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第9章 物語は綻びる
5 黒崎八式、真実を知る
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引き続き、パリにある場末の酒場にて。
イングランド王子アストルフォは、これまでの経緯をロジェロとマルフィサに語った。
「アンジェリカはトリエステで意識を取り戻してから、ロジェロ君やブラダマンテに会う為、再びフランク王国に引き返す決意を固めたそうだよ。
恋人メドロと一緒に、ランゴバルド王国領を通り、マイエンス家のアンセルモ伯爵の治めるアルモリカ城の厄介になったり」
しかし順調に見えた旅路は、国境を越えてフランク王国入りしてから暗雲が覗き始めた。
アルモリカ城を越え、南フランスに入ってから――夜な夜な不気味な「怪物」に襲われるようになった。アンジェリカを護衛する為、ガヌロンの息子ボルドウィンや、アンセルモ伯の郎党が彼女に付き従ったのだが――「怪物」の圧倒的な力の前に次々と惨殺され、ボルドウィンも重傷を負い戦線離脱してしまったのである。
「アヴィニヨンでメリッサと合流できたお陰で、どうにか二人は逃げ延びた。
そこからはボクも旅に加わって、彼女を護衛していこうと思ったんだが……」
アストルフォが合流してからも「怪物」は度々現れた。
襲撃に備える為、道中でフランク騎士や傭兵を雇うなどしたが――結果は芳しくなく。
ロジェロ――黒崎八式は、彼の話を聞いている内に気づいてしまった。
「アストルフォ、お前……右肩。どうしたんだよ」
素人であれば気づかないほどの違和感だが、歴戦の騎士ロジェロの目から見れば分かる。分かってしまう。
アストルフォの何気ない仕草から――彼の右肩から先が、ほとんど動いていない事に。
「参ったね。やはりキミの目は誤魔化せないか」
イングランドの王子は、困ったように苦笑いしてみせた。
「三度目の襲撃の時に――『怪物』の剣をまともに受けてしまってね。
メドロ君が助けに入らなければ危うかった。メリッサの応急処置を受けて、どうにか歩ける程度には回復できたんだが……」
アストルフォは務めて明るい素振りをしているが――ロジェロもマルフィサも、絶望的な気分になった。
命に別状はないだろうが、もう彼は人並みに剣すら握れないかもしれない。それほどの深手だった。
「ボクがロジェロ君を待っていたのも……実はそれが理由なんだ。
悔しいけれど、今のボクにはアンジェリカやメリッサを守るだけの力がない。
どうかボクに代わって、彼女の護衛を引き受けてやってはくれないだろうか?」
「クソッ……済まない。オレ達がアトラントの所に出向いてたばっかりに……」
どう言葉をかけていいか分からず、黒崎は声に無念さを滲ませていた。
「仕方ないさ。育ての親が危篤状態だったんだろう?
それで、お父君は……大丈夫だったのかい?」
「いや。オレ達が辿り着いた頃にはもう……
……だが葬儀は間に合ったし、遺言を聞く事はできた」
「そうか……心よりお悔やみ申し上げるよ」
(どうしてそんな平静でいられるんだよ……
お人好しにも程があるぞ、アフォ野郎……!)
「……アストルフォ。襲撃してきた『怪物』の特徴を教えてくれ。
アンジェリカの護衛は勿論引き受ける。それにお前の右肩の仇だ。オレが絶対にブチのめす」
「ロジェロ兄さんがその気なら、このマルフィサも及ばずながら力を貸そう!」
実の妹にしてインドの王女・怪力自慢の女傑でもあるマルフィサも、快く協力を申し出た。彼女の腕力は、時に実害を被る事もあるが……今はその腕っぷしの強さが頼もしい。
「ありがとう。我が友ロジェロ、そしてマルフィサ。
『怪物』は鼻が曲がりそうな腐臭を漂わせ、血のように赤い鱗帷子を身に着けた巨漢だ」
アストルフォの説明に、思わず黒崎は目を見開いた。
(赤い鱗帷子だと? まさかそれって、アルジェリア王ロドモン……!?
何故だ? 奴はパリで、ブラダマンテに殺されたんじゃなかったのか……!)
ロジェロとマルフィサはアストルフォに案内され――日が沈まぬ内に、メリッサとアンジェリカ達のいる隠れ家に向かうのだった。
**********
目立たない廃屋同然の場所に――アンジェリカとメドロ、そして尼僧メリッサは潜伏していた。
ロジェロ達が訪れると、廃屋の周囲には巧妙にカモフラージュされた護符や魔具の類が設置されている。外敵を察知し「怪物」の目を欺くために施した仕掛けなのだろう。
「ロジェロ様、アストルフォ様、それにマルフィサ様も――お帰りなさいませ」
三人の姿を見ると、憔悴気味だったメリッサの顔もパッと明るくなった。
やや緊張していた様子からして、万が一にも「怪物」だったら……という懸念が拭えなかったのだろう。
メリッサに案内され、廃屋の奥に入ると……肩を寄せ合うようにアンジェリカとメドロがいた。
しかしアンジェリカの姿は黒崎にとって、以前会った時のような絶世の美女ではなく――初めて見る、日本人女性のそれだった。
(そうか……これが綺織の姉だっていう、錦野麗奈なのか。
司藤の言っていた通り、宿っていた魂の記憶を取り戻したんだな――)
「申し訳ないけれど――ロジェロ様にだけ伝えたい話があるの。席を外して貰えるかしら?」
アンジェリカの提案によって、アストルフォやメリッサ達は一旦、退出する事になった。
「……この顔では『初めまして』、かしら。お久しぶりね」
「ああ……久しぶりだな。アンタは確か、錦野麗奈さん、で良かったか?」
「ええ……そうよ」
綺織浩介の姉だけあり、アンジェリカほどでないにせよ清楚な雰囲気の漂う美人の類である。
寂しげな笑顔に大人の色香を感じ、黒崎は思わず息を飲んでしまった。
「どうしても貴方に知っておいて欲しい話があって、戻って来たの」
「何か……分かったのか?」
促す黒崎に――麗奈は意を決して、一呼吸置いてから告げるのだった。
「この物語を最後まで進んで、ブラダマンテとロジェロの結婚……大団円を迎えても。
現実世界に戻れるのは『一人だけ』なのよ。正確に言えば――ブラダマンテ役のアイちゃんだけ、だと思うわ」
「なッ…………!」
錦野麗奈の言葉――魔本世界の残酷な真実を前に、黒崎は絶句してしまった。
イングランド王子アストルフォは、これまでの経緯をロジェロとマルフィサに語った。
「アンジェリカはトリエステで意識を取り戻してから、ロジェロ君やブラダマンテに会う為、再びフランク王国に引き返す決意を固めたそうだよ。
恋人メドロと一緒に、ランゴバルド王国領を通り、マイエンス家のアンセルモ伯爵の治めるアルモリカ城の厄介になったり」
しかし順調に見えた旅路は、国境を越えてフランク王国入りしてから暗雲が覗き始めた。
アルモリカ城を越え、南フランスに入ってから――夜な夜な不気味な「怪物」に襲われるようになった。アンジェリカを護衛する為、ガヌロンの息子ボルドウィンや、アンセルモ伯の郎党が彼女に付き従ったのだが――「怪物」の圧倒的な力の前に次々と惨殺され、ボルドウィンも重傷を負い戦線離脱してしまったのである。
「アヴィニヨンでメリッサと合流できたお陰で、どうにか二人は逃げ延びた。
そこからはボクも旅に加わって、彼女を護衛していこうと思ったんだが……」
アストルフォが合流してからも「怪物」は度々現れた。
襲撃に備える為、道中でフランク騎士や傭兵を雇うなどしたが――結果は芳しくなく。
ロジェロ――黒崎八式は、彼の話を聞いている内に気づいてしまった。
「アストルフォ、お前……右肩。どうしたんだよ」
素人であれば気づかないほどの違和感だが、歴戦の騎士ロジェロの目から見れば分かる。分かってしまう。
アストルフォの何気ない仕草から――彼の右肩から先が、ほとんど動いていない事に。
「参ったね。やはりキミの目は誤魔化せないか」
イングランドの王子は、困ったように苦笑いしてみせた。
「三度目の襲撃の時に――『怪物』の剣をまともに受けてしまってね。
メドロ君が助けに入らなければ危うかった。メリッサの応急処置を受けて、どうにか歩ける程度には回復できたんだが……」
アストルフォは務めて明るい素振りをしているが――ロジェロもマルフィサも、絶望的な気分になった。
命に別状はないだろうが、もう彼は人並みに剣すら握れないかもしれない。それほどの深手だった。
「ボクがロジェロ君を待っていたのも……実はそれが理由なんだ。
悔しいけれど、今のボクにはアンジェリカやメリッサを守るだけの力がない。
どうかボクに代わって、彼女の護衛を引き受けてやってはくれないだろうか?」
「クソッ……済まない。オレ達がアトラントの所に出向いてたばっかりに……」
どう言葉をかけていいか分からず、黒崎は声に無念さを滲ませていた。
「仕方ないさ。育ての親が危篤状態だったんだろう?
それで、お父君は……大丈夫だったのかい?」
「いや。オレ達が辿り着いた頃にはもう……
……だが葬儀は間に合ったし、遺言を聞く事はできた」
「そうか……心よりお悔やみ申し上げるよ」
(どうしてそんな平静でいられるんだよ……
お人好しにも程があるぞ、アフォ野郎……!)
「……アストルフォ。襲撃してきた『怪物』の特徴を教えてくれ。
アンジェリカの護衛は勿論引き受ける。それにお前の右肩の仇だ。オレが絶対にブチのめす」
「ロジェロ兄さんがその気なら、このマルフィサも及ばずながら力を貸そう!」
実の妹にしてインドの王女・怪力自慢の女傑でもあるマルフィサも、快く協力を申し出た。彼女の腕力は、時に実害を被る事もあるが……今はその腕っぷしの強さが頼もしい。
「ありがとう。我が友ロジェロ、そしてマルフィサ。
『怪物』は鼻が曲がりそうな腐臭を漂わせ、血のように赤い鱗帷子を身に着けた巨漢だ」
アストルフォの説明に、思わず黒崎は目を見開いた。
(赤い鱗帷子だと? まさかそれって、アルジェリア王ロドモン……!?
何故だ? 奴はパリで、ブラダマンテに殺されたんじゃなかったのか……!)
ロジェロとマルフィサはアストルフォに案内され――日が沈まぬ内に、メリッサとアンジェリカ達のいる隠れ家に向かうのだった。
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目立たない廃屋同然の場所に――アンジェリカとメドロ、そして尼僧メリッサは潜伏していた。
ロジェロ達が訪れると、廃屋の周囲には巧妙にカモフラージュされた護符や魔具の類が設置されている。外敵を察知し「怪物」の目を欺くために施した仕掛けなのだろう。
「ロジェロ様、アストルフォ様、それにマルフィサ様も――お帰りなさいませ」
三人の姿を見ると、憔悴気味だったメリッサの顔もパッと明るくなった。
やや緊張していた様子からして、万が一にも「怪物」だったら……という懸念が拭えなかったのだろう。
メリッサに案内され、廃屋の奥に入ると……肩を寄せ合うようにアンジェリカとメドロがいた。
しかしアンジェリカの姿は黒崎にとって、以前会った時のような絶世の美女ではなく――初めて見る、日本人女性のそれだった。
(そうか……これが綺織の姉だっていう、錦野麗奈なのか。
司藤の言っていた通り、宿っていた魂の記憶を取り戻したんだな――)
「申し訳ないけれど――ロジェロ様にだけ伝えたい話があるの。席を外して貰えるかしら?」
アンジェリカの提案によって、アストルフォやメリッサ達は一旦、退出する事になった。
「……この顔では『初めまして』、かしら。お久しぶりね」
「ああ……久しぶりだな。アンタは確か、錦野麗奈さん、で良かったか?」
「ええ……そうよ」
綺織浩介の姉だけあり、アンジェリカほどでないにせよ清楚な雰囲気の漂う美人の類である。
寂しげな笑顔に大人の色香を感じ、黒崎は思わず息を飲んでしまった。
「どうしても貴方に知っておいて欲しい話があって、戻って来たの」
「何か……分かったのか?」
促す黒崎に――麗奈は意を決して、一呼吸置いてから告げるのだった。
「この物語を最後まで進んで、ブラダマンテとロジェロの結婚……大団円を迎えても。
現実世界に戻れるのは『一人だけ』なのよ。正確に言えば――ブラダマンテ役のアイちゃんだけ、だと思うわ」
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