BL学園 もみじ♪の場合。

もみじ♪

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BL学園 こたろの場合。その2

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授業と授業の間の休み時間に、クラスの女子が騒いでるのが聞こえた。

「ねえねえ、2年の教室でスゴい騒ぎになってたんだけど!」

「ナニナニ⁈」

「ほら、もみじくんっているじゃん⁈
金髪のさ…背の高い子‼︎
その、もみじくんに抱いて欲しいとか言って迫った子がいたんだけどさ、みんなの前でこっぴどくフラれたらしいよ」



「なにそれ~、恥っず‼︎
その迫った子ってどんな子?」

「ほら、マナミっていうちょっと派手な子いるじゃん?あの子」

「あああ、結構美人だよね。
え~、あんな美人に迫られてもフっちゃうんだね。
絶対もみじくんのコト恨むよね~、ヤバくない⁈」

「だね。
でも、ちょっとザマァじゃん⁈
もみじくんて来るもの拒まずって言われてたっしょ⁈」

「それがさ…
マナミって子がフラれた時、好きな人がいるからもう遊べないとか言ってたらしいよ~」

「マジで⁈
あのもみじくんの本命か~
ちょっと気になるよね‼︎」

「ほんと、誰だろうね…
って、ヤバっ、先生来たよ‼︎」




そうして、賑やかな女子の話は中断された。



 
女子の言ってたもみじの本命…
もちろんオレの事だとは思うけど、3年の教室にまで噂が届くようなもみじの知名度と人気⁈は凄まじいものだと改めて感じた。

それに、人目を憚らず迫ってくるような女子もいるのか…



オレと離れてた間の事は、もう過ぎたコトだし仕方ない。
今はオレだけだって言ってくれてるし、オレだってもみじを離す気は更々ない。

だけど…

ずっとあいつを繋ぎ留めておくことができるのか、ずっと不安で…
たまに、小さくしてポケットに入れて連れ歩けたらいいのにって、思う。
そしたら、誰にも見せないし触らせないのに。

そんな事が出来ないのはわかってても、やっぱり考えずにはいられない程、オレはあいつが好きなんだ…




そんな、昼休み。
いつものようにもみじと一緒に弁当を食べる。
オレが噂を聞いてないか心配そうな様子だったけど、オレも敢えて話題にはしなかった。

知らないって事にした方がいい。
オレはこいつが側にいてくれれば、それで幸せだから…



だけど、そんなオレの気持ちとは裏腹に、事態は深刻化した。

マナミとかいう女が、いきなりオレたちの間に割って入ってきた。

オレを睨んで、自分のがもみじを気持ちよくさせてあげられるなんてほざきやがった。
なんてイヤな女だろう‼︎

でも、その眼差しは必死で、何が何でももみじを手に入れるって想いがビリビリ伝わってくる。

そう、だよな…
オレがもみじを手放したくないように、この女だって必死なんだ。
だからって譲ってやるつもりはない。

オレは、出来るだけ厭味たっぷりにマナミって奴に言い放った。
ここで情けをかけちゃいけない。
この女がもみじから手を退かざるを得ない状況を作るんだ。


だけど、言いながら不安でたまらなくなった。

もみじは、オレと居てくれるって言ってくれたけど、ほんとにそれでいいのかな…
オレは男だし、心の底から幸せにできるかと聞かれると…答えに詰まる。

ちょっと離れたくらいで寂しくなったり、情けない程執着してるのは、オレだけだ。

…悔しい。


オレの言葉にダメージを受けたマナミって奴は、案の定顔をクシャクシャにして立ち去っていった。
あの手のタイプはプライドが高いから、これでもみじに迫る事はないだろう。


でも、それでも…
オレの不安は収まらない。

まだ午後の授業があることとか、弁当を広げっぱなしだとか頭の隅に気にかかったけど、今はもみじを誰にも見せたくない、触らせたくない。

全部全部全部、オレのものにしたくなって、もみじの腕を取って学校を飛び出した。


幸い親は旅行で家を空けてたから、今日は好きなだけ、こいつを独り占めできる…
そんな事しか考えられなくなってた。





部屋に着くと、夢中で口づけた。
もみじが何か言ってたけど、ほとんど耳に入っていなくて、ただ欲しいものに必死で口づけていた…


オレのキスで、綺麗なもみじの顔や身体がみるみる熱を持つ。

「ん…っ…は、ぁ…っ」

甘く切ない息使いが、オレのせいだって教えてくれてるみたいで、身体中が喜びで痺れてくる。

こんなエロい顔、もうオレだけにしか見せないで…
もっと、もっと、オレで感じて…



そう思う気持ちが強すぎて、気がつくともみじの腕をベッドに括りつけていた。

こいつは驚いてたけど、実を言うとオレも驚いていた。
幾ら離したくないからって、誰にも渡したくないからって、縛りつけるか⁈

オレは、そこまでしてこいつに側にいて欲しいって思うんだ。
一緒にいてくれるって言ってくれてたのに、こんな事したら呆れて、離れて行かれるかも知れないのに。

なんて哀れなんだ…

そう考えて、目の前が涙で滲んだ。

すると、優しいもみじが心配して声をかけてくれた。
こんな目にあってるのに、オレの心配なんてしないでほしい。

そんなだから、他のヤツにもつけ込まれるんだって…

もう何がなんだかわからなくなって、泣きながら叫んだ。

「わかってる…わかってるって。
でもオレ…
お前が好きすぎて、オレだけって言ってくれて嬉しいのにっ…

どうしようもなく、繋ぎ留めておきたくなるんだ…


今日は、この体勢でしていい…?
オレが動くから、お前が気持ちいいって思ってもらえるように、頑張るから…」


泣いて縋るようでカッコ悪いと思ったけど、もみじは受け入れてくれた。

我慢できないからって言われて、そう言えばオレも限界だったなと気づいて、もみじの上に乗っかった。

あぁ…この体勢でするのは初めてで、なんだかドキドキしながらもみじのモノを挿入した。




「…は、っ…」

ヤバっ、待って⁈
コレ…すごく気持ちイイ。

奥まで入れて、ゆっくりと動いてみると、オレの動きにもみじも合わせて動いてきた。

「ん…っ…はぁ、っ…
も、みじっ…深、いっ…」

かつてない程の快感が全身を駆け巡る。
オレの喘ぐ声に反応してか、動きが早くなって、オレも自然と激しくなった。

一緒に動いて、感じて…
このまま、ずっとずっと繋がったままでいたいと思ったけど、身体は次第に絶頂へと近づいていっていた。

「は…っ、ま、って…
こたろ、激しっ…やぁっ…」

もみじのこんな甘い声、初めて聞いた。
そんな声を引き出したのは自分だと思うと、更に感じてしまう。

もっとこの余韻に浸っていたいけど、キモチ良さが波のように襲ってきて、うまく考えられない…

「もっと…も、っと感じて…
オレじゃなきゃヤダって…言って…」

そう言って、胸の1番尖ってる所を吸った。
こいつは乳首も感じるから、そこを攻めた。



わざと大きな音で吸い上げた。
すると、かつてない程仰け反って悦んだもみじが、快感で震えながら鳴いた。

「ん…っ…あぁ、んっ…
は、っ…待って…もっ…もう、イクっ…
はっ…ん、っ…は…」


その声に、オレの方も我慢できなくて…達した。



ふたりの液で汚れたもみじを綺麗にしたあと、手枷を外した。
…こんなものが無くたってなんの問題もないのに、オレはバカだった…

だけど、もみじはいつもより興奮したみたいな事を言って頭を撫でてくれた。



…マジで⁈
そんな事言われたら、オレだって興奮するよ⁈

だけど、きっとそれはこいつの優しさなんだろう。

ずっとオレの方がもみじを好きな気持ちが大きいって思ってたけど、もしかしたらオレが思ってるよりもみじも想ってくれてるのかも知れない…



やっとそう思えるようになって、でも、それに気づかれたくないオレは精一杯強気でニヤリと笑って言った。



「そう、
もみじはこのプレイ気に入ってくれたんだ。
…じゃあ、オレも遠慮しないから。

…楽しみにしてて?」


きっとこいつには、オレが豹変したように見えたんだろうな。

それはそれで面白い。
自分では気づかないオレが内面に棲んでるかもしれないし、もみじが知らないもみじもこの先現れるかもしれない。
ふたりでそれを見つけていければいいと思う。

今度は、オレばっかが愛を確かめるんじゃなく、ふたりで幸せになれるような営みができるといいな。
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