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幕間4
遅れてきたクリスマス ~魔法の肩たたき券~・前編
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時系列はよく分かりません。好きにご想像下さい(丸投げ)。
━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━
ある朝ロジェロの下に、ヒポグリフに乗ったアストルフォがやってきた。
「メリークリスマスだよ! 我が友ロジェロ!」
能天気に元気いっぱいな声を張り上げたアストルフォ。いつもと格好が違う。
ヒポグリフに取って付けたような角飾りがくっつけられ、アストルフォも普段と違う、防寒着じみた赤い装束と帽子を被っていたりする。
「……朝から何トチ狂ってんだ? アフォ殿」
「何って、クリスマスだよ! 我が主イエスの降誕祭さ!
聖ヨハネ殿に聞いたんだ。君の住む世界では、こんな感じでクリスマスを祝うんだろう?」
(一体どこからパクリめいた扮装の知識を得たのかと思ったら……)
ロジェロ――黒崎八式は呆れ果てた。アストルフォの行動力と努力の跡は認めるが、しかし。
「クリスマスなんてとっくに過ぎてるぞ。
つーかもう、年明けてんじゃねえか!?」
「チッチッチ。ロジェロ君。きみは相変わらず無知蒙昧だな!」
アストルフォは澄ました顔で指を振った。
そんな彼はいかにも嘘くさい白鬚と、道化師のような丸い赤鼻をくっつけているので、イマイチ様になっていない。
「12月24日がクリスマス・イブで、翌日25日は降誕祭だが……それはクリスマスの始まりの日に過ぎないのさ!
実際は1月6日の主イエスの公現祭まで祭りは続くし、子供に配るプレゼントはそれまでに用意すればセーフ! まったくもって問題ナッシングさ!」
言われてみれば西欧や北欧では、クリスマスの祝い方が日本とは異なると黒崎は耳にした事があった。
「という訳でロジェロ君! いい子にしてたかい?
いい子には素敵なプレゼントを贈るが、悪い子は石炭で煤だらけにしちゃうぞ?」
「つーかオレ、子供扱いなのかよ」
毒づきつつも黒崎は、アストルフォが用意したというプレゼントを見ようとしたが……
「……アストルフォ? 特に荷物らしい荷物、持ってなくね?」
「はっはっは、愚問だねロジェロ君! ボクのヒポグリフは一人乗りだ。故に旅に必要な最低限の物資しか持ち運べない!
よってかさばったり、極端に重いものを持ってくるなんてほぼ不可能だよ!
あんまり重い荷物を積むと、ボクがヒポグリフに蹴られてしまう!」
余りにも現実的すぎる理由のせいで、かろうじて残っていたファンタジーな余韻は木端微塵に打ち砕かれてしまった。
そんなアストルフォであるが……懐から一枚の小さな羊皮紙を取り出し、ポンと黒崎に手渡す。
「…………何だこれ」
「肩たたき券だよ!」
「お前、一応イングランドの王子だろ? 超金持ちだろ?
なんでそんな奴のプレゼントが、いかにも孫がお爺ちゃんをお手軽に喜ばせる為に手作りしたような代物なんだよ!
第一今更お前に肩揉まれたって、オレ的には嬉しくも何ともねえぞ!?」
「チッチッチ。その肩たたき券、タダのチケットじゃあないんだよ。
書かれた文字をよーく見てみたまえ」
言われてようやく、黒崎も羊皮紙の文字に目を通す。そして気づいた。
「…………肩をたたく人の名前、書いてねえぞ?」
「その空欄には、きみが好きな人の名前を自由に書き込んでいいんだよ。
善徳の魔女ロジェスティラにお願いして作って貰った、魔力の込もった肩たたき券なのさ!
『肩たたき』の後にも空欄があるだろう? そこに自分のして欲しいサービスを自由に書き加えたまえ!
1月6日までに、何となくそのチケット通りの事態が起こると、ロジェスティラも言っていた!」
「なん……だと……!」
アストルフォの言わんとしている事を理解し、黒崎は衝撃を受けた。
「遠慮する事はない! これを機に、ロジェロ君の想い人と一気に距離を縮める大チャンス!
肩たたきに留まらず、お互いの愛を確かめ合ったりちちくり合ったり、可能性は無限大さ!」
「…………お、おう…………って、ちょっと待てやアフォ!?」
悪魔の囁きの如きイングランド王子の言葉に、悶々とした想像を膨らませた黒崎は一瞬その気になりかけたが。
「つまりこれ、本人の意志に関係なく……チケット通りの行動取っちまうって事か?」
「そういう事になるね」
「完全にいかがわしいっつーかダメな類の魔法じゃねーかコレ!?
いいのかよ善徳の魔女が、そんな人間の欲望を刺激しまくるよーな真似して?」
「まあ、そこはそれ……好き合ってれば不貞でも何でもないし。大丈夫だろう」
いきなり声のトーンが下がるアストルフォ。何故か自信なさげである。
「そのチケットをどう使うかは、ロジェロ君次第だよ!
どうしてもというなら話は別だが……ブラダマンテ以外の名前を書いたっていいんだからね」
「オレがブラダマンテの名前を書くって前提で話進めんじゃねー!?」
「ほう、じゃあ一体誰の名前を書くというんだい?
まさかとは思うけど、男の名前を書いたりしないだろうね? 例えばオルランドとか」
「アイツに肩たたかせたら怪力で肩が砕かれるだろ。誰得だよソレ」
「話は聞かせて貰ったぞ、ロジェロ兄さん!」
いきなり大声で会話に割って入って来たのは、ロジェロの妹にしてインドの王女マルフィサである。
「そのチケットに書く名前が思い浮かばないなら、このマルフィサ……犠牲になること、やぶさかではない!」
「何言ってんだ犠牲って何だよ犠牲って!
むしろお前に肩たたかれたら関節外れるわ!
よって却下だ却下! いいから鍛錬してろよ!?」
絶賛筋トレ中だったマルフィサは、愛らしい顔で頬を膨らませ、しぶしぶと部屋を出ていった。
**********
結局チケットを受け取りはしたものの――黒崎は思い悩んでいた。
(本当に……コレに名前とやる事を書いたら、その通りに叶っちまうのか……?)
「肩たたき」の後の空欄。余白はさほど大きくはない。
書ける文字数は限られている。しかし具体的な話となると、色々といかがわしい事柄しか思い浮かばない。黒崎も現実世界では高校2年生。典型的な思春期の少年であるため、仕方ない事ではあるが。
(つーか……ちょっと分かんねえんだけど。
例えば司藤の名前を書いたとするじゃねーか)
司藤アイ。騎士ロジェロの恋人・ブラダマンテに宿る魂の名。
黒崎が密かに想いを寄せている異性の名でもある。
(でも今のアイツは、女騎士ブラダマンテになってる訳だし。
現状でその……スケベな内容を書いたとして、ブラダマンテとロジェロの身体でやるって事だよな?
それってどうなんだ? アリなのか? つーか一体どうなるんだ……!?)
アイも黒崎も、魔本「狂えるオルランド」の世界に転移し、魂を登場人物に憑依させている身。
それ故に話がややこしい。悶々とした想像に理性を失いかけていた彼に、まともな思考を働かせる事は非常に困難だった。
やがて黒崎は意を決して、羽根ペンとインクをおもむろに取り出す。そして――
(後編へつづく)
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ある朝ロジェロの下に、ヒポグリフに乗ったアストルフォがやってきた。
「メリークリスマスだよ! 我が友ロジェロ!」
能天気に元気いっぱいな声を張り上げたアストルフォ。いつもと格好が違う。
ヒポグリフに取って付けたような角飾りがくっつけられ、アストルフォも普段と違う、防寒着じみた赤い装束と帽子を被っていたりする。
「……朝から何トチ狂ってんだ? アフォ殿」
「何って、クリスマスだよ! 我が主イエスの降誕祭さ!
聖ヨハネ殿に聞いたんだ。君の住む世界では、こんな感じでクリスマスを祝うんだろう?」
(一体どこからパクリめいた扮装の知識を得たのかと思ったら……)
ロジェロ――黒崎八式は呆れ果てた。アストルフォの行動力と努力の跡は認めるが、しかし。
「クリスマスなんてとっくに過ぎてるぞ。
つーかもう、年明けてんじゃねえか!?」
「チッチッチ。ロジェロ君。きみは相変わらず無知蒙昧だな!」
アストルフォは澄ました顔で指を振った。
そんな彼はいかにも嘘くさい白鬚と、道化師のような丸い赤鼻をくっつけているので、イマイチ様になっていない。
「12月24日がクリスマス・イブで、翌日25日は降誕祭だが……それはクリスマスの始まりの日に過ぎないのさ!
実際は1月6日の主イエスの公現祭まで祭りは続くし、子供に配るプレゼントはそれまでに用意すればセーフ! まったくもって問題ナッシングさ!」
言われてみれば西欧や北欧では、クリスマスの祝い方が日本とは異なると黒崎は耳にした事があった。
「という訳でロジェロ君! いい子にしてたかい?
いい子には素敵なプレゼントを贈るが、悪い子は石炭で煤だらけにしちゃうぞ?」
「つーかオレ、子供扱いなのかよ」
毒づきつつも黒崎は、アストルフォが用意したというプレゼントを見ようとしたが……
「……アストルフォ? 特に荷物らしい荷物、持ってなくね?」
「はっはっは、愚問だねロジェロ君! ボクのヒポグリフは一人乗りだ。故に旅に必要な最低限の物資しか持ち運べない!
よってかさばったり、極端に重いものを持ってくるなんてほぼ不可能だよ!
あんまり重い荷物を積むと、ボクがヒポグリフに蹴られてしまう!」
余りにも現実的すぎる理由のせいで、かろうじて残っていたファンタジーな余韻は木端微塵に打ち砕かれてしまった。
そんなアストルフォであるが……懐から一枚の小さな羊皮紙を取り出し、ポンと黒崎に手渡す。
「…………何だこれ」
「肩たたき券だよ!」
「お前、一応イングランドの王子だろ? 超金持ちだろ?
なんでそんな奴のプレゼントが、いかにも孫がお爺ちゃんをお手軽に喜ばせる為に手作りしたような代物なんだよ!
第一今更お前に肩揉まれたって、オレ的には嬉しくも何ともねえぞ!?」
「チッチッチ。その肩たたき券、タダのチケットじゃあないんだよ。
書かれた文字をよーく見てみたまえ」
言われてようやく、黒崎も羊皮紙の文字に目を通す。そして気づいた。
「…………肩をたたく人の名前、書いてねえぞ?」
「その空欄には、きみが好きな人の名前を自由に書き込んでいいんだよ。
善徳の魔女ロジェスティラにお願いして作って貰った、魔力の込もった肩たたき券なのさ!
『肩たたき』の後にも空欄があるだろう? そこに自分のして欲しいサービスを自由に書き加えたまえ!
1月6日までに、何となくそのチケット通りの事態が起こると、ロジェスティラも言っていた!」
「なん……だと……!」
アストルフォの言わんとしている事を理解し、黒崎は衝撃を受けた。
「遠慮する事はない! これを機に、ロジェロ君の想い人と一気に距離を縮める大チャンス!
肩たたきに留まらず、お互いの愛を確かめ合ったりちちくり合ったり、可能性は無限大さ!」
「…………お、おう…………って、ちょっと待てやアフォ!?」
悪魔の囁きの如きイングランド王子の言葉に、悶々とした想像を膨らませた黒崎は一瞬その気になりかけたが。
「つまりこれ、本人の意志に関係なく……チケット通りの行動取っちまうって事か?」
「そういう事になるね」
「完全にいかがわしいっつーかダメな類の魔法じゃねーかコレ!?
いいのかよ善徳の魔女が、そんな人間の欲望を刺激しまくるよーな真似して?」
「まあ、そこはそれ……好き合ってれば不貞でも何でもないし。大丈夫だろう」
いきなり声のトーンが下がるアストルフォ。何故か自信なさげである。
「そのチケットをどう使うかは、ロジェロ君次第だよ!
どうしてもというなら話は別だが……ブラダマンテ以外の名前を書いたっていいんだからね」
「オレがブラダマンテの名前を書くって前提で話進めんじゃねー!?」
「ほう、じゃあ一体誰の名前を書くというんだい?
まさかとは思うけど、男の名前を書いたりしないだろうね? 例えばオルランドとか」
「アイツに肩たたかせたら怪力で肩が砕かれるだろ。誰得だよソレ」
「話は聞かせて貰ったぞ、ロジェロ兄さん!」
いきなり大声で会話に割って入って来たのは、ロジェロの妹にしてインドの王女マルフィサである。
「そのチケットに書く名前が思い浮かばないなら、このマルフィサ……犠牲になること、やぶさかではない!」
「何言ってんだ犠牲って何だよ犠牲って!
むしろお前に肩たたかれたら関節外れるわ!
よって却下だ却下! いいから鍛錬してろよ!?」
絶賛筋トレ中だったマルフィサは、愛らしい顔で頬を膨らませ、しぶしぶと部屋を出ていった。
**********
結局チケットを受け取りはしたものの――黒崎は思い悩んでいた。
(本当に……コレに名前とやる事を書いたら、その通りに叶っちまうのか……?)
「肩たたき」の後の空欄。余白はさほど大きくはない。
書ける文字数は限られている。しかし具体的な話となると、色々といかがわしい事柄しか思い浮かばない。黒崎も現実世界では高校2年生。典型的な思春期の少年であるため、仕方ない事ではあるが。
(つーか……ちょっと分かんねえんだけど。
例えば司藤の名前を書いたとするじゃねーか)
司藤アイ。騎士ロジェロの恋人・ブラダマンテに宿る魂の名。
黒崎が密かに想いを寄せている異性の名でもある。
(でも今のアイツは、女騎士ブラダマンテになってる訳だし。
現状でその……スケベな内容を書いたとして、ブラダマンテとロジェロの身体でやるって事だよな?
それってどうなんだ? アリなのか? つーか一体どうなるんだ……!?)
アイも黒崎も、魔本「狂えるオルランド」の世界に転移し、魂を登場人物に憑依させている身。
それ故に話がややこしい。悶々とした想像に理性を失いかけていた彼に、まともな思考を働かせる事は非常に困難だった。
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