高いほど身代わりになる重症度が変わる。
高価な物は傷だけではなく病をも身代わりになって受けてくれる物もあるらしい。
身代わりになる重症度の範囲指定がしてあり、容易には砕けない。
だが最近は粗悪品も出回っており、そちらは範囲指定がされてない物が多く何かに軽くぶつかったり転んだだけで砕けるというほど役に立たない物もある。
僕が持っている物は全て一級品で致命傷を負ってもこの石が身代わりなってくれる優れ物だそうです。
一度も使ったことはないですが…
普通は一つ持っていれば十分なはずです。
それをこんなに…
ただの鞄の肥やしになっていいほどのものではありません。
「はぁ…」
ため息を零し鞄に護り石を収納し顔を上げると丁度ギルド前に着いたのか馬車が止まる。
まだ誰も来ていないようですね。
ギルドに入り辺りを見回すが、受け付け以外に人影はない。
入り口から少し離れた椅子に腰掛け朝から用意してくれた包みを広げセバスチャンが特別にブレンドした紅茶を淹れて一人朝食をとる。
食べている間に集まるでしょう。
「お、ノルン。
美味そうじゃねぇか。」
「オズさん、おはようございます。
たくさんありますのでお一ついかがですか?」
「そりゃありがたい。」
いつの間にかカウンターから出てきたのか受け付けに座っていたはずのオズさんが覗き込んでいた。
せっかくなのでサンドウィッチを勧めると一つ摘んでまたカウンターに戻って行く。
仕事は出来る人なのですが急にふらっと居なくなったり現れたり…仕事熱心なのか不熱心なのかよくわからない人ですね。
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ああ、主人公が普通の強さだから、その内、拐われて家族が暴れそうだなぁ(笑)これからも、頑張ってくださいな
双子ちゃん癒されるー
ありがとうございます( ´͈ ᵕ `͈ )
私も気に入っているキャラなのでそう言っていただけると嬉しいです( ´͈ ᗨ `͈ )