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第6章 アストルフォ月へ行く
10 「月へ行く」ということ
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食堂にいるのは司藤アイと黒崎八式、そして「聖ヨハネ」と名乗った白髪の老人だけになった。
先刻まで食事に没頭していた筈のアストルフォとメリッサの姿が見えない。
「何よこれ……あなた、メリッサをどこにやったの?」
「どういう事だ……おい、爺さん! アフォの奴はどうした!?」
アイと黒崎がほぼ同時に詰問すると、聖ヨハネは笑みを浮かべて答えた。
「案ずる事はない。あの二人は仲良く食事をしておるよ。
今わしは、そなたらの『魂』に直接語りかけておる。
そなたらの魂は、この世界にて生まれたものではない……そうじゃな?」
伝説の聖者なのだ。アイと黒崎の素性を見抜いたとしても不思議ではない。
それでもいきなり核心を突いた問いに、二人は警戒せざるを得なかった。
「爺さん、あんた……『聖ヨハネ』なんかじゃねえな?」
黒崎の言葉にヨハネは少し眉をひそめたが、すぐに笑顔に戻った。
「質問に質問で返すとはのう……まあよい。沈黙は肯定と同義じゃからな。
いかにも、わしは聖ヨハネではない。この姿を取れば、キリスト教徒やイスラム教徒は警戒心を緩める。それどころか伝説の聖者としてわしを敬い、どのような話も疑いもせず聞き入れてくれるのじゃ。
わしがここでする話は、色々と複雑でのう。
嘘でもないのに、いちいち疑ってかかられては話がややこしくなる。
ダマしておる訳ではない。物事を円滑に進めるためには、仕方のない事よ」
「……あんた一体何者なんだ?
アストルフォの思い描いた通りの宮殿を作ったり、オレたちしか知り得ない料理を作ったり――
ひょっとしてあんたも、オレたちと同じように、現実世界の魂の記憶を……?」
予想して然るべき問いではあったが、老人は首を振った。
「そなたが思っているような者たちとは、残念ながら違う。
わしがそなたらの素性を看破したのは、人の持つ記憶を汲み取る力を持っているからじゃ。
アストルフォ殿の記憶から『豪華な宮殿』と『聖ヨハネ』の外見を得て、現実にしたのも。
そこな司藤アイ殿の記憶からブイヤベースと、ジャガイモ・トマトの味を再現したのも。わしの持つ魔法の力の一環に過ぎぬ。
そなたらのような特別な客人を迎えるのは初めてじゃからのう。改めて挨拶しておきたいと思ったんじゃ」
「えっ……じゃあ、あんたって……」
「深く勘繰りなさんな。そんな大した者でもないからの。
そうさな……単に『聖ヨハネ』の役割を与えられただけの道化、といったところかのう」
伝説の聖者を演じる謎の人物は、自嘲気味に乾いた笑みを見せた。
原典における「聖ヨハネ」の重要な役割は2つ。
狂って理性を失った騎士オルランドを元に戻す方法を教えること。
エチオピア王セナプスの盲目を治療する霊薬を授けること。
この2つを得るため、アストルフォは聖ヨハネに導かれて星海を旅する二輪戦車に乗り「月」へと向かう事になる。
「ま……ここまで言えば分かるじゃろうが。
『月』というのは過去の記憶世界の暗喩でな。
詳細を語れば長くなるのじゃが――アストルフォ殿のような人物に、それを理解できると思うか?」
「いいえ、まったく」
「…………全っ然、思わねえ」
アイと黒崎の返答は満場一致である。
「であろう? だったら『月』とでも称して適当に濁したほうが、すんなり信じてくれるのじゃ。
そなたらは実際の月がどのような世界かまで知っておるようじゃし、先に説明をして口裏を合わせてくれるようお願いした方が話が早い」
ヨハネはこれからの予定の説明を始めた。
この地で十分な食事と休息を取って就寝した者は、その晩必ず「月に向かう」夢を見るという。
「月の世界」においては、様々な過去の記憶の振り返りが行われる。それは夢を見る人物が「何を望んでいるか」を知るために必要な儀式である。
「――これらの手続きを経て、そなたらは『報酬』を得られる。
無論、世俗的な金銭や名声とは無縁の、記憶や精神に関するモノじゃがのう。
じゃがその際に、そなたらの過去の記憶に触れねばならぬ。
……その覚悟はあろうな?」
意味深な笑みを浮かべてヨハネは問う。
過去の記憶が蘇る。それは決して歓迎すべき状況ではない。
「ヨハネさん。聞いてもいい?
その『記憶の振り返り』って……自分の記憶を自分で見るってだけ? 他の人に見られたりは――?」
「ほっほ、そこは心配せんでもよいぞ。お嬢さん。
振り返る記憶はあくまでも、そなた自身のモノじゃ。
どうしてもというなら、自分の口から隣の男に話せばよいじゃろう?」
アイも黒崎も、ゴクリと唾を飲み込んだ。
だがやがて――覚悟を決めたのか、二人とも頷いた。
「決まりじゃな。では『魂』への対話はここでおしまいにしよう。
食事の続きを楽しむがいい。今夜の旅に備え、英気を養っておく事じゃ」
「聖ヨハネ」が穏やかに微笑すると――食堂は元の状態に戻っていた。
さっきまで姿の見えなかったアストルフォとメリッサが、一心不乱に海鮮料理を胃袋に放り込んでいる光景が目に入る。
「どうしたんだい二人とも! ボーッとしちゃって! 食べないなら君たちの分もボクがいただいちゃうよ!」
「そうですわブラダマンテ。こんなにも素晴らしい食事、遠慮するなんて勿体ないですわ! 何なら私が食べさせましょうか? はい、あーんして」
「お断りします。っていうか一人で食べれるからっ!」
能天気とも言える二人の促しに、アイと黒崎はクスリと吹き出してしまった。
そして改めて、ブイヤベースに舌鼓を打ったのだった。
**********
聖ヨハネからアストルフォに「月旅行」に関する説明が為された。
今夜、満月が昇る頃――二輪戦車に乗って月に向かう。月には過去に失われた、ありとあらゆるものが眠っているという。すなわち――最強騎士オルランドが失恋の末に失った正気ですらも。
当のアストルフォは分かっているのかいないのか、聖ヨハネの説明を鷹揚に頷きながら聞いていた。
そのやり取りを横目で見ながら、ロジェロ――黒崎は考えていた。
(やっぱり、オレの予想通りの事が『月』では行えるようだな。
あらゆる失われたモノが眠っているというなら、きっと――アンジェリカ、いや綺織の姉貴・錦野麗奈の過去の記憶だって見つかるハズだ……!)
先刻まで食事に没頭していた筈のアストルフォとメリッサの姿が見えない。
「何よこれ……あなた、メリッサをどこにやったの?」
「どういう事だ……おい、爺さん! アフォの奴はどうした!?」
アイと黒崎がほぼ同時に詰問すると、聖ヨハネは笑みを浮かべて答えた。
「案ずる事はない。あの二人は仲良く食事をしておるよ。
今わしは、そなたらの『魂』に直接語りかけておる。
そなたらの魂は、この世界にて生まれたものではない……そうじゃな?」
伝説の聖者なのだ。アイと黒崎の素性を見抜いたとしても不思議ではない。
それでもいきなり核心を突いた問いに、二人は警戒せざるを得なかった。
「爺さん、あんた……『聖ヨハネ』なんかじゃねえな?」
黒崎の言葉にヨハネは少し眉をひそめたが、すぐに笑顔に戻った。
「質問に質問で返すとはのう……まあよい。沈黙は肯定と同義じゃからな。
いかにも、わしは聖ヨハネではない。この姿を取れば、キリスト教徒やイスラム教徒は警戒心を緩める。それどころか伝説の聖者としてわしを敬い、どのような話も疑いもせず聞き入れてくれるのじゃ。
わしがここでする話は、色々と複雑でのう。
嘘でもないのに、いちいち疑ってかかられては話がややこしくなる。
ダマしておる訳ではない。物事を円滑に進めるためには、仕方のない事よ」
「……あんた一体何者なんだ?
アストルフォの思い描いた通りの宮殿を作ったり、オレたちしか知り得ない料理を作ったり――
ひょっとしてあんたも、オレたちと同じように、現実世界の魂の記憶を……?」
予想して然るべき問いではあったが、老人は首を振った。
「そなたが思っているような者たちとは、残念ながら違う。
わしがそなたらの素性を看破したのは、人の持つ記憶を汲み取る力を持っているからじゃ。
アストルフォ殿の記憶から『豪華な宮殿』と『聖ヨハネ』の外見を得て、現実にしたのも。
そこな司藤アイ殿の記憶からブイヤベースと、ジャガイモ・トマトの味を再現したのも。わしの持つ魔法の力の一環に過ぎぬ。
そなたらのような特別な客人を迎えるのは初めてじゃからのう。改めて挨拶しておきたいと思ったんじゃ」
「えっ……じゃあ、あんたって……」
「深く勘繰りなさんな。そんな大した者でもないからの。
そうさな……単に『聖ヨハネ』の役割を与えられただけの道化、といったところかのう」
伝説の聖者を演じる謎の人物は、自嘲気味に乾いた笑みを見せた。
原典における「聖ヨハネ」の重要な役割は2つ。
狂って理性を失った騎士オルランドを元に戻す方法を教えること。
エチオピア王セナプスの盲目を治療する霊薬を授けること。
この2つを得るため、アストルフォは聖ヨハネに導かれて星海を旅する二輪戦車に乗り「月」へと向かう事になる。
「ま……ここまで言えば分かるじゃろうが。
『月』というのは過去の記憶世界の暗喩でな。
詳細を語れば長くなるのじゃが――アストルフォ殿のような人物に、それを理解できると思うか?」
「いいえ、まったく」
「…………全っ然、思わねえ」
アイと黒崎の返答は満場一致である。
「であろう? だったら『月』とでも称して適当に濁したほうが、すんなり信じてくれるのじゃ。
そなたらは実際の月がどのような世界かまで知っておるようじゃし、先に説明をして口裏を合わせてくれるようお願いした方が話が早い」
ヨハネはこれからの予定の説明を始めた。
この地で十分な食事と休息を取って就寝した者は、その晩必ず「月に向かう」夢を見るという。
「月の世界」においては、様々な過去の記憶の振り返りが行われる。それは夢を見る人物が「何を望んでいるか」を知るために必要な儀式である。
「――これらの手続きを経て、そなたらは『報酬』を得られる。
無論、世俗的な金銭や名声とは無縁の、記憶や精神に関するモノじゃがのう。
じゃがその際に、そなたらの過去の記憶に触れねばならぬ。
……その覚悟はあろうな?」
意味深な笑みを浮かべてヨハネは問う。
過去の記憶が蘇る。それは決して歓迎すべき状況ではない。
「ヨハネさん。聞いてもいい?
その『記憶の振り返り』って……自分の記憶を自分で見るってだけ? 他の人に見られたりは――?」
「ほっほ、そこは心配せんでもよいぞ。お嬢さん。
振り返る記憶はあくまでも、そなた自身のモノじゃ。
どうしてもというなら、自分の口から隣の男に話せばよいじゃろう?」
アイも黒崎も、ゴクリと唾を飲み込んだ。
だがやがて――覚悟を決めたのか、二人とも頷いた。
「決まりじゃな。では『魂』への対話はここでおしまいにしよう。
食事の続きを楽しむがいい。今夜の旅に備え、英気を養っておく事じゃ」
「聖ヨハネ」が穏やかに微笑すると――食堂は元の状態に戻っていた。
さっきまで姿の見えなかったアストルフォとメリッサが、一心不乱に海鮮料理を胃袋に放り込んでいる光景が目に入る。
「どうしたんだい二人とも! ボーッとしちゃって! 食べないなら君たちの分もボクがいただいちゃうよ!」
「そうですわブラダマンテ。こんなにも素晴らしい食事、遠慮するなんて勿体ないですわ! 何なら私が食べさせましょうか? はい、あーんして」
「お断りします。っていうか一人で食べれるからっ!」
能天気とも言える二人の促しに、アイと黒崎はクスリと吹き出してしまった。
そして改めて、ブイヤベースに舌鼓を打ったのだった。
**********
聖ヨハネからアストルフォに「月旅行」に関する説明が為された。
今夜、満月が昇る頃――二輪戦車に乗って月に向かう。月には過去に失われた、ありとあらゆるものが眠っているという。すなわち――最強騎士オルランドが失恋の末に失った正気ですらも。
当のアストルフォは分かっているのかいないのか、聖ヨハネの説明を鷹揚に頷きながら聞いていた。
そのやり取りを横目で見ながら、ロジェロ――黒崎は考えていた。
(やっぱり、オレの予想通りの事が『月』では行えるようだな。
あらゆる失われたモノが眠っているというなら、きっと――アンジェリカ、いや綺織の姉貴・錦野麗奈の過去の記憶だって見つかるハズだ……!)
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