ショートエッセイ 山と花を胸に

第６０回 ブナの森 優しさを学ぶ

　子供の頃、森を楽しむと言えば、カブトムシやドングリで遊ぶ、クヌギやコナラの森を、楽しんだものだった。
高校時代に登山を始める様になると、下界の森とは違う、山で出逢える森として、ブナの森は憧れの一つだった。
初めてブナの森を楽しんだのは、大学時代に登頂した、鳥取県の大山。
ブナに包まれた、麓の登山道を歩いた時、
母の温もりと優しさに包まれている様で、
感動した。
ブナは、〝森の母〟と言われ、森と川と海の、生態系を維持して行くうえで、重要な樹木だ。
ブナの森は、水を多く含む事が出来、森の生態と、下界の生活を、豊かにする事が出来る。
また、雨による川の増水が発生しにくいと言われる。
ブナの森。
全てに共通するのは、
〝優しさ〟である。〝優しさ〟と言うのは、
〝みんなの心を豊かにする事〟だと考える。
これからブナの黄葉シーズン。
温もりの黄葉のブナの森を、いつか歩いてみたいものである。
もちろん、〝優しさ〟を胸に、学びながら。