【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら

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第三章 北の城にて

満たされた日々

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 そして、その夜——
 初めて、二人は同じ部屋で眠った。
 アレクシスは、エリアナを大切に抱きしめた。

「愛している、エリアナ」

 その言葉を聞いて、エリアナの心が満たされた。

「わたくしも、愛しています。アレクシス様」

 月明かりの中で、二人は口づけを交わした。
 優しく、温かく、深く。

 エリアナは、初めて知った。
 愛されるとは、こういうことなのだと。
 そして、愛するとは、こんなにも幸せなことなのだと。

 夜が明ける頃、エリアナはアレクシスの腕の中で眠っていた。

 穏やかな寝顔。
 アレクシスは、その顔をそっと見つめた。

「君は、私の光だ」

 彼は囁いた。

「長い間、暗闇の中にいた私に、君は光をくれた」

 エリアナの髪に、そっと口づける。


 外では、朝の鳥たちが囀り始めていた。
 新しい日の始まり。
 そして、二人の新しい人生の始まり。


 それから、エリアナとアレクシスの関係は大きく変わった。
 二人は、本当の夫婦になった。
 朝は一緒に目覚め、夜は一緒に眠る。

 アレクシスは、エリアナに領地の管理を教え始めた。

「君も、この城の主人だ。領民のことを知ってほしい」

 二人は、領内を視察に出かけた。
 村々を訪れ、人々と話す。

 エリアナは驚いた。
 領民たちは、アレクシスを本当に慕っていた。

「公爵様は、素晴らしい方です」
 老人が言った。
「戦争で傷ついた兵士たちの面倒を見てくださる。税も公正で、私たちの声を聞いてくださる」

「悪魔公爵だなんて、とんでもない」
 別の女性が言った。
「あれは、都の貴族たちが流した嘘です。アレクシス様は、誰よりも心優しい方ですよ」

 エリアナは、全てを理解した。

 アレクシスの悪評は、全て嘘だったのだ。
 都の貴族たちが、彼の実直さや正義感を快く思わず、噂を流した。
 そして、金目当ての婚約者たちが、自分が振られたことの腹いせに、さらに悪い噂を広めた。

 真実は、全く違っていた。
 アレクシスは、誰よりも心優しく、正義感の強い人だった。

「アレクシス様」

 帰り道、エリアナは言った。

「わたくし、知りませんでした。あなた様が、こんなにも素晴らしい方だと」
「私は、何も特別なことはしていない」
「いいえ」

 エリアナは、アレクシスの手を握った。

「あなた様は、本当に素晴らしい方です。そして、わたくしは——」

 彼女は、顔を上げた。

「あなた様の妻であることを、誇りに思います」

 その言葉に、アレクシスの表情が柔らかくなった。
 彼は、馬を止めて、エリアナに口づけた。

「私こそ、君を妻にできて、誇りに思う」

 二人は、微笑み合った。
 幸せな時間が、流れていた。


 でも——
 そんな穏やかな幸福は、長くは続かなかった。
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