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第6章 アストルフォ月へ行く
24 風雲急を告げる――
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ブラダマンテ達はエチオピア王国の都に帰還した。
早速セナプス王に会見を申し込み、受理される。
王の間にブラダマンテ、ロジェロ、そしてアストルフォの三人が謁見を許され、中へと通された。
「セナプス王。イングランド王子アストルフォです。たった今、聖ヨハネの住まう宮殿より戻りました!」
「なんと……本当にそのような地が存在したとは……」
(お前らも半信半疑だったのかよ!?)
盲目の王の意外そうな反応に、黒崎は心の中で思わずツッコミを入れた。
「そして王のために持ち帰ったのが、こちらの――盲いた目の治療薬と。
ロジェロ君。例のものをセナプス王に!」
過去の精神世界たる「月」にて、ロジェロが持ち帰ったもの。
それは巨大なガラス瓶であり、貼られたラベルには「セナプス王の息子セナプスの死の間際の記憶」とあった。
王の息子は半年前、父と仲違いした直後に自宅が火事に遭い全焼し――彼自身も逃げ遅れて焼死していた。
息子がいかなる思いを抱いて死んだのか、誰も知る事はできない筈であった。
瓶の蓋はきつく閉ざされていたが――エチオピア王セナプスの下へ届けられるとそれはあっさりと外れ、中身が飛び出した。王の鼻、口、耳へと煙のようなものが吸い込まれていく。
セナプス王は打ち震え、盲目の瞳から涙を流していた。
「そうか――我が息子よ。そういう――事であったか」
死の間際の記憶を垣間見たのは、父であるエチオピア王のみ。しかし彼は全てを理解したようだ。
アストルフォから渡された治療薬をまぶたに塗る。すると――彼の閉ざされた目が大きく見開かれた。瞳には以前の澄んだ輝きが戻っていた。
「アストルフォ殿をはじめとした、勇敢にして賢明なる騎士の方々。
此度の件においてはこのセナプス、感謝の言葉も見つからぬ……
知り得た息子の記憶については、我が王国の恥となる事件。出来うる事なら外には漏らさぬよう、お願いしたいのだが――」
「心配ご無用です、セナプス王」アストルフォは跪いて応じた。
「我らはその記憶を知らず。また知りたいとも思いません。
セナプス王の目を曇らせていた憂いが晴れたというなら。このアストルフォにとって、これ以上の喜びがありましょうや?」
アストルフォの対応は騎士である以上に紳士然としており、月世界より持ち帰りし思慮分別の恩恵に未だ預かっている事が伺えた。
エチオピアの現状と立場――サラセン帝国に海上交易の権益を奪われつつあり、彼らと懇意にするしか生き残る道がない――を理解し、かつ他国に知られたくない内情のゴタゴタにも触れない。
あれだけの苦難と冒険を乗り越えた上で、見返りを求めないという謙虚な姿勢。だが現時点においては、その選択こそが最良と言えた。
(仮に思慮分別とやらがなくても、アストルフォならこう言っちまうんだろうな。
賢い賢くない以前の問題で、お人好しすぎるんだよ――)
「……ですが王。どうしても我らへの報酬を賜る事、お許し願えるのであれば」
アストルフォは跪いたまま一旦言葉を切り、周囲の注目を集めた上で語った。
「――せめて今宵だけでも、豪勢な食事を共に楽しみましょう。もうハルピュイアは、いないのでしょう?」
ハルピュイア。盲目だった頃のセナプス王の心の中だけに存在した、半鳥半人の汚らわしい怪物。
王の廷臣たちからどよめきと安堵の声が上がり――セナプス王は強く頷いた。
「……うむ。もはやハルピュイアなど、どこにもおらぬ」
**********
ブラダマンテ達がエチオピアを離れてしばらく経ってから、風の噂で聞いた話によれば。この後、権勢をふるっていた外戚の一族の罪が発覚し、彼らは捕縛されたそうだ。
死の間際に残された息子の記憶を知ったエチオピア王は、家を焼いたのが外戚の放った刺客であることを知り。そして焼け跡を徹底的に調査し、その動かぬ証拠を発見したのである。
彼らはセナプス王の後継者を罪人に仕立て上げ、王族の血を絶やし自分たちが王となる事を企てていたらしい。
陰謀はすんでのところで発覚し、それまで罪人と見做されていたセナプスの息子の一族は赦された。
キリスト教の伝説にある、東方の三賢者の血を引くとされる、王の血族は命脈を保つ事ができた。近い将来、セナプス王の孫セナプスが王位を継承する事になるという。
その話を聞いた時、黒崎が「孫の名前までセナプスなのかよッ!?」とツッコミを入れたのは言うまでもない。
**********
王の宮殿での宴会が終わった後。
ブラダマンテ、ロジェロ、アストルフォ、メリッサの四人は、今後取るべき去就について相談をしていた。
「ボクは月の世界で『オルランドの心』を手に入れた。だから正気を失ったというオルランドの居場所を探し出す義務がある」アストルフォは言った。
「オレはブラダマンテとの結婚準備を進める為にも、アグラマン大王の下へ向かわなきゃならん」とロジェロ。
「未だにオレの所属はサラセン帝国って事になってるからな。騎士としてサラセン軍を辞すにしても、キチンと手続き踏まなきゃなんねえ」
「そっか……じゃあ一旦ここでみんな、お別れかしらね」ブラダマンテも寂しげに言った。
「わたしも綺織先輩のお姉さん、錦野麗奈さんの記憶を持ち帰った以上。
放浪しているアンジェリカを探し出して、記憶を取り戻させなくっちゃ」
「そういう事でしたら、このメリッサ。天馬に身を変じ――ブラダマンテと共に、どこまでもついていきますわ!」
「アストルフォ、メリッサ。くれぐれもオレたちの素性を他言しないでくれよ?」
「それは勿論さ、ロジェロ君!」
「分かっていますわ」
四人の今後の方針と旅路が決まった。結局また、それぞれの使命の為に別行動を取らなければならない。
決意を固めたブラダマンテ――司藤アイの魂に、突如下田三郎の大音量の念話が飛び込んできた。
《司藤君! 聞こえるか!? 重大な報せがある|》
(いきなりどうしたのよ、大声出して! ビックリするじゃない教授……)
《え? いや、こないだ私の声、聞き取りづらいって言ってたじゃあないか。
だから気持ち大声で呼ばないといけないと思ってだな――》
(その件なら、もう心配しなくて大丈夫だから。むしろ普段通りでお願い。
でないと念話が来るたびに身体がビクッて震えちゃう事になるから)
月にて黒崎をはじめ、多くの人の支えを得られると分かってから――アイの魂の揺らぎは治まっていた。
しかし下田教授の次なる発言の為、結局彼女は驚いてしまう事になる。
《フランク王国とサラセン帝国が……一時休戦のための交渉を開始した、との記述が魔本に新たに現れた。
しかも互いに協力することで、発狂したオルランドを討伐する方向で合意を得てしまったようだぞ!》
下田教授の慌てぶりからも察する事ができる。この寝耳に水の事件は原典に存在しない、全く新しい展開だ。
せっかく苦労してオルランドを正気に戻す方法を入手したというのに、取り巻く事態はめぐるましく変貌していたのだった。
(第6章 了)
早速セナプス王に会見を申し込み、受理される。
王の間にブラダマンテ、ロジェロ、そしてアストルフォの三人が謁見を許され、中へと通された。
「セナプス王。イングランド王子アストルフォです。たった今、聖ヨハネの住まう宮殿より戻りました!」
「なんと……本当にそのような地が存在したとは……」
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「そして王のために持ち帰ったのが、こちらの――盲いた目の治療薬と。
ロジェロ君。例のものをセナプス王に!」
過去の精神世界たる「月」にて、ロジェロが持ち帰ったもの。
それは巨大なガラス瓶であり、貼られたラベルには「セナプス王の息子セナプスの死の間際の記憶」とあった。
王の息子は半年前、父と仲違いした直後に自宅が火事に遭い全焼し――彼自身も逃げ遅れて焼死していた。
息子がいかなる思いを抱いて死んだのか、誰も知る事はできない筈であった。
瓶の蓋はきつく閉ざされていたが――エチオピア王セナプスの下へ届けられるとそれはあっさりと外れ、中身が飛び出した。王の鼻、口、耳へと煙のようなものが吸い込まれていく。
セナプス王は打ち震え、盲目の瞳から涙を流していた。
「そうか――我が息子よ。そういう――事であったか」
死の間際の記憶を垣間見たのは、父であるエチオピア王のみ。しかし彼は全てを理解したようだ。
アストルフォから渡された治療薬をまぶたに塗る。すると――彼の閉ざされた目が大きく見開かれた。瞳には以前の澄んだ輝きが戻っていた。
「アストルフォ殿をはじめとした、勇敢にして賢明なる騎士の方々。
此度の件においてはこのセナプス、感謝の言葉も見つからぬ……
知り得た息子の記憶については、我が王国の恥となる事件。出来うる事なら外には漏らさぬよう、お願いしたいのだが――」
「心配ご無用です、セナプス王」アストルフォは跪いて応じた。
「我らはその記憶を知らず。また知りたいとも思いません。
セナプス王の目を曇らせていた憂いが晴れたというなら。このアストルフォにとって、これ以上の喜びがありましょうや?」
アストルフォの対応は騎士である以上に紳士然としており、月世界より持ち帰りし思慮分別の恩恵に未だ預かっている事が伺えた。
エチオピアの現状と立場――サラセン帝国に海上交易の権益を奪われつつあり、彼らと懇意にするしか生き残る道がない――を理解し、かつ他国に知られたくない内情のゴタゴタにも触れない。
あれだけの苦難と冒険を乗り越えた上で、見返りを求めないという謙虚な姿勢。だが現時点においては、その選択こそが最良と言えた。
(仮に思慮分別とやらがなくても、アストルフォならこう言っちまうんだろうな。
賢い賢くない以前の問題で、お人好しすぎるんだよ――)
「……ですが王。どうしても我らへの報酬を賜る事、お許し願えるのであれば」
アストルフォは跪いたまま一旦言葉を切り、周囲の注目を集めた上で語った。
「――せめて今宵だけでも、豪勢な食事を共に楽しみましょう。もうハルピュイアは、いないのでしょう?」
ハルピュイア。盲目だった頃のセナプス王の心の中だけに存在した、半鳥半人の汚らわしい怪物。
王の廷臣たちからどよめきと安堵の声が上がり――セナプス王は強く頷いた。
「……うむ。もはやハルピュイアなど、どこにもおらぬ」
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ブラダマンテ達がエチオピアを離れてしばらく経ってから、風の噂で聞いた話によれば。この後、権勢をふるっていた外戚の一族の罪が発覚し、彼らは捕縛されたそうだ。
死の間際に残された息子の記憶を知ったエチオピア王は、家を焼いたのが外戚の放った刺客であることを知り。そして焼け跡を徹底的に調査し、その動かぬ証拠を発見したのである。
彼らはセナプス王の後継者を罪人に仕立て上げ、王族の血を絶やし自分たちが王となる事を企てていたらしい。
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その話を聞いた時、黒崎が「孫の名前までセナプスなのかよッ!?」とツッコミを入れたのは言うまでもない。
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しかも互いに協力することで、発狂したオルランドを討伐する方向で合意を得てしまったようだぞ!》
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