Amputee Garden

Jekyll

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パラネシアン

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世界の果てなき地にて謎のサークルが削られ浮かび上がる場が絶えなく作られた。

そのサークルは誰が作り、何の為のものか誰も知らない。

それ故に全てが謎に包まれている。


パラネシアンと呼ばれる世界線にも似たようなサークルが作られた。

パラネシアンとは均衡を保ち世界を構築し見守る種族が住んでいる世界である。

世界を越え謎と混乱を植え付けたサークルを調べるためにパラネシアンの長は梯子を持つ男に命じた。

「この謎に包まれたサークルが何であるか解決なさい。

その梯子を持ってすれば謎は解けずも、解くための紐を得られるかもしれない。

もしこのパラネシアンのサークルを消すことが出来れば他の世界にも共鳴し、再び世界は均衡を保つことが出来るだろう。」

長は初めて私に任務を与えた。

私は任務を遂行しサークルの謎解く旅を始める。









私は長の許しを得て、まずは世界各種に作られたサークルを水晶から覗き見ている。

現在確認出来ているのは以下のものである。


【G・T・E・Ψ・μ・C】


この中にある「C」が現在私達のいるパラネシアンにて発見されたサークルである。

私はこのサークルに隠された謎を解くのが今回の任務だ。

途中放棄は許されない。

それでは一つ目の世界を覗き見よう。


早速梯子を空に浮かぶ水晶に立てかけた。




私が初めに見た世界は緑に覆われた自然豊かなその場所。

天と地が逆さまのようであり、そこに住まう人達は重力に縛られていないように思える。

なんせ少し飛び跳ねただけでビルの10階ほどの高さまで跳ね上がっていた。

空を見てみようと見上げて見れば何かが落ちて来ているのが確認出来た。

その何かがハッキリと見えた時、驚きを隠せずにいた。

何故なら正体は星だったからだ。

星は幾つも降り注いでいた。

まるで雨や雪が降るように小さな星から大きな星まで、数多くこの地に落ちた。

やがてそれは収まり土煙が晴れた先に見たのは「G」と呼ばれるサークル。

Gサークルだった。

私はこの出来事をメモの1ページに書きパラネシアンに意識を戻した。




書いたメモを壁に貼り引き続き私は調査に向かった。

けれどそこはネオンの光が飛び交う亜空間だった。

私は念の為とサングラスを装着し周りを見渡した。

通りではネオンの灯に聖なれとバスは走り、眠る日々を隠しているのだろう。

動かぬチタンの船は行けずも女神を連れて来た。

巡る日々に相応しく隠された声にネオンの灯はTサークルを見せた。

私は再びメモを取り、パラネシアンに戻って壁に貼りつけた。




再び世界を覗き見ると何故だが波動を感じた。

そこは私達が過ごす場所と何ら変わりの無い場所だった。

木々に頬杖をついた私に届く風は次に誰かを訪ねてるようで鮮やかな世界である。

次の風を待つこの窓辺にEサークルを発見した。

前二つに比べ余りにも早い発見に少々ガッカリしているが次へ向かう準備に取り掛かる。




次なる場所は花園で心理的な世界と捉える。

花園に置かれたビオラを手にし音を出し、時を奏てみる。

しかし何も起きない。

ならばとビオラを弾きながら動いてみる。

変わらず何も起きない。

花園にヒントを得ようとしたが何もない。

私はヤケクソとなり、ありのままに映すままにビオラを奏た。

すると花園からΨサークルが映された。

この経験もメモに書き、一度戻り休憩と途中経過の調べをした。




一息ついた所で向かった先は見知らぬ深淵だった。

手には花園にあったビオラ。

まるで妄想のような世界そのものに見える。

そして私はビオラを再び奏た。

すると呼ばれて出たようにμサークルが現れる。









ようやく全ての世界を覗き見ることが出来た。

私は今迄の一連のメモを見直した。

そこで気がついたことがある。

まず最初のGサークル。

星が落ち、人は身軽に飛び跳ねていた。

そして重力が軽い、またはその概念がないのだろう。

つまり「G」とはGravityの「G」だろう。

まさにグラビティ・サークル。

そう呼ぶに相応しい世界だ。

更にこの考えでいけば「T」はTime。

つまり時間。

そして女神による修練の世界。

タイム・サークル。




続いて波動を感じさせた世界。

波動を少し変えればエネルギー(Energy)と捉えられる。

エネルギー・サークル。

何かしら力を得られる世界だったのだろう。




「Ψ」は心理学を表す記号だと言われている。

予想通りならば、ありのままを映す心の世界。

見えるままの花園のように眠るプシー・サークル。




「μ」はマイクロという意味だが自分と限りなく近い場所。

あるいは心の内側からビオラを奏てサークルを呼ぶ。

ミュー・サークル。

知らぬ深淵で名を呼ぶビオラの世界。




そして最後。

パラネシアンに現れたCサークル。

そのサークルの周りには何もない。

花園のように華を咲かせてみる。

だが種がない。

なのであの花園から種を拝借し種を植える。

種にエネルギーを流し、時を飛ばし、深淵に近い世界で見るがままの花園を作りあげた。

すると周りに清潔な空気が漂う。

深淵のような風景はクリアに見えるようになった。

遠くの空に回る花は円陣の丘の先に見える。

そうか。

「C」とは クリーン(Clean)またはクリア(Clear)と言うことになる。

そこで私はクリーン・サークルと呼ぶ。

だが何故、誰もが、一体何の目的でサークルを作ったのかが謎である。

そう悩んでいると各場所のサークルは光浮かび、私の前で一つに重なった。

眩い光が落ち着き現れたのは花だった。

花を手に取ると動きが鈍くなり、地に伏してしまった。

すると謎の存在が現れ、この世界を停止させた。




END
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