異世界戦記

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第九話 選択

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洞窟の奥深く、祭壇に鎮座する精髄は、今まで感じたことのないほど強大な魔力を放っていた。その神秘的な輝きは、周囲の空間を圧倒し、和也とリリスの心に深い影響を与えていた。

「これが精髄の力か…」
和也はその輝きをじっと見つめ、その力の大きさに圧倒されていた。もしこの力を得ることができれば、どんな困難も乗り越えられるかもしれない。しかし、同時にその力の使い方が全く分からないという不安が彼を襲った。

リリスがその精髄に手を伸ばし、慎重に表面に触れた瞬間、精髄から強烈な魔力が流れ込み、彼女の体が微かに震えた。
「リリス!」
和也は駆け寄ろうとしたが、リリスは手を挙げて彼を制止した。
「大丈夫…ただ、ちょっとだけ感じてみたくて。」

彼女の言葉に和也は立ち止まり、リリスはその魔力をじっと感じ取るように目を閉じ、深く息を吐いた。しばらくして目を開けた彼女の表情には、安堵の色が浮かんでいた。

「これが精髄。この世界の中心であり、同時に最も危険な存在でもある。」
リリスの声は静かに響き、洞窟の中に穏やかな緊張感が走る。

和也はその説明を聞き、心配そうに尋ねた。
「これを使えば、元の世界に戻れるって話だったよな?」

リリスは少し目を伏せ、重い口調で続けた。
「確かに戻れる。でも、それだけじゃない。精髄は強大な力を持つ代わりに、制御を失うと時空を歪めてしまう。そのせいで、私たちのような人間が異世界に迷い込むことになった。」

和也はその言葉に衝撃を受け、再び黙り込んだ。彼の胸の中で様々な感情が渦巻いていた。
「つまり…精髄を放置しておけば、また誰かがここに来るかもしれないってことか?」

リリスはうなずき、和也の視線に答えるように視線を落とした。
「その通り。そして、それを防ぐには…精髄を破壊するしかない。」

その選択肢の重みが、和也の心にのしかかる。
「破壊すれば…俺たちはどうなるんだ?」
彼の問いに、リリスは静かに答え、決意を込めた。

「戻ることはできなくなる。でも、これ以上誰も巻き込まれなくなる。」
その瞬間、彼らの間に沈黙が訪れた。和也は深く息をつき、拳を握りしめた。

未来を選択する彼らの胸中に、未知の冒険と決断の重さが交錯する。そして、彼らは心の中で、何を守り、何を犠牲にするのか、その意味を考えるのだった。
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