139 / 197
第7章 オルランド討伐作戦
29 フロルドリの決意
しおりを挟む
ピナベルは吹っ飛ばされていた。
ドゥドンは暴れるオルランドを懸命に押さえていたが、それでも一瞬、拘束から逃れた左手の小指が当たってしまったのだ。
(ウッソだろオイ。小指一本で人間フッ飛ぶとか……マジあり得ねえ……!?)
きりもみ回転しながら盛大に鼻血を撒き散らすピナベル。
「オルランドの心」の入ったガラス瓶も一緒に吹き飛ばされ、彼の手から離れていた。このままでは地面に落下し――
「はあッ!」
あわや砕け散るかと思った矢先、瓶を掴み取った人物がいた。
馬に乗った美しき貴婦人――フロリマールの妻、フロルドリである。
「おおッ!? 流石は我が妻!」フロリマールが歓声を上げた。
「何ィ!?」グラダッソも予想外の事態に狼狽する。
(フロリマールには止められたけど、無我夢中で馬を走らせてしまったわ……!
この瓶が割れてしまったら、オルランド様の心は取り戻せないのよね……!)
馬を走らせつつ安堵したのも束の間――フロルドリは異常に気づいた。
オルランドの小指が当たった衝撃でガラスにはヒビが入り、そこから僅かながらも中身が飛び出し、揮発していたのだ。
(そんな……! このまま手をこまねいていたら、中身がなくなってしまう!
……くっ。迷っている時間は、ないッ……!)
フロルドリは今、オルランドに心を取り戻させる事に集中していた。
彼女の視界外で、吹っ飛んだピナベルが地面に激突する生々しい音が響いたが、意に介している暇はない。
馬上の貴婦人は覚悟を決めた。これしか方法が無い――そう思ったからだ。
「ドゥドン様! オルランド様から離れてッ!」
フロルドリは叫ぶと、瓶を抱えて馬から飛び降りた。
向かう先は当然、倒れて暴れ狂うオルランド。彼女はダイブしながら、割れた瓶の蓋を開け、中身を目いっぱい吸い込んだ。
次の瞬間起こった事態に、戦場は凍りついた。
裸同然のオルランドを抱き締めるように、フロルドリは縋りついていたのだ。
旅装越しでも伝わるであろう、形よく豊満な双丘と太腿の感触。あれほど大暴れしていたオルランドですら、貴婦人の肢体が密着した今動きを止めている。狂ったといえども、女性への礼節を忘れぬ騎士道精神が残っていたのか、はたまた情欲の類か。それは定かではない。
フロルドリはオルランドの肉体に馬乗りになると――そのまま唇を重ねた。
「なあああああッ!? フ、フロルドリィィィィ!?」
フロリマールの悲痛な絶叫がこだました。
愛する妻の接吻が、親友に為されているのだ。かつてアストルフォに敗北した時以上の、まるで寝取られたかのような絶望感が彼を襲った。
(どうか悲しまないで、愛する我が夫フロリマール……!
ガラス瓶が割れてしまった以上、あたしが中身を吸い込んで、口移しで飲ませるしかなかったのよッ……!)
果たして――貴婦人フロルドリの決死の敢行は功を奏した。
あれほど暴れ狂い、野獣の如き血走った双眸をしていた最強騎士オルランドは――唸るのをやめていた。
憑き物が取れたかのように穏やかな瞳になった彼は、目の前で自分を抱き締めている美女の姿に戸惑うばかりであった。
「……え……貴女は……フロルドリ、か……? どうして……?
それに、ここは……一体、どこなんだ……?」
「オルランド様! 正気に戻られたんですねッ!」
理性と分別を取り戻した騎士の言葉に、フロルドリは感極まって落涙した。
一方その向こうで、妻とは別の意味で滂沱の涙を流していたフロリマールが、隙を突かれて黒騎兵に叩き落とされていたが。
セリカン王グラダッソは、一連の流れに呆気に取られていたが――やがて怒りに打ち震え、名馬バヤールを走らせていた。
「おのれ、貴様らァ……! よくもこのグラダッソの計画を台無しに……!
許さぬぞ虫けらどもめ! まとめて踏み潰してくれるッ……!!」
オルランドとの間に立ち塞がるのは、十二勇士のひとりオリヴィエのみ。
普段なれば彼とて、グラダッソと互角の戦いを繰り広げられる猛者であったが。
デュランダルを擁した荒ぶる王を相手取るには、黒騎兵たちと長く続いた激闘に疲弊した今では荷が勝ちすぎていた。
鎧では防げぬ聖剣の一撃が横薙ぎに繰り出される。奮戦むなしく落馬し、重傷を負うオリヴィエ。
「これで邪魔者はおらぬッ!」
グラダッソは思い直した。これは絶好の機会だ。
正気を取り戻したとはいえ、グラダッソ兵の大半と戦い続け、消耗している事に変わりはない。
(心が戻ったかどうかなど些末な問題であったわ!
最終的に殺せばそれでいいのだッ!)
フロルドリは迫り来る巨漢から庇うように、オルランドを抱き締めていたが。
彼はそっと振り払った。そして突進してくるセリカン王の前に仁王立ちする。
「いけません、オルランド様……その傷では……!」
「フロルドリ、お下がりください。貴婦人を盾にしたとあっては、騎士の名折れ」
こんな時でもオルランドは騎士であった。
しかし全身痛々しく、武器も鎧もない。立っているのもやっとの状態なのは、誰の目からも明らかだ。
グラダッソの突撃を阻む者はいない。誰もがそう思っていた、が――
黒騎兵の群れの中を、疾風の如く駆け抜ける白い姿があった。
「!?」
オルランドと相対する寸前、グラダッソは近づいて来る者の正体に気づいた。
白馬に乗った、白いスカーフを首に巻いた白銀の麗しき騎兵。流れるような金髪は風にたなびき、美麗な碧眼には力強い意志が宿っている。
戦槍を構えた女騎士ブラダマンテであった。
(馬鹿な……ブラダマンテだとッ!? 奴はマンドリカルドが追っていた筈!
まさか、あの勇猛なタタール武者を退けたというのか! 信じられぬ……!)
グラダッソは驚愕したが、ブラダマンテの傷だらけの鎧を見てほくそ笑んだ。
(だが無傷では済まなかったようだな! 消耗はしていよう。
それにそんな槍一本で、バヤールに乗った儂をどうにかできる筈がない……!)
常識で考えればグラダッソの判断は正しかった。
グラダッソもバヤールも、巨岩の如き重量級。小柄な女騎士の戦槍突撃ではビクともしない筈なのだ。
しかしセリカン王は知らなかった。
今は失われたとはいえ、ブラダマンテはかの「黄金の槍」の感覚を、その身体に掴んでいる事を。
必ず命中し、槍先に触れた者を落馬させる――そんな魔性の腕前が彼女に宿っている事を。
グラダッソとブラダマンテが激突した。
その場の誰もが思い描いた結末と、違う未来が起きていた。
「……なッ……そん、な……馬鹿なァ……!?」
7フィート(約2.1メートル)近い荒ぶる王の巨体が――女騎士の細腕から繰り出された槍の一撃によって突き飛ばされていた!
ドゥドンは暴れるオルランドを懸命に押さえていたが、それでも一瞬、拘束から逃れた左手の小指が当たってしまったのだ。
(ウッソだろオイ。小指一本で人間フッ飛ぶとか……マジあり得ねえ……!?)
きりもみ回転しながら盛大に鼻血を撒き散らすピナベル。
「オルランドの心」の入ったガラス瓶も一緒に吹き飛ばされ、彼の手から離れていた。このままでは地面に落下し――
「はあッ!」
あわや砕け散るかと思った矢先、瓶を掴み取った人物がいた。
馬に乗った美しき貴婦人――フロリマールの妻、フロルドリである。
「おおッ!? 流石は我が妻!」フロリマールが歓声を上げた。
「何ィ!?」グラダッソも予想外の事態に狼狽する。
(フロリマールには止められたけど、無我夢中で馬を走らせてしまったわ……!
この瓶が割れてしまったら、オルランド様の心は取り戻せないのよね……!)
馬を走らせつつ安堵したのも束の間――フロルドリは異常に気づいた。
オルランドの小指が当たった衝撃でガラスにはヒビが入り、そこから僅かながらも中身が飛び出し、揮発していたのだ。
(そんな……! このまま手をこまねいていたら、中身がなくなってしまう!
……くっ。迷っている時間は、ないッ……!)
フロルドリは今、オルランドに心を取り戻させる事に集中していた。
彼女の視界外で、吹っ飛んだピナベルが地面に激突する生々しい音が響いたが、意に介している暇はない。
馬上の貴婦人は覚悟を決めた。これしか方法が無い――そう思ったからだ。
「ドゥドン様! オルランド様から離れてッ!」
フロルドリは叫ぶと、瓶を抱えて馬から飛び降りた。
向かう先は当然、倒れて暴れ狂うオルランド。彼女はダイブしながら、割れた瓶の蓋を開け、中身を目いっぱい吸い込んだ。
次の瞬間起こった事態に、戦場は凍りついた。
裸同然のオルランドを抱き締めるように、フロルドリは縋りついていたのだ。
旅装越しでも伝わるであろう、形よく豊満な双丘と太腿の感触。あれほど大暴れしていたオルランドですら、貴婦人の肢体が密着した今動きを止めている。狂ったといえども、女性への礼節を忘れぬ騎士道精神が残っていたのか、はたまた情欲の類か。それは定かではない。
フロルドリはオルランドの肉体に馬乗りになると――そのまま唇を重ねた。
「なあああああッ!? フ、フロルドリィィィィ!?」
フロリマールの悲痛な絶叫がこだました。
愛する妻の接吻が、親友に為されているのだ。かつてアストルフォに敗北した時以上の、まるで寝取られたかのような絶望感が彼を襲った。
(どうか悲しまないで、愛する我が夫フロリマール……!
ガラス瓶が割れてしまった以上、あたしが中身を吸い込んで、口移しで飲ませるしかなかったのよッ……!)
果たして――貴婦人フロルドリの決死の敢行は功を奏した。
あれほど暴れ狂い、野獣の如き血走った双眸をしていた最強騎士オルランドは――唸るのをやめていた。
憑き物が取れたかのように穏やかな瞳になった彼は、目の前で自分を抱き締めている美女の姿に戸惑うばかりであった。
「……え……貴女は……フロルドリ、か……? どうして……?
それに、ここは……一体、どこなんだ……?」
「オルランド様! 正気に戻られたんですねッ!」
理性と分別を取り戻した騎士の言葉に、フロルドリは感極まって落涙した。
一方その向こうで、妻とは別の意味で滂沱の涙を流していたフロリマールが、隙を突かれて黒騎兵に叩き落とされていたが。
セリカン王グラダッソは、一連の流れに呆気に取られていたが――やがて怒りに打ち震え、名馬バヤールを走らせていた。
「おのれ、貴様らァ……! よくもこのグラダッソの計画を台無しに……!
許さぬぞ虫けらどもめ! まとめて踏み潰してくれるッ……!!」
オルランドとの間に立ち塞がるのは、十二勇士のひとりオリヴィエのみ。
普段なれば彼とて、グラダッソと互角の戦いを繰り広げられる猛者であったが。
デュランダルを擁した荒ぶる王を相手取るには、黒騎兵たちと長く続いた激闘に疲弊した今では荷が勝ちすぎていた。
鎧では防げぬ聖剣の一撃が横薙ぎに繰り出される。奮戦むなしく落馬し、重傷を負うオリヴィエ。
「これで邪魔者はおらぬッ!」
グラダッソは思い直した。これは絶好の機会だ。
正気を取り戻したとはいえ、グラダッソ兵の大半と戦い続け、消耗している事に変わりはない。
(心が戻ったかどうかなど些末な問題であったわ!
最終的に殺せばそれでいいのだッ!)
フロルドリは迫り来る巨漢から庇うように、オルランドを抱き締めていたが。
彼はそっと振り払った。そして突進してくるセリカン王の前に仁王立ちする。
「いけません、オルランド様……その傷では……!」
「フロルドリ、お下がりください。貴婦人を盾にしたとあっては、騎士の名折れ」
こんな時でもオルランドは騎士であった。
しかし全身痛々しく、武器も鎧もない。立っているのもやっとの状態なのは、誰の目からも明らかだ。
グラダッソの突撃を阻む者はいない。誰もがそう思っていた、が――
黒騎兵の群れの中を、疾風の如く駆け抜ける白い姿があった。
「!?」
オルランドと相対する寸前、グラダッソは近づいて来る者の正体に気づいた。
白馬に乗った、白いスカーフを首に巻いた白銀の麗しき騎兵。流れるような金髪は風にたなびき、美麗な碧眼には力強い意志が宿っている。
戦槍を構えた女騎士ブラダマンテであった。
(馬鹿な……ブラダマンテだとッ!? 奴はマンドリカルドが追っていた筈!
まさか、あの勇猛なタタール武者を退けたというのか! 信じられぬ……!)
グラダッソは驚愕したが、ブラダマンテの傷だらけの鎧を見てほくそ笑んだ。
(だが無傷では済まなかったようだな! 消耗はしていよう。
それにそんな槍一本で、バヤールに乗った儂をどうにかできる筈がない……!)
常識で考えればグラダッソの判断は正しかった。
グラダッソもバヤールも、巨岩の如き重量級。小柄な女騎士の戦槍突撃ではビクともしない筈なのだ。
しかしセリカン王は知らなかった。
今は失われたとはいえ、ブラダマンテはかの「黄金の槍」の感覚を、その身体に掴んでいる事を。
必ず命中し、槍先に触れた者を落馬させる――そんな魔性の腕前が彼女に宿っている事を。
グラダッソとブラダマンテが激突した。
その場の誰もが思い描いた結末と、違う未来が起きていた。
「……なッ……そん、な……馬鹿なァ……!?」
7フィート(約2.1メートル)近い荒ぶる王の巨体が――女騎士の細腕から繰り出された槍の一撃によって突き飛ばされていた!
0
あなたにおすすめの小説
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる