213 / 240
楽の戦士トーチの章
212.楽しさの消えた酒場-2
しおりを挟む
別にここの店員を悪く言うつもりではないが、急に別世界の住人に会ったような気分だった。
感覚的には言葉の通じない相手に、身振り手振りで説明するような感じ。
不愛想な人間と言えばダグラスがいるが、それでも言葉は問題なく通じる。何について話たいのかがわかるし、こっちに気を遣って話すことが出来る。
彼も高級街の住人だから、基礎的な教養や環境が違うということだろう。その違いでこうも人間味のようなものに差がが出るのかと思う。
もちろんある程度の違いはあるとは思っていたし感じてもいたけど、その差を改めて体感する。わずかとはいえ高級街の住人と接して、比較対象が出来たからだ。
……なんだか、急に自分いる場所全てがみすぼらしいのではないかという気がして、鬱になりそうだったので、これ以上は考えないようにしておく。
店員が注文したウサギの唐揚げを持って戻ってきた。
全体的に雑で味気ない盛り付けで、ヤケクソのように辛いソースがかかっている。揚げたて、というより、どちらかと言えば即席とか即興とかそいうものだ。
別に今に始まったわけではないし、そういう料理が悪いわけではない。
ただまだ少し口の中に残っている、ほんのり甘いクッキーの味を、この辛さと脂身で塗りつぶしてしまうのは、忍びないような気はした。
しかし食わないと仕事にならないので、黙々とウサギを口に運ぶ。
何か、パンとかも合わせて頼むべきだったと、強く思う味だ。美味いとか辛いとか、そういうのではなく、やはりこっちの料理はただただひたすら濃い。
追加で頼もうか。あとついでに飲み物も欲しい。ミルクは苦手だけど、お茶なんて洒落たものはない。まあ、水が無難か。頼むとだいたい厨房で使っている温い水が出てくるが。
そんな事を思いながら、次店員が通りがかるのを待ちつつ、唐揚げを口に入れていると、ふと俺の頭上に影が差した。
店員が来たのかと思ったが、冒険者と思しき男性客が俺を見下ろしていた。
「よう」
「え……?」
感覚的には言葉の通じない相手に、身振り手振りで説明するような感じ。
不愛想な人間と言えばダグラスがいるが、それでも言葉は問題なく通じる。何について話たいのかがわかるし、こっちに気を遣って話すことが出来る。
彼も高級街の住人だから、基礎的な教養や環境が違うということだろう。その違いでこうも人間味のようなものに差がが出るのかと思う。
もちろんある程度の違いはあるとは思っていたし感じてもいたけど、その差を改めて体感する。わずかとはいえ高級街の住人と接して、比較対象が出来たからだ。
……なんだか、急に自分いる場所全てがみすぼらしいのではないかという気がして、鬱になりそうだったので、これ以上は考えないようにしておく。
店員が注文したウサギの唐揚げを持って戻ってきた。
全体的に雑で味気ない盛り付けで、ヤケクソのように辛いソースがかかっている。揚げたて、というより、どちらかと言えば即席とか即興とかそいうものだ。
別に今に始まったわけではないし、そういう料理が悪いわけではない。
ただまだ少し口の中に残っている、ほんのり甘いクッキーの味を、この辛さと脂身で塗りつぶしてしまうのは、忍びないような気はした。
しかし食わないと仕事にならないので、黙々とウサギを口に運ぶ。
何か、パンとかも合わせて頼むべきだったと、強く思う味だ。美味いとか辛いとか、そういうのではなく、やはりこっちの料理はただただひたすら濃い。
追加で頼もうか。あとついでに飲み物も欲しい。ミルクは苦手だけど、お茶なんて洒落たものはない。まあ、水が無難か。頼むとだいたい厨房で使っている温い水が出てくるが。
そんな事を思いながら、次店員が通りがかるのを待ちつつ、唐揚げを口に入れていると、ふと俺の頭上に影が差した。
店員が来たのかと思ったが、冒険者と思しき男性客が俺を見下ろしていた。
「よう」
「え……?」
10
あなたにおすすめの小説
ペットになった
ノーウェザー
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
Neo Tokyo Site 01:第二部「激突‼ 四大魔法少女+2‼ − Asura : The City of Madness −」
蓮實長治
SF
平行世界の「東京」ではない「東京」で始まる……4人の「魔法少女」と、1人の「魔法を超えた『神の力』の使い手」……そして、もう1人……「『神』と戦う為に作られた『鎧』の着装者」の戦い。
様々な「異能力者」が存在し、10年前に富士山の噴火で日本の首都圏が壊滅した2020年代後半の平行世界。
1930年代の「霧社事件」の際に台湾より持ち出された「ある物」が回り回って、「関東難民」が暮す人工島「Neo Tokyo Site01」の「九段」地区に有る事を突き止めた者達が、「それ」の奪還の為に動き始めるが……。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「pixiv」「Novel Days」「GALLERIA」「ノベルアップ+」に同じモノを投稿しています。(pixivとGALLERIAは掲載が後になります)
農民レベル99 天候と大地を操り世界最強
九頭七尾
ファンタジー
【農民】という天職を授かり、憧れていた戦士の夢を断念した少年ルイス。
仕方なく故郷の村で農業に従事し、十二年が経ったある日のこと、新しく就任したばかりの代官が訊ねてきて――
「何だあの巨大な大根は? 一体どうやって収穫するのだ?」
「片手で抜けますけど? こんな感じで」
「200キロはありそうな大根を片手で……?」
「小麦の方も収穫しますね。えい」
「一帯の小麦が一瞬で刈り取られた!? 何をしたのだ!?」
「手刀で真空波を起こしただけですけど?」
その代官の勧めで、ルイスは冒険者になることに。
日々の農作業(?)を通し、最強の戦士に成長していた彼は、最年長ルーキーとして次々と規格外の戦果を挙げていくのだった。
「これは投擲用大根だ」
「「「投擲用大根???」」」
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
紅い瞳の魔女
タニマリ
ファンタジー
シャオンは魔女である。
幼い頃に母を目の前で殺され、その犯人を探すために人間の魔法学校へと入学してきた。
魔女の特徴である類《たぐい》まれなる美貌と紅い瞳を隠すために普段は男として生活しているのだが……
超美少年になっているもんだから目立ちまくっていた。
同じ学校に入学してきたツクモという少年は入学式の日に男の姿であるシャオンに一目惚れをしてしまう。
シャオンが男と知り猛烈に落ち込むツクモ……
それでもしつこくつきまとってくるツクモにシャオンは素っ気ない態度をとって遠ざけようとしていたのだが、ある夜、女へと戻る姿をツクモに見られてしまい、魔女だということもバレてしまう。
そんなツクモにも人には言えない秘密があるようで……
☆表紙のイラストは自作です。エブリスタの方では挿絵もたくさん載せていますので、もし興味のある方は覗いて見てください(❁ᴗ͈ ᴗ͈)”
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる