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第一章 【第一星巡り部隊】
第一節 転生管理のその役目
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無事ルベライドに戻ってきた俺は、軽く伸びをしながら教会の扉をノックする。
司教より名指しで指名された単独依頼の報告のためだ。
単独依頼には二つの可能性のうちどちらか片方に大きく偏る場合にのみ適用されるもの。一つは、死して尚その世界に留まってしまい魂が消えていく可能性。もう一つが、死して尚、肉体に魂が留まり、肉体に縛られどこにもいけなくなってしまうこと。
今回の依頼、馬場公平の場合は前者にあたる。
星読の力を持つ者の報告によると、家族に認められたかった思いが年月を経るにつれて増幅し、寿命が尽きる頃にはその世界に囚われ、魂が消えていくのを待つしかない身の上だったのだという。
この五つの世界は、円環を成すことによって成り立っている。
そのため、魂一つでも消てしまえば重大な事態になりかねない。だからこそ、素早く依頼を遂行させるため俺に指名が下ったのだ。
教会の扉が開く。
すっと背筋を伸ばし、左右の信徒席の中心である深紅の絨毯の上を悠然と歩んでいく。
中央の祭壇には真白のローブをかぶった一人の翁。傍らは眼鏡のかけた司祭が佇み、俺を一挙手一投足を監視するように見据えていた。
祭壇手前にて立ち止まり、その場に片ひざを折り首を垂れた。
「第一星巡りの纏、レナトゥス・リィン・リーディルク。戻りました」
俺の声は、声を張り上げなくとも教会に響きわたる。
高くもなく、かといって低いわけでもない。なんの特徴もない俺の声に、真白のローブをかぶった翁は安堵したかのように息を吐き言葉を紡いだ。
「よくぞ戻った、レナトゥス・リィン・リーディルク。面を上げて良い」
「はい」
顔を上げ、立ち上がれば柔和に笑みを浮かべた翁の表情が目に映り、思わず俺も微笑み返してしまう。
それを見ていた眼鏡の司祭は軽く咳ばらいを零して、咎めるような視線を向けながら手元の杖を動かし、簡易的な視覚同調魔法を行う。
「リーディルク様。馬場公平の一件、ご報告お願いいたします」
俺達【転生管理者】が行う達成報告は口頭では一切行わない。
司祭が行う“視覚同調魔法”を使い、俺がその世界に辿り着き、依頼を達成させた瞬間までの行動を隙も漏らさず思い出し、それが終えてようやく全ての報告がなされるのだ。
【転生管理者】は清廉潔白な者しかなれない。
それはこの視覚同調魔法を行う際、全てのことを余すことなく筒抜けにされるため、滅多なことでは隠し通すことができないから。
そうでなくとも、信頼が重視されるこの職で組織間での懸念要素はあってはならない。
「……確認いたしました。アースの人族、馬場公平は、カーマインの人族として転生を受け入れましょう。リーディルク様、馬場公平の魂は」
俺は頷き、懐から切り離した髪を取り出す。
切り離した髪を器として見立て、馬場公平の魂を一緒に持ってきたのだ。こうでもしなければ、魂だけで中間世界に辿り着くのに何十年もかかるから。
「ありがとうございます。アース世界では動物にかなり好かれていた様子なので、カーマイン世界にて農地を持つマルク家の第一子として来年の春には誕生いたします」
眼鏡の司祭ーユーベルク司祭様は淡々とした口調で、転生処理を終えていく。
転生には、いくつかの段取りがあり。
一。特定の世界にて、定められた魂を認識。
これは星読の力を持つ王族が行う。
二。その世界に赴き、魂に魔力と言霊を授け中間世界へ送る。
これは俺達【転生管理者】が行う。
三。魂にスキル設定や誕生家庭を縁として結び付け中間世界から他世界へ。
これは、各地の教会の司祭が行う。
これが大まかな段取りだ。
司教より名指しで指名された単独依頼の報告のためだ。
単独依頼には二つの可能性のうちどちらか片方に大きく偏る場合にのみ適用されるもの。一つは、死して尚その世界に留まってしまい魂が消えていく可能性。もう一つが、死して尚、肉体に魂が留まり、肉体に縛られどこにもいけなくなってしまうこと。
今回の依頼、馬場公平の場合は前者にあたる。
星読の力を持つ者の報告によると、家族に認められたかった思いが年月を経るにつれて増幅し、寿命が尽きる頃にはその世界に囚われ、魂が消えていくのを待つしかない身の上だったのだという。
この五つの世界は、円環を成すことによって成り立っている。
そのため、魂一つでも消てしまえば重大な事態になりかねない。だからこそ、素早く依頼を遂行させるため俺に指名が下ったのだ。
教会の扉が開く。
すっと背筋を伸ばし、左右の信徒席の中心である深紅の絨毯の上を悠然と歩んでいく。
中央の祭壇には真白のローブをかぶった一人の翁。傍らは眼鏡のかけた司祭が佇み、俺を一挙手一投足を監視するように見据えていた。
祭壇手前にて立ち止まり、その場に片ひざを折り首を垂れた。
「第一星巡りの纏、レナトゥス・リィン・リーディルク。戻りました」
俺の声は、声を張り上げなくとも教会に響きわたる。
高くもなく、かといって低いわけでもない。なんの特徴もない俺の声に、真白のローブをかぶった翁は安堵したかのように息を吐き言葉を紡いだ。
「よくぞ戻った、レナトゥス・リィン・リーディルク。面を上げて良い」
「はい」
顔を上げ、立ち上がれば柔和に笑みを浮かべた翁の表情が目に映り、思わず俺も微笑み返してしまう。
それを見ていた眼鏡の司祭は軽く咳ばらいを零して、咎めるような視線を向けながら手元の杖を動かし、簡易的な視覚同調魔法を行う。
「リーディルク様。馬場公平の一件、ご報告お願いいたします」
俺達【転生管理者】が行う達成報告は口頭では一切行わない。
司祭が行う“視覚同調魔法”を使い、俺がその世界に辿り着き、依頼を達成させた瞬間までの行動を隙も漏らさず思い出し、それが終えてようやく全ての報告がなされるのだ。
【転生管理者】は清廉潔白な者しかなれない。
それはこの視覚同調魔法を行う際、全てのことを余すことなく筒抜けにされるため、滅多なことでは隠し通すことができないから。
そうでなくとも、信頼が重視されるこの職で組織間での懸念要素はあってはならない。
「……確認いたしました。アースの人族、馬場公平は、カーマインの人族として転生を受け入れましょう。リーディルク様、馬場公平の魂は」
俺は頷き、懐から切り離した髪を取り出す。
切り離した髪を器として見立て、馬場公平の魂を一緒に持ってきたのだ。こうでもしなければ、魂だけで中間世界に辿り着くのに何十年もかかるから。
「ありがとうございます。アース世界では動物にかなり好かれていた様子なので、カーマイン世界にて農地を持つマルク家の第一子として来年の春には誕生いたします」
眼鏡の司祭ーユーベルク司祭様は淡々とした口調で、転生処理を終えていく。
転生には、いくつかの段取りがあり。
一。特定の世界にて、定められた魂を認識。
これは星読の力を持つ王族が行う。
二。その世界に赴き、魂に魔力と言霊を授け中間世界へ送る。
これは俺達【転生管理者】が行う。
三。魂にスキル設定や誕生家庭を縁として結び付け中間世界から他世界へ。
これは、各地の教会の司祭が行う。
これが大まかな段取りだ。
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