8 / 11
第8話
しおりを挟む
「ただいま~」と珠美と慶太は帰ってきた。2人はたまたま駅の改札で逢って一緒に帰ってきたのだ。
しかし,家の中のただならぬ空気の重さに2人はすぐに気づき、何事かと思ってリビングに入った。そこには舞斗と華奈子が何やら真剣な話をしていた。
舞斗の表情はかなりキツく,華奈子の表情は今すぐにでも消えてしまいそうな感じである。「何してるの?」と珠美は2人の話に割って入った。珠美と慶太に気がついた舞斗は2人も話を聞いてほしい。とダイニングテーブルに移動した。
全員が席に着くと「それでなんの話をしていたんだ?」と慶太は華奈子に聞いたが華奈子は俯いたたままいっこうに話す様子はない。痺れを切らした舞斗が事情をすべて話した。「華奈子が大学受験を諦めたい。って僕に言ってきたんだ。
それで話をしようとしてリビングに来たんだけど,華奈子がそれ以上話さなかったんだ。」それを聞いて珠美と慶太は驚いて「華奈子,それホントなの?」と聞いて華奈子はゆっくりと頷いた。
続けて慶太は「なぜだ?なぜ急に諦めたくなったんだ?」と一気に詰め寄ったが
華奈子は口を固く結んだまま動かない。
すると「お父さん,舞斗。一旦席を外してくれる?わたしと華奈子だけで一回話してみるから。」と珠美が提案し2人は席を外し,部屋を出た。2人の姿が見えなくなったので珠美はもう一度理由を聞いた。華奈子は顔を上げて珠美をじっと見つめ,やがて口をゆっくりと開いた。
「わたし,2年の夏から今までお兄ちゃんと遥子さんと3人で一生懸命取り組んできた。でも,それから模試を何回も受けてるけど結果は全然良くないの。
このまま受験の日までやってもし落ちたらお兄ちゃんと遥子さんに申し訳ない。
だからもう諦める。受験を諦める。」
華奈子の理由を部屋の外でこっそり聞いていた舞斗はたまらず部屋に入ろうとしたが,同時に珠美が華奈子に話し始めた。「何言ってるの?舞斗と遥子さんに申し訳ない?そんなことあの2人が思うわけないじゃん。あの人たちは華奈子に
より良い道を、より良い人生を歩いてほしい。そのためなら自分の時間なんて関係ない。そういう考えをしているの。」
そこに舞斗が入ってきて「華奈子,大学受験をするかしないかお前次第だ。
別に僕たちは絶対に行けとか強制はしない。でもな、僕は華奈子が本気でもう一度受験をしたいというのならば、全力で応援するしサポートもする。もし,本当に諦めるのならば僕はもう何もしない。
応援もしない。さぁどうする?明日の正午まで待とう。慎重に考えて結論を出せ。」とだけ言って舞斗は自分の部屋に戻った。
それから華奈子は「受験はしたいよ。したいけど結果が出なかったら意味ないじゃん。」とブツブツ言いながら悩んで悩んで悩み抜き、翌日の正午が間近に迫った。華奈子は舞斗に結論を言った。
「わたしは、やっぱり大学受験をしたい。わたし、一晩考えて思ったの。ここまでやってやらずに終わるのは嫌だ。
どうせならやれるだけやって全力を尽くして悔いが残らないようにしたい。
だから,もう一度わたしに力を貸してください。お願いします。」華奈子は頭を下げた。舞斗はフゥ~と息を吐いてから
「華奈子,頭を上げて。あぁ~よかった~。てっきりもうここで終わるんじゃねぇかって思ってドキドキしたよ。
でも,華奈子がここで終わるようなやつじゃないって思ってたけどな。」
華奈子は舞斗の意外な反応に驚いて少しひいた。「じゃあ,オッケーってことだよね。」「うん。ここからもう一回一緒に頑張りましょう。」
ここからもう一回受験に向けてギアを入れ直して頑張ろうと心に決めた華奈子は
無事に合格することができるのだろうか。
しかし,家の中のただならぬ空気の重さに2人はすぐに気づき、何事かと思ってリビングに入った。そこには舞斗と華奈子が何やら真剣な話をしていた。
舞斗の表情はかなりキツく,華奈子の表情は今すぐにでも消えてしまいそうな感じである。「何してるの?」と珠美は2人の話に割って入った。珠美と慶太に気がついた舞斗は2人も話を聞いてほしい。とダイニングテーブルに移動した。
全員が席に着くと「それでなんの話をしていたんだ?」と慶太は華奈子に聞いたが華奈子は俯いたたままいっこうに話す様子はない。痺れを切らした舞斗が事情をすべて話した。「華奈子が大学受験を諦めたい。って僕に言ってきたんだ。
それで話をしようとしてリビングに来たんだけど,華奈子がそれ以上話さなかったんだ。」それを聞いて珠美と慶太は驚いて「華奈子,それホントなの?」と聞いて華奈子はゆっくりと頷いた。
続けて慶太は「なぜだ?なぜ急に諦めたくなったんだ?」と一気に詰め寄ったが
華奈子は口を固く結んだまま動かない。
すると「お父さん,舞斗。一旦席を外してくれる?わたしと華奈子だけで一回話してみるから。」と珠美が提案し2人は席を外し,部屋を出た。2人の姿が見えなくなったので珠美はもう一度理由を聞いた。華奈子は顔を上げて珠美をじっと見つめ,やがて口をゆっくりと開いた。
「わたし,2年の夏から今までお兄ちゃんと遥子さんと3人で一生懸命取り組んできた。でも,それから模試を何回も受けてるけど結果は全然良くないの。
このまま受験の日までやってもし落ちたらお兄ちゃんと遥子さんに申し訳ない。
だからもう諦める。受験を諦める。」
華奈子の理由を部屋の外でこっそり聞いていた舞斗はたまらず部屋に入ろうとしたが,同時に珠美が華奈子に話し始めた。「何言ってるの?舞斗と遥子さんに申し訳ない?そんなことあの2人が思うわけないじゃん。あの人たちは華奈子に
より良い道を、より良い人生を歩いてほしい。そのためなら自分の時間なんて関係ない。そういう考えをしているの。」
そこに舞斗が入ってきて「華奈子,大学受験をするかしないかお前次第だ。
別に僕たちは絶対に行けとか強制はしない。でもな、僕は華奈子が本気でもう一度受験をしたいというのならば、全力で応援するしサポートもする。もし,本当に諦めるのならば僕はもう何もしない。
応援もしない。さぁどうする?明日の正午まで待とう。慎重に考えて結論を出せ。」とだけ言って舞斗は自分の部屋に戻った。
それから華奈子は「受験はしたいよ。したいけど結果が出なかったら意味ないじゃん。」とブツブツ言いながら悩んで悩んで悩み抜き、翌日の正午が間近に迫った。華奈子は舞斗に結論を言った。
「わたしは、やっぱり大学受験をしたい。わたし、一晩考えて思ったの。ここまでやってやらずに終わるのは嫌だ。
どうせならやれるだけやって全力を尽くして悔いが残らないようにしたい。
だから,もう一度わたしに力を貸してください。お願いします。」華奈子は頭を下げた。舞斗はフゥ~と息を吐いてから
「華奈子,頭を上げて。あぁ~よかった~。てっきりもうここで終わるんじゃねぇかって思ってドキドキしたよ。
でも,華奈子がここで終わるようなやつじゃないって思ってたけどな。」
華奈子は舞斗の意外な反応に驚いて少しひいた。「じゃあ,オッケーってことだよね。」「うん。ここからもう一回一緒に頑張りましょう。」
ここからもう一回受験に向けてギアを入れ直して頑張ろうと心に決めた華奈子は
無事に合格することができるのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる