13 / 16
偽物の聖女と、身の程知らずの請求書
しおりを挟む
「騒がしい! 何事だ!」
衛兵たちの囲みが割れ、王城の奥から威厳ある老齢の男性が現れた。国王陛下だ。
その背後には、ピンク色のふわふわとしたドレスを着た、可愛らしい少女が隠れるように付き従っている。
「ち、父上! こいつが、シルヴィアンが私に氷魔法を!」
尻餅をついたままのルーク殿下が、情けない声を上げて父親に助けを求めた。
国王陛下は、凍りついた地面と、冷徹な表情で佇むクラウス様を見て、眉間に深い皺を刻んだ。
「シルヴィアン公爵……。久方ぶりの登城と思えば、いきなり王太子に狼藉を働くとはどういうつもりか」
「害虫が妻にたかろうとするので、駆除しようとしただけです」
「なっ、一国の王子を害虫だと!?」
クラウス様は眉一つ動かさず、平然と言い放つ。その腕は、しっかりと私の腰を抱いたままだ。
「あらぁ~? もしかして、そこにいる地味な人が、前の聖女のジゼルさんですかぁ?」
その時、国王の後ろから甘ったるい声が響いた。
ピンク色のドレスの少女が進み出て、私のことを値踏みするようにジロジロと眺めた。
彼女が、私の代わりに召し上げられた「新しい聖女」……マリアンナ様だ。
「やだぁ、すごい魔力の量! 制御できなくて垂れ流しじゃないですか。これじゃあ『聖女』じゃなくて『魔力袋』ですよねぇ。臭ってきそう」
マリアンナ様は鼻をつまむ仕草をして、クスクスと笑った。
ルーク殿下が我が意を得たりと立ち上がる。
「その通りだ! マリアンナの魔力は清廉で美しい。ジゼル、お前のような規格外で不気味な魔力とは違うのだよ!」
「……そう、ですね。私は、皆様のお役には立てませんでしたから」
私は俯いた。確かに、私の魔力は強すぎて、周囲の魔導具を壊したり、熱を発しすぎたりして迷惑ばかりかけてきた。
けれど、クラウス様の腕に力がこもった。
「ほう。その清廉な聖女とやらは、さぞ優秀なのだろうな」
クラウス様が、冷ややかな視線をマリアンナ様に向ける。
マリアンナ様は頬を染めて、媚びるような上目遣いを返した。
「ええ、もちろんですぅ公爵様♡ 私、祈るだけで小さいお花を咲かせられるんですよぉ」
「……花だと?」
「はい! ジゼルさんみたいに、無駄に結界を張ったり浄化したりする野蛮な魔力じゃなくて、もっと癒やし系の……」
その瞬間、クラウス様が鼻で笑った。
フッ、という短く冷たい嘲笑が、場を凍りつかせる。
「結界が『無駄』だと? ……おい、国王。王都の結界が今、どうなっているか把握しているか?」
水を向けられ、国王陛下が顔を青くした。
「う、うむ……。実はジゼルがいなくなってから、王都を覆う大結界に亀裂が入り始めておる。魔物の侵入も時間の問題かと……」
「なっ!? 父上、それはマリアンナがまだ慣れていないだけで……!」
「違う」
クラウス様がルーク殿下の言葉を遮った。
「ジゼルの魔力は『過多』なのではない。この国の結界をたった一人で維持できるほど『強大』なのだ。彼女が常に熱を帯びていたのは、お前たちが酷使した結界維持の負荷に、彼女の体が悲鳴を上げていたからだ」
「え……?」
私は驚いてクラウス様を見上げた。
私が熱かったのは、ただの体質や呪いじゃなかったの?
「それを『不気味』だの『制御不能』だのと罵り、追い出した結果がこれだ。……おい、小娘」
「ひっ、はいぃ!?」
クラウス様の鋭い視線に射抜かれ、マリアンナ様が裏返った声を出す。
「花を咲かせる程度で、国を守れると思っているのか? お前が代わりになれるとは到底思えんが」
「そ、それは……! でもぉ、ルーク様が私がいいって……!」
マリアンナ様は涙目になってルーク殿下にすがりついた。
しかし、事実は明白だった。私が去って数日で結界が綻びているのだ。このままでは王都は危険にさらされる。
国王陛下が、脂汗を流しながら私を見た。
「ジ、ジゼルよ。……やはり、戻ってはくれぬか? お前の待遇については考え直す。そうだな、神官長?」
陛下の言葉に応じて、どこからともなく、見覚えのある神官長が姿を現した。
この人の仕事は神に仕えることのはずなのに。こんな社交の場で、着飾って何をしてるんだろう。
神官長は私を見て、へつらうような笑みを浮かべた。
「大丈夫だぞ、ジゼル。おまえの部屋はそのままにしてあるし、食事も……これからはパンを二つに増やしてやろう」
「は……?」
パンを、二つ。
公爵家で、山盛りのご馳走と温かいスープ、柔らかなドレスを与えられた後だと、その提案がどれほど惨めなものか痛いほどわかる。
部屋だって、窓一つない、牢獄みたいなところだ。
「お断りだ」
答えたのは私ではなく、クラウス様だった。
彼は懐から一枚の羊皮紙を取り出し、ヒラヒラと見せつけた。
「ジゼルは俺と正式に雇用契約……いや、婚姻契約を結んだ。彼女の所有権はシルヴィアン公爵家にある。返してほしければ――」
彼はニヤリと、悪魔のように美しく笑った。
「彼女がこれまで維持してきた結界の対価、過去十年分。さらに、俺の『安眠』を妨害する慰謝料。合わせて国家予算の三年分を支払ってもらおうか」
「さ、三年分だとぉおお!?」
国王とルーク殿下が同時に絶叫した。
「払えないなら、二度と我々に関わるな。……行くぞ、ジゼル」
「あ、はい!」
クラウス様は踵を返すと、呆然とする王族たちを残して、私を連れ去っていく。
背後で「待て!」「話せば分かる!」という声が聞こえたが、クラウス様が指をパチンと鳴らすと、巨大な氷の壁が出現し、彼らの声を完全に遮断してしまった。
***
「……すっきりしたか?」
再び馬車に乗り込むと、クラウス様が、先ほどまでの冷徹さが嘘のように優しい顔で覗き込んできた。
いつもの定位置(膝の上)に戻された私は、こくりと頷いた。
「はい。……あの、ありがとうございました。私のために、あんなに怒ってくださって」
「礼には及ばん。俺は、俺の大事な抱き枕……妻を守っただけだ」
彼は少し照れくさそうに視線を逸らすと、ぎゅっと私を抱きしめた。
ひんやりとした冷気が、火照った私の体に染み渡る。
「それに、あいつらは分かっていない。お前の魔力の『熱』がどれほど心地よく、得難いものか」
「クラウス様……」
「今夜は、たっぷり慰めてもらうぞ。あんな雑音を聞いて、耳が腐りそうだ」
甘えるように擦り寄ってくる彼に、私は自然と笑みをこぼした。
もう、パンの数に一喜一憂していた私はいない。
ここには、私を必要としてくれる、世界で一番冷たくて温かい人がいるのだから。
衛兵たちの囲みが割れ、王城の奥から威厳ある老齢の男性が現れた。国王陛下だ。
その背後には、ピンク色のふわふわとしたドレスを着た、可愛らしい少女が隠れるように付き従っている。
「ち、父上! こいつが、シルヴィアンが私に氷魔法を!」
尻餅をついたままのルーク殿下が、情けない声を上げて父親に助けを求めた。
国王陛下は、凍りついた地面と、冷徹な表情で佇むクラウス様を見て、眉間に深い皺を刻んだ。
「シルヴィアン公爵……。久方ぶりの登城と思えば、いきなり王太子に狼藉を働くとはどういうつもりか」
「害虫が妻にたかろうとするので、駆除しようとしただけです」
「なっ、一国の王子を害虫だと!?」
クラウス様は眉一つ動かさず、平然と言い放つ。その腕は、しっかりと私の腰を抱いたままだ。
「あらぁ~? もしかして、そこにいる地味な人が、前の聖女のジゼルさんですかぁ?」
その時、国王の後ろから甘ったるい声が響いた。
ピンク色のドレスの少女が進み出て、私のことを値踏みするようにジロジロと眺めた。
彼女が、私の代わりに召し上げられた「新しい聖女」……マリアンナ様だ。
「やだぁ、すごい魔力の量! 制御できなくて垂れ流しじゃないですか。これじゃあ『聖女』じゃなくて『魔力袋』ですよねぇ。臭ってきそう」
マリアンナ様は鼻をつまむ仕草をして、クスクスと笑った。
ルーク殿下が我が意を得たりと立ち上がる。
「その通りだ! マリアンナの魔力は清廉で美しい。ジゼル、お前のような規格外で不気味な魔力とは違うのだよ!」
「……そう、ですね。私は、皆様のお役には立てませんでしたから」
私は俯いた。確かに、私の魔力は強すぎて、周囲の魔導具を壊したり、熱を発しすぎたりして迷惑ばかりかけてきた。
けれど、クラウス様の腕に力がこもった。
「ほう。その清廉な聖女とやらは、さぞ優秀なのだろうな」
クラウス様が、冷ややかな視線をマリアンナ様に向ける。
マリアンナ様は頬を染めて、媚びるような上目遣いを返した。
「ええ、もちろんですぅ公爵様♡ 私、祈るだけで小さいお花を咲かせられるんですよぉ」
「……花だと?」
「はい! ジゼルさんみたいに、無駄に結界を張ったり浄化したりする野蛮な魔力じゃなくて、もっと癒やし系の……」
その瞬間、クラウス様が鼻で笑った。
フッ、という短く冷たい嘲笑が、場を凍りつかせる。
「結界が『無駄』だと? ……おい、国王。王都の結界が今、どうなっているか把握しているか?」
水を向けられ、国王陛下が顔を青くした。
「う、うむ……。実はジゼルがいなくなってから、王都を覆う大結界に亀裂が入り始めておる。魔物の侵入も時間の問題かと……」
「なっ!? 父上、それはマリアンナがまだ慣れていないだけで……!」
「違う」
クラウス様がルーク殿下の言葉を遮った。
「ジゼルの魔力は『過多』なのではない。この国の結界をたった一人で維持できるほど『強大』なのだ。彼女が常に熱を帯びていたのは、お前たちが酷使した結界維持の負荷に、彼女の体が悲鳴を上げていたからだ」
「え……?」
私は驚いてクラウス様を見上げた。
私が熱かったのは、ただの体質や呪いじゃなかったの?
「それを『不気味』だの『制御不能』だのと罵り、追い出した結果がこれだ。……おい、小娘」
「ひっ、はいぃ!?」
クラウス様の鋭い視線に射抜かれ、マリアンナ様が裏返った声を出す。
「花を咲かせる程度で、国を守れると思っているのか? お前が代わりになれるとは到底思えんが」
「そ、それは……! でもぉ、ルーク様が私がいいって……!」
マリアンナ様は涙目になってルーク殿下にすがりついた。
しかし、事実は明白だった。私が去って数日で結界が綻びているのだ。このままでは王都は危険にさらされる。
国王陛下が、脂汗を流しながら私を見た。
「ジ、ジゼルよ。……やはり、戻ってはくれぬか? お前の待遇については考え直す。そうだな、神官長?」
陛下の言葉に応じて、どこからともなく、見覚えのある神官長が姿を現した。
この人の仕事は神に仕えることのはずなのに。こんな社交の場で、着飾って何をしてるんだろう。
神官長は私を見て、へつらうような笑みを浮かべた。
「大丈夫だぞ、ジゼル。おまえの部屋はそのままにしてあるし、食事も……これからはパンを二つに増やしてやろう」
「は……?」
パンを、二つ。
公爵家で、山盛りのご馳走と温かいスープ、柔らかなドレスを与えられた後だと、その提案がどれほど惨めなものか痛いほどわかる。
部屋だって、窓一つない、牢獄みたいなところだ。
「お断りだ」
答えたのは私ではなく、クラウス様だった。
彼は懐から一枚の羊皮紙を取り出し、ヒラヒラと見せつけた。
「ジゼルは俺と正式に雇用契約……いや、婚姻契約を結んだ。彼女の所有権はシルヴィアン公爵家にある。返してほしければ――」
彼はニヤリと、悪魔のように美しく笑った。
「彼女がこれまで維持してきた結界の対価、過去十年分。さらに、俺の『安眠』を妨害する慰謝料。合わせて国家予算の三年分を支払ってもらおうか」
「さ、三年分だとぉおお!?」
国王とルーク殿下が同時に絶叫した。
「払えないなら、二度と我々に関わるな。……行くぞ、ジゼル」
「あ、はい!」
クラウス様は踵を返すと、呆然とする王族たちを残して、私を連れ去っていく。
背後で「待て!」「話せば分かる!」という声が聞こえたが、クラウス様が指をパチンと鳴らすと、巨大な氷の壁が出現し、彼らの声を完全に遮断してしまった。
***
「……すっきりしたか?」
再び馬車に乗り込むと、クラウス様が、先ほどまでの冷徹さが嘘のように優しい顔で覗き込んできた。
いつもの定位置(膝の上)に戻された私は、こくりと頷いた。
「はい。……あの、ありがとうございました。私のために、あんなに怒ってくださって」
「礼には及ばん。俺は、俺の大事な抱き枕……妻を守っただけだ」
彼は少し照れくさそうに視線を逸らすと、ぎゅっと私を抱きしめた。
ひんやりとした冷気が、火照った私の体に染み渡る。
「それに、あいつらは分かっていない。お前の魔力の『熱』がどれほど心地よく、得難いものか」
「クラウス様……」
「今夜は、たっぷり慰めてもらうぞ。あんな雑音を聞いて、耳が腐りそうだ」
甘えるように擦り寄ってくる彼に、私は自然と笑みをこぼした。
もう、パンの数に一喜一憂していた私はいない。
ここには、私を必要としてくれる、世界で一番冷たくて温かい人がいるのだから。
7
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された令嬢、白い結婚で第二の人生始めます ~王太子ざまぁはご褒美です~』
鷹 綾
恋愛
「完璧すぎて可愛げがないから、婚約破棄する」――
王太子アルヴィスから突然告げられた、理不尽な言葉。
令嬢リオネッタは涙を流す……フリをして、内心ではこう叫んでいた。
(やった……! これで自由だわーーーッ!!)
実家では役立たずと罵られ、社交界では張り付いた笑顔を求められる毎日。
だけど婚約破棄された今、もう誰にも縛られない!
そんな彼女に手を差し伸べたのは、隣国の若き伯爵家――
「干渉なし・自由尊重・離縁もOK」の白い結婚を提案してくれた、令息クリスだった。
温かな屋敷、美味しいご飯、優しい人々。
自由な生活を満喫していたリオネッタだったが、
王都では元婚約者の評判がガタ落ち、ざまぁの嵐が吹き荒れる!?
さらに、“形式だけ”だったはずの婚約が、
次第に甘く優しいものへと変わっていって――?
「私はもう、王家とは関わりません」
凛と立つ令嬢が手に入れたのは、自由と愛と、真の幸福。
婚約破棄が人生の転機!? ざまぁ×溺愛×白い結婚から始まる、爽快ラブファンタジー!
---
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
婚約者に「愛することはない」と言われたその日にたまたま出会った隣国の皇帝から溺愛されることになります。~捨てる王あれば拾う王ありですわ。
松ノ木るな
恋愛
純真無垢な侯爵令嬢レヴィーナは、国の次期王であるフィリベールと固い絆で結ばれる未来を夢みていた。しかし王太子はそのような意思を持つ彼女を生意気だと疎み、気まぐれに婚約破棄を言い渡す。
伴侶と寄り添う幸せな未来を諦めた彼女は悲観し、井戸に身を投げたのだった。
あの世だと思って辿りついた先は、小さな貴族の家の、こじんまりとした食堂。そこには呑めもしないのに酒を舐め、身分社会に恨み節を唱える美しい青年がいた。
どこの家の出の、どの立場とも知らぬふたりが、一目で恋に落ちたなら。
たまたま出会って離れていてもその存在を支えとする、そんなふたりが再会して結ばれる初恋ストーリーです。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
義妹に苛められているらしいのですが・・・
天海月
恋愛
穏やかだった男爵令嬢エレーヌの日常は、崩れ去ってしまった。
その原因は、最近屋敷にやってきた義妹のカノンだった。
彼女は遠縁の娘で、両親を亡くした後、親類中をたらい回しにされていたという。
それを不憫に思ったエレーヌの父が、彼女を引き取ると申し出たらしい。
儚げな美しさを持ち、常に柔和な笑みを湛えているカノンに、いつしか皆エレーヌのことなど忘れ、夢中になってしまい、気が付くと、婚約者までも彼女の虜だった。
そして、エレーヌが持っていた高価なドレスや宝飾品の殆どもカノンのものになってしまい、彼女の侍女だけはあんな義妹は許せないと憤慨するが・・・。
追放された地味令嬢、実は王国唯一の“魔力翻訳者”でした 〜役立たずと言われましたが、もう契約は終了です〜
あめとおと
恋愛
王太子から「魔法が何も起こらない役立たず」と断罪され、婚約破棄された伯爵令嬢リリア。
追放された彼女の能力は――
魔法の“意味”を読み解き、術式そのものを理解する力《魔力翻訳》。
辺境の魔導研究所でその才能を見出された彼女は、
三百年解読不能だった古代魔法を次々と再生させていく。
一方、彼女を失った王都では魔法事故が連鎖。
国家結界すら崩壊寸前に――。
「戻ってきてほしい」
そう告げられても、もう遅い。
私を必要としてくれる場所は、
すでに別にあるのだから。
これは、役立たずと呼ばれた令嬢が
本当の居場所と理解者を見つける物語。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる