94 / 197
第6章 アストルフォ月へ行く
9 聖ヨハネの怪しげな歓待
しおりを挟む
聖ヨハネ。神の子イエスの12使徒の最年少。彼に最も愛されたと同時に、唯一殉教しなかった弟子として伝わっている。
兄である大ヤコブと同様、気性が荒い事で知られ「雷の子」と仇名されたという逸話がある。古代ローマ帝国でキリスト教の迫害が激化した際に捕えられて流刑。
流されたパトモス島にて終末世界の幻視を見たとされ、それらを著したのが新約聖書の最後を飾る「黙示録」であると言われる。
柔和な印象を持つ白髪の老人は、ブラダマンテ達の前に厳かに姿を現した。
聖ヨハネが門より現れると同時に、最も早く跪いたのはブラダマンテだった。それに倣いイングランド王子アストルフォも、続いてムーア人騎士ロジェロも頭を垂れる。
普段であれば何の問題もない、礼節を尽くした振る舞いだが――ロジェロこと黒崎八式はチクリとした胸騒ぎを覚えていた。
(女騎士ブラダマンテは敬虔なるキリスト教徒――そういう設定だったな。
だから司藤の奴が、誰よりも早く聖ヨハネに対し跪いたのは正しい。
正しいんだが……クソッ! さっきのやり取りのせいで、どうも落ち着かねえ)
司藤アイが「ブラダマンテ」らしく振る舞えば振る舞うほど。
彼女の中に本来あるはずの、アイの「魂」の存在が希薄になっていくような気がしてならなかった。
「面を上げられよ、敬虔なる信徒たちよ」
ヨハネは朗々たる若々しい声で皆を立ち上がらせた。
ブラダマンテ、ロジェロ、アストルフォだけでなく――いつの間にかペガサスの変身が解けてしまった尼僧メリッサもいた。
「えっ…………あ、あれ?」
メリッサは魔法が解けた事に気づいていなかった。一瞬裸体を晒してしまったかとうろたえた彼女だったが、驚くべき事に僧服をすでに身に纏っていたのである。これも聖者の御業なのだろうか?
「久方ぶりの客人じゃ。ささ、中へと入られよ。存分に歓待しよう」
聖ヨハネは満面の笑みを崩さぬまま、四人を手招きするのだった。
**********
「おお……素晴らしい! これこそまさに地上の楽園!
日頃教会で教えられた通りの、神々しくも厳めしい美しさに満ちた宮殿!
来てよかった……! そうは思わないかい、ロジェロ君!」
アストルフォは聖ヨハネとの邂逅にいたく感動したようで、宮殿内を歩くたび、視界に飛び込むあれやこれやをいちいち賞賛していた。
対するロジェロは、事ある毎に同意を求めてくる彼の鬱陶しさに辟易しつつも「ああ……そうだな」と生返事を繰り返していた。
そんなロジェロを見て、ブラダマンテは心配そうに顔を覗き込んでくる。
「大丈夫、ロジェロ? さっきからボーッとしちゃって。長旅で疲れているの?」
無自覚なのかわざとなのか。「ブラダマンテ」になりきっているアイは、本気で彼を心配している様子だった。
ロジェロの精彩のなさの原因は彼女にこそあるのだが――皆の見ている手前、大っぴらに指摘する訳にもいかない。
宮殿内をひと通り見て回った後――聖ヨハネから「食事の用意が出来ている」と知らされた四人は食堂へ通された。
「タナ湖ではな。ここでしか獲れぬ美味な魚が数多くおってのう。
ま……詳しい説明は必要ないかの。
『お主らであれば』見ればすぐに分かるじゃろうて」
白髪の聖者は意味深な言葉を残し、豪奢な食事を皆に振る舞うと奥の間へと姿を消した。
早速四人で食事を摂ることに。ブラダマンテ、いや司藤アイは――目を疑った。
「えっ……これって……ブイヤベース……!?」
驚くのも無理はない。以前ブラダマンテがマルセイユにいた時、インドの王女・マルフィサをもてなす為に作らせた海鮮料理が再現されている。
アストルフォとメリッサは、美味なる料理に舌鼓を打ちながらやっぱり感動していた。
「地上のどんな豪華な料理よりも美味い! さすが天国……!」
「確かに……美味しいですわ……!
今までこんな凄い食事、した事ありませんもの……!」
ブラダマンテはさらに驚いた。ブイヤベースの材料になんとジャガイモやトマトまで使用されていたのだ。
「嘘……そんな……信じられない……!」
「? どうかしたのか、司……ブラダマンテ」
絶句している女騎士を前に、ロジェロも訝しげに訊いてくる。
「ホラ見てこれ。ジャガイモやトマトが素材に使われてるの」
「……確かに今まで見た事なかったけどよ。そんなに凄い事なのか? それ」
以前ブイヤベースを調理した事のあるアイが受けている衝撃は、いまいち黒崎には伝わっていないらしい。
業を煮やした彼女は、念話で下田三郎を呼びつける事にした。
『下田教授! 聞こえる? 今黒崎と一緒にいるんだけど……説明して欲しい事があるの!』
『あ、ああ……分かった』
前に試した事があるので実証済みだが、アイと黒崎が身体のどこかを触れ合っている間、下田の念話を黒崎にも聞かせる事ができる。
そんな訳でアイはためらいなく、黒崎の左手をそっと握り、下田の解説を伝える事にした。
『黒崎君。ジャガイモやトマトは新大陸由来でな。しかもトマトは最初は観賞用だった。
食用に品種改良されたのが19世紀ごろでな。つまり――仮に新大陸にあるトマトをここに持ち込んだとしてもだ。味もロクについていない、食用に適さないトマトしか存在していないハズなんだ』
下田の言葉の意味するところは、すなわち。
今食べているブイヤベースの味は、本来ならばこの世界では絶対に再現できないモノであるという事だ。
『その食事を振る舞っている者は、確かに聖ヨハネと名乗ったんだな?』
『ああ……本人はそう言っていたぜ』
『なるほど。原典の展開的に見ても味方ではあると思うが。
彼がヨハネ本人かどうかは定かではない。あまり彼の言う事を鵜呑みにしない事だな』
黒崎も正直な所、この地の宮殿じたいに違和感を覚えていた。
アストルフォの思惑通りの世界というのが、どうにも出来過ぎている。キリスト教徒を信用させるために作り出している幻覚の可能性も高いだろう。
『それからアイ君、黒崎君。二人に伝えておきたい事があったんだ。
あれからこちらでも色々調べたのだがな。今まで本に引きずり込まれた犠牲者の中に、綺織浩介君の姉の名前があったんだ』
綺織浩介の姉。
その言葉を聞いた二人の顔に緊張が走った。
『!…………それは本当か? 下田先生』
『ああ。恐らくは過去、ブラダマンテとしての使命に失敗し……物語世界のどこかに囚われているのだろう。
彼女の名前は錦野麗奈。結婚した際に姓が変わったようだな』
下田との念話が終わると、アイは気遣わしげに小声で言ってきた。
念のためアストルフォやメリッサには聞こえないよう配慮しての行動だ。
「ねえ、もしかしてその麗奈さんって……アンジェリカ、なのかしら?」
世界が繰り返されている事を認識しているにも関わらず、自身の「魂」の記憶を失いし者、放浪の美姫アンジェリカ。彼女の魂と記憶を救うために協力すると約束したものの、今まで手掛かりを得られずにいた。
「確証は持てねえが……可能性はある。それにこれから行く『月』で、何か分かるかもしれねえ」
「そう、なんだ……『月』って、どんな所なの?」
「それは――」
黒崎が口を開きかけた時、食堂の扉が開き――聖ヨハネが現れた。
「それについては、このわしから説明させてもらおうかのう?」
不可思議な事に、二人の小声の会話が老人には聞こえていたらしい。
周囲の状況は一変していた。アストルフォとメリッサの姿が見えない。
その場にはアイと黒崎、そして「聖ヨハネ」と名乗った老人の三人だけしか存在しなかった。
兄である大ヤコブと同様、気性が荒い事で知られ「雷の子」と仇名されたという逸話がある。古代ローマ帝国でキリスト教の迫害が激化した際に捕えられて流刑。
流されたパトモス島にて終末世界の幻視を見たとされ、それらを著したのが新約聖書の最後を飾る「黙示録」であると言われる。
柔和な印象を持つ白髪の老人は、ブラダマンテ達の前に厳かに姿を現した。
聖ヨハネが門より現れると同時に、最も早く跪いたのはブラダマンテだった。それに倣いイングランド王子アストルフォも、続いてムーア人騎士ロジェロも頭を垂れる。
普段であれば何の問題もない、礼節を尽くした振る舞いだが――ロジェロこと黒崎八式はチクリとした胸騒ぎを覚えていた。
(女騎士ブラダマンテは敬虔なるキリスト教徒――そういう設定だったな。
だから司藤の奴が、誰よりも早く聖ヨハネに対し跪いたのは正しい。
正しいんだが……クソッ! さっきのやり取りのせいで、どうも落ち着かねえ)
司藤アイが「ブラダマンテ」らしく振る舞えば振る舞うほど。
彼女の中に本来あるはずの、アイの「魂」の存在が希薄になっていくような気がしてならなかった。
「面を上げられよ、敬虔なる信徒たちよ」
ヨハネは朗々たる若々しい声で皆を立ち上がらせた。
ブラダマンテ、ロジェロ、アストルフォだけでなく――いつの間にかペガサスの変身が解けてしまった尼僧メリッサもいた。
「えっ…………あ、あれ?」
メリッサは魔法が解けた事に気づいていなかった。一瞬裸体を晒してしまったかとうろたえた彼女だったが、驚くべき事に僧服をすでに身に纏っていたのである。これも聖者の御業なのだろうか?
「久方ぶりの客人じゃ。ささ、中へと入られよ。存分に歓待しよう」
聖ヨハネは満面の笑みを崩さぬまま、四人を手招きするのだった。
**********
「おお……素晴らしい! これこそまさに地上の楽園!
日頃教会で教えられた通りの、神々しくも厳めしい美しさに満ちた宮殿!
来てよかった……! そうは思わないかい、ロジェロ君!」
アストルフォは聖ヨハネとの邂逅にいたく感動したようで、宮殿内を歩くたび、視界に飛び込むあれやこれやをいちいち賞賛していた。
対するロジェロは、事ある毎に同意を求めてくる彼の鬱陶しさに辟易しつつも「ああ……そうだな」と生返事を繰り返していた。
そんなロジェロを見て、ブラダマンテは心配そうに顔を覗き込んでくる。
「大丈夫、ロジェロ? さっきからボーッとしちゃって。長旅で疲れているの?」
無自覚なのかわざとなのか。「ブラダマンテ」になりきっているアイは、本気で彼を心配している様子だった。
ロジェロの精彩のなさの原因は彼女にこそあるのだが――皆の見ている手前、大っぴらに指摘する訳にもいかない。
宮殿内をひと通り見て回った後――聖ヨハネから「食事の用意が出来ている」と知らされた四人は食堂へ通された。
「タナ湖ではな。ここでしか獲れぬ美味な魚が数多くおってのう。
ま……詳しい説明は必要ないかの。
『お主らであれば』見ればすぐに分かるじゃろうて」
白髪の聖者は意味深な言葉を残し、豪奢な食事を皆に振る舞うと奥の間へと姿を消した。
早速四人で食事を摂ることに。ブラダマンテ、いや司藤アイは――目を疑った。
「えっ……これって……ブイヤベース……!?」
驚くのも無理はない。以前ブラダマンテがマルセイユにいた時、インドの王女・マルフィサをもてなす為に作らせた海鮮料理が再現されている。
アストルフォとメリッサは、美味なる料理に舌鼓を打ちながらやっぱり感動していた。
「地上のどんな豪華な料理よりも美味い! さすが天国……!」
「確かに……美味しいですわ……!
今までこんな凄い食事、した事ありませんもの……!」
ブラダマンテはさらに驚いた。ブイヤベースの材料になんとジャガイモやトマトまで使用されていたのだ。
「嘘……そんな……信じられない……!」
「? どうかしたのか、司……ブラダマンテ」
絶句している女騎士を前に、ロジェロも訝しげに訊いてくる。
「ホラ見てこれ。ジャガイモやトマトが素材に使われてるの」
「……確かに今まで見た事なかったけどよ。そんなに凄い事なのか? それ」
以前ブイヤベースを調理した事のあるアイが受けている衝撃は、いまいち黒崎には伝わっていないらしい。
業を煮やした彼女は、念話で下田三郎を呼びつける事にした。
『下田教授! 聞こえる? 今黒崎と一緒にいるんだけど……説明して欲しい事があるの!』
『あ、ああ……分かった』
前に試した事があるので実証済みだが、アイと黒崎が身体のどこかを触れ合っている間、下田の念話を黒崎にも聞かせる事ができる。
そんな訳でアイはためらいなく、黒崎の左手をそっと握り、下田の解説を伝える事にした。
『黒崎君。ジャガイモやトマトは新大陸由来でな。しかもトマトは最初は観賞用だった。
食用に品種改良されたのが19世紀ごろでな。つまり――仮に新大陸にあるトマトをここに持ち込んだとしてもだ。味もロクについていない、食用に適さないトマトしか存在していないハズなんだ』
下田の言葉の意味するところは、すなわち。
今食べているブイヤベースの味は、本来ならばこの世界では絶対に再現できないモノであるという事だ。
『その食事を振る舞っている者は、確かに聖ヨハネと名乗ったんだな?』
『ああ……本人はそう言っていたぜ』
『なるほど。原典の展開的に見ても味方ではあると思うが。
彼がヨハネ本人かどうかは定かではない。あまり彼の言う事を鵜呑みにしない事だな』
黒崎も正直な所、この地の宮殿じたいに違和感を覚えていた。
アストルフォの思惑通りの世界というのが、どうにも出来過ぎている。キリスト教徒を信用させるために作り出している幻覚の可能性も高いだろう。
『それからアイ君、黒崎君。二人に伝えておきたい事があったんだ。
あれからこちらでも色々調べたのだがな。今まで本に引きずり込まれた犠牲者の中に、綺織浩介君の姉の名前があったんだ』
綺織浩介の姉。
その言葉を聞いた二人の顔に緊張が走った。
『!…………それは本当か? 下田先生』
『ああ。恐らくは過去、ブラダマンテとしての使命に失敗し……物語世界のどこかに囚われているのだろう。
彼女の名前は錦野麗奈。結婚した際に姓が変わったようだな』
下田との念話が終わると、アイは気遣わしげに小声で言ってきた。
念のためアストルフォやメリッサには聞こえないよう配慮しての行動だ。
「ねえ、もしかしてその麗奈さんって……アンジェリカ、なのかしら?」
世界が繰り返されている事を認識しているにも関わらず、自身の「魂」の記憶を失いし者、放浪の美姫アンジェリカ。彼女の魂と記憶を救うために協力すると約束したものの、今まで手掛かりを得られずにいた。
「確証は持てねえが……可能性はある。それにこれから行く『月』で、何か分かるかもしれねえ」
「そう、なんだ……『月』って、どんな所なの?」
「それは――」
黒崎が口を開きかけた時、食堂の扉が開き――聖ヨハネが現れた。
「それについては、このわしから説明させてもらおうかのう?」
不可思議な事に、二人の小声の会話が老人には聞こえていたらしい。
周囲の状況は一変していた。アストルフォとメリッサの姿が見えない。
その場にはアイと黒崎、そして「聖ヨハネ」と名乗った老人の三人だけしか存在しなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
追放されたS級清掃員、配信切り忘れで伝説になる「ただのゴミ掃除」と言って神話級ドラゴンを消し飛ばしていたら世界中がパニックになってますが?
あとりえむ
ファンタジー
【5話ごとのサクッと読める構成です!】全60話 完結しました。読者の皆様ありがとうございます!
世界を救ったのは、聖剣ではなく「洗剤」でした。
「君のやり方は古いんだよ」 不当な理由でS級クランを追放された、ベテラン清掃員・灰坂ソウジ(38歳)。 職を失った彼だったが、実は彼にはとんでもない秘密があった。 呪いのゴーグルのせいで、あらゆる怪物が「汚れ」にしか見えないのだ。
・神話級ドラゴン
⇒ 換気扇の頑固な油汚れ(洗剤で瞬殺)
・深淵の邪神
⇒ トイレの配管詰まり(スッポンで解決)
・次元の裂け目
⇒ 天井の雨漏りシミ(洗濯機で丸洗い)
「あー、ここ汚れてるな。チャチャッと落としておくか」
本人はただ業務として掃除をしているだけなのに、その姿は世界中で配信され、人類最強の英雄として崇められていく! 可愛い元ダンジョン・コアや、潔癖症の聖女も入社し、会社は今日も大忙し。 一方、彼を追放した元クランは、汚れ(モンスター)に埋もれて破滅寸前で……?
「地球が汚れてる? じゃあ、一回丸洗いしますか」 最強の清掃員が、モップ片手に世界をピカピカにする、痛快・勘違い無双ファンタジー!
【免責事項】
この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる