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⑰
「商用で外国へ行くので、1ヶ月ほどこの子をお願いします」
「ああ…解りました。どうかお任せください」
父母と兄は旅装で大きなバックを持ち、大きな屋敷の前まで俺の手を引いてやってくると、そう言って屋敷から現れた身長の高い男の人に俺のことを引き渡した。
例の如く俺は何も聞かされていなかった。
家を出る際に外出用の服を着せられ、髪や身なりをきちんと整えられて、『何も口をきくな』と強く言い含められただけだった。
その何日か前には、父が、誰かに連絡している声が聞こえていた。
相手の声は聞こえなかったから、たぶん、電話で話していたんだろう。
俺はその時もまた、物置部屋へ閉じ込められていたから、会話の詳しいところまでは聞こえてこなかった。
ただ、父が相手に商用で町を離れる、とか、なにかを預けたい、だとか、そんなようなことを話しているのは断片的に聞き取ることができた。
そうか、町を出るのか。
他人事みたいにぼんやりと俺は考えていた。
それも仕方がない、と思う。
何故なら少し前から、家に借金取りらしき人達が訪ねてくるようになったからだ。
逃げるために『商用』とか嘘を言って、足手まといの俺を置いていこうとしてる。
目の前のこの人に、厄介者の俺を押し付けようとしている。
そうと気付いたけれど、黙っていろと言う父の言いつけを破れず、俺は下を向いてずっと黙っていた。
「ああ…解りました。どうかお任せください」
父母と兄は旅装で大きなバックを持ち、大きな屋敷の前まで俺の手を引いてやってくると、そう言って屋敷から現れた身長の高い男の人に俺のことを引き渡した。
例の如く俺は何も聞かされていなかった。
家を出る際に外出用の服を着せられ、髪や身なりをきちんと整えられて、『何も口をきくな』と強く言い含められただけだった。
その何日か前には、父が、誰かに連絡している声が聞こえていた。
相手の声は聞こえなかったから、たぶん、電話で話していたんだろう。
俺はその時もまた、物置部屋へ閉じ込められていたから、会話の詳しいところまでは聞こえてこなかった。
ただ、父が相手に商用で町を離れる、とか、なにかを預けたい、だとか、そんなようなことを話しているのは断片的に聞き取ることができた。
そうか、町を出るのか。
他人事みたいにぼんやりと俺は考えていた。
それも仕方がない、と思う。
何故なら少し前から、家に借金取りらしき人達が訪ねてくるようになったからだ。
逃げるために『商用』とか嘘を言って、足手まといの俺を置いていこうとしてる。
目の前のこの人に、厄介者の俺を押し付けようとしている。
そうと気付いたけれど、黙っていろと言う父の言いつけを破れず、俺は下を向いてずっと黙っていた。
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