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第9章 物語は綻びる
15 東ローマ軍vsブルガリア軍
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ブラダマンテ――司藤アイは、クレルモン家にあてがわれた高級宿に戻った。
自室に入ると、現実世界の下田三郎と念話で対話していた。
「下田教授。『一人しか帰れない』って話……最初から知っていたの?」
『ああ……知っていた。私の母親の遺した記録にあってな』
思えばアイが物語世界に転移した時、最初に疑問に感じるべきだった。
魔本に入った事がある訳でもない下田が、何故「脱出する為には大団円を迎える必要がある」と知っていたのか?
他ならぬ彼の母親が、結末を迎えた生還者であった事で辻褄は合う。
「どうしてずっと――黙っていたの?」
恨めし気な声で詰問するアイに対し、下田も憮然とした口調になった。
『言ってどうなる? お前さんのやる気を削ぐだけだろう。
それで君が死んでしまっては、元も子もない。
君一人すら帰れなくなってしまう』
下田の強い声音に、アイは泣きそうな表情になった。
『……いや、済まない。私も最初はそんなつもりではなかった。
黒崎君も本に引きずり込まれている、と知った時は軽く目眩がしたよ』
(そっか――下田教授だって、好きで黙っていた訳じゃない。
せめてわたしだけでも現実に帰そうと、ずっと助言してくれていたんだわ)
下田教授とて現状に甘んじていたい訳ではなかった。
何か励ます要素はないかと、魔本をパラパラとめくる。すると――
『アイ君。黒崎君たちも、アンジェリカを通じて真相を知ったようだ。
具体的には分からないが……対策を、練っているようだぞ』
「黒崎、が――?」
アイは今思い出したように、幼馴染の悪友の名前をポツリと呟いた。
ひょっとしたら、本当に皆で帰る事ができる方法があるのかもしれない。
しかしそんな、都合の良い話があるものだろうか? アイはどうしても信じる事ができなかった。
『私もつくづく、直接干渉できない無力感に苛まれるよ。
無関係のきみを魔本に引きずり込み、無理矢理ブラダマンテに仕立ててしまったのは――他ならぬ私だというのに。役に立てなくてすまん』
「いえ……こちらこそごめんなさい。
でも、どうしたらいいか分からないの。もし皆で帰る方法がなくて。
わたし一人だけでも――とか、そんな話になって。みんなを置いて帰るとか……怖い。黒崎や先輩を見捨てたくない……」
そんな事になれば、アイは罪悪感を一生背負っていかねばならない。
皆で帰る方法があるというなら、勿論それに縋りたい気分だが……
(どうしてだろう? 黒崎たちが頑張ってくれているのに。とてもありがたい事の筈なのに。
なんでこんなにも、嫌な予感しかしないんだろう――?)
嫌な予感がしているのは――励ましている下田三郎も同じだった。
(このアイ君との念話のやり取りすらも……Furiosoは聞いているハズ。
なのに何故、何も言ってこない? 妨害らしい事もしてこない?)
あれから本の悪魔は、下田に対して何の語りかけもなく、沈黙を守っていた。
あからさまに奇妙だが、それでも――アイを励ます為、下田は言葉を重ねるのだった。
『彼らの働きに期待しよう。もう間もなく、黒崎君たちは東ローマ帝国に到達する――』
**********
ここはベオグラード。バルカン半島にある東ローマ帝国領であるが、現在は北方の宿敵・ブルガリア王国によって陥れられていた。
憎きブルガリアから奪われた都市を奪還すべく、現皇帝コンスタンティノス5世は2万の軍勢を率い遠征する。目下のところ、東ローマの精兵たちはブルガリア軍を圧倒していた。
(綺織先輩、『じっくり考えて』と言ってたの……こういう事だったのね。
ブルガリア討伐の遠征があるから、それが終わるまでは結婚式どころじゃないか……)
当時の東ローマ帝国軍の主力はアナトリア半島(註:現トルコ)出身の、馬術に長けた者たちを集めた重装騎兵である。中でもコンスタンティノス直属6千の職業軍人部隊「中央軍」が存在した。
機動力こそ軽騎兵に劣るものの、突撃による突破力は他兵科の追随を許さない。彼らの活躍こそが帝国軍の強さを支え、サラセン帝国やブルガリアとの戦いで幾度も勝利を収めていた。
「流石は『軍神』と讃えられしコンスタンティノス陛下の軍」ブラダマンテの母・ベアトリーチェが褒めそやした。
「あの屈強で知られるブルガール騎兵を相手に、全く引けを取らぬどころか大いに押し込んでいますわね」
今回の戦、クレルモン家の騎士たちも武装し、援軍の名目で参戦している。
つまりブラダマンテ自身も女騎士として鎧兜に身を固め、レオの隣に轡を並べていた。
「本当に――強い軍隊ね」ブラダマンテ――アイも舌を巻いていた。
「この軍勢を作り上げたのは父上の功績だ」レオ――綺織浩介は答えた。
「だが父の威光に頼ってばかりもいられない。見てごらん、ブラダマンテ。
敵のブルガリア軍も考えている――後退したのは見せかけで、最初から川を盾にして騎兵の突進力を殺す作戦だね。
このままでは戦線は膠着状態に陥ってしまうだろう」
(この物言い……綺織先輩、すっかり本物の皇子様みたい)
「僕は僕の力を示さねばならない。きみはここで待っていてくれ」
言うが早いか、綺織は手勢を引き連れて密かに戦線を離脱した。
ブルガリア軍の中で、一際士気が高く必死に防戦している一団が見える。
彼らを率いるはブルガリア王ヴァトラン。思慮深く勇猛果敢と評される傑物だ。
一旦は五分に見えた戦線だったが――レオ皇太子率いる軍勢が、気づかれぬよう小勢で川面を迂回し、背後を突く奇襲に出た。
「ヴァトラン陛下! 背後からも東ローマ軍がッ」
「おのれ……あの程度の数の侵入、何故防げなかった?
後詰の兵は何をしていたァ!?」
歯噛みするブルガリア王。しかしレオ率いる歩兵たちは、少数ながらも驚くべき力を誇っていた。
長柄の斧と盾で武装し、雄叫びを上げつつ刃向うブルガール兵を次々と殺戮していく。その凶暴ぶりは凄まじく、敵兵の武器を全く恐れない。例え味方が死しても平然と突き進み、薙ぎ払い、打ち砕き、全てを蹂躙していく……!
「な……何なのだあの荒くれ者どもは……!」
「ここは危のうございます、ヴァトラン様。直ちにお逃げ下さ……げはァッ」
驚いている間にもレオの歩兵たちは殺到し、乱戦の最中ブルガリア王の首を掻き切った。
「『荒くれ者』。確かにそうだ」レオ皇太子はニヤリと笑った。
「この僕が直々に北欧に渡り、ノルマン人の傭兵を雇い入れたのだからね。粗暴ではあるが、頼りになる連中さ。
もっとも、ちょっと時代が早過ぎたかな?」
彼らは後にヴァイキングと呼ばれ、ヨーロッパ諸国を散々に脅かす恐怖の存在となる戦士たち。
東ローマ帝国はギリシアとトルコという異なる地盤が仇となり、自国民は政治的なしがらみに囚われ信用が置けないという弱点があった。故に外部から高給で雇われた彼らは皇帝直属の親衛隊――「ヴァリャーギ」となり、高い地位を獲得する事になっていく。
「敵の総大将を討ち果たしたぞ! 一人たりとも逃がすな! 皆殺しにせよ!」
レオ皇太子はさらなる無慈悲な命令をヴァリャーギらに下した。
(悪いがブルガリア軍には、ここで全滅してもらう。
黒崎君が到着する前にいなくなれば、彼とブルガリアの繋がりは消える。
原典における大団円への布石――ロジェロのブルガリア王即位も、潰せる!)
幸い、未だ孤立無援のブルガリア軍への増援の姿は見えない。
綺織浩介は内心ほくそ笑んだ。
自室に入ると、現実世界の下田三郎と念話で対話していた。
「下田教授。『一人しか帰れない』って話……最初から知っていたの?」
『ああ……知っていた。私の母親の遺した記録にあってな』
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他ならぬ彼の母親が、結末を迎えた生還者であった事で辻褄は合う。
「どうしてずっと――黙っていたの?」
恨めし気な声で詰問するアイに対し、下田も憮然とした口調になった。
『言ってどうなる? お前さんのやる気を削ぐだけだろう。
それで君が死んでしまっては、元も子もない。
君一人すら帰れなくなってしまう』
下田の強い声音に、アイは泣きそうな表情になった。
『……いや、済まない。私も最初はそんなつもりではなかった。
黒崎君も本に引きずり込まれている、と知った時は軽く目眩がしたよ』
(そっか――下田教授だって、好きで黙っていた訳じゃない。
せめてわたしだけでも現実に帰そうと、ずっと助言してくれていたんだわ)
下田教授とて現状に甘んじていたい訳ではなかった。
何か励ます要素はないかと、魔本をパラパラとめくる。すると――
『アイ君。黒崎君たちも、アンジェリカを通じて真相を知ったようだ。
具体的には分からないが……対策を、練っているようだぞ』
「黒崎、が――?」
アイは今思い出したように、幼馴染の悪友の名前をポツリと呟いた。
ひょっとしたら、本当に皆で帰る事ができる方法があるのかもしれない。
しかしそんな、都合の良い話があるものだろうか? アイはどうしても信じる事ができなかった。
『私もつくづく、直接干渉できない無力感に苛まれるよ。
無関係のきみを魔本に引きずり込み、無理矢理ブラダマンテに仕立ててしまったのは――他ならぬ私だというのに。役に立てなくてすまん』
「いえ……こちらこそごめんなさい。
でも、どうしたらいいか分からないの。もし皆で帰る方法がなくて。
わたし一人だけでも――とか、そんな話になって。みんなを置いて帰るとか……怖い。黒崎や先輩を見捨てたくない……」
そんな事になれば、アイは罪悪感を一生背負っていかねばならない。
皆で帰る方法があるというなら、勿論それに縋りたい気分だが……
(どうしてだろう? 黒崎たちが頑張ってくれているのに。とてもありがたい事の筈なのに。
なんでこんなにも、嫌な予感しかしないんだろう――?)
嫌な予感がしているのは――励ましている下田三郎も同じだった。
(このアイ君との念話のやり取りすらも……Furiosoは聞いているハズ。
なのに何故、何も言ってこない? 妨害らしい事もしてこない?)
あれから本の悪魔は、下田に対して何の語りかけもなく、沈黙を守っていた。
あからさまに奇妙だが、それでも――アイを励ます為、下田は言葉を重ねるのだった。
『彼らの働きに期待しよう。もう間もなく、黒崎君たちは東ローマ帝国に到達する――』
**********
ここはベオグラード。バルカン半島にある東ローマ帝国領であるが、現在は北方の宿敵・ブルガリア王国によって陥れられていた。
憎きブルガリアから奪われた都市を奪還すべく、現皇帝コンスタンティノス5世は2万の軍勢を率い遠征する。目下のところ、東ローマの精兵たちはブルガリア軍を圧倒していた。
(綺織先輩、『じっくり考えて』と言ってたの……こういう事だったのね。
ブルガリア討伐の遠征があるから、それが終わるまでは結婚式どころじゃないか……)
当時の東ローマ帝国軍の主力はアナトリア半島(註:現トルコ)出身の、馬術に長けた者たちを集めた重装騎兵である。中でもコンスタンティノス直属6千の職業軍人部隊「中央軍」が存在した。
機動力こそ軽騎兵に劣るものの、突撃による突破力は他兵科の追随を許さない。彼らの活躍こそが帝国軍の強さを支え、サラセン帝国やブルガリアとの戦いで幾度も勝利を収めていた。
「流石は『軍神』と讃えられしコンスタンティノス陛下の軍」ブラダマンテの母・ベアトリーチェが褒めそやした。
「あの屈強で知られるブルガール騎兵を相手に、全く引けを取らぬどころか大いに押し込んでいますわね」
今回の戦、クレルモン家の騎士たちも武装し、援軍の名目で参戦している。
つまりブラダマンテ自身も女騎士として鎧兜に身を固め、レオの隣に轡を並べていた。
「本当に――強い軍隊ね」ブラダマンテ――アイも舌を巻いていた。
「この軍勢を作り上げたのは父上の功績だ」レオ――綺織浩介は答えた。
「だが父の威光に頼ってばかりもいられない。見てごらん、ブラダマンテ。
敵のブルガリア軍も考えている――後退したのは見せかけで、最初から川を盾にして騎兵の突進力を殺す作戦だね。
このままでは戦線は膠着状態に陥ってしまうだろう」
(この物言い……綺織先輩、すっかり本物の皇子様みたい)
「僕は僕の力を示さねばならない。きみはここで待っていてくれ」
言うが早いか、綺織は手勢を引き連れて密かに戦線を離脱した。
ブルガリア軍の中で、一際士気が高く必死に防戦している一団が見える。
彼らを率いるはブルガリア王ヴァトラン。思慮深く勇猛果敢と評される傑物だ。
一旦は五分に見えた戦線だったが――レオ皇太子率いる軍勢が、気づかれぬよう小勢で川面を迂回し、背後を突く奇襲に出た。
「ヴァトラン陛下! 背後からも東ローマ軍がッ」
「おのれ……あの程度の数の侵入、何故防げなかった?
後詰の兵は何をしていたァ!?」
歯噛みするブルガリア王。しかしレオ率いる歩兵たちは、少数ながらも驚くべき力を誇っていた。
長柄の斧と盾で武装し、雄叫びを上げつつ刃向うブルガール兵を次々と殺戮していく。その凶暴ぶりは凄まじく、敵兵の武器を全く恐れない。例え味方が死しても平然と突き進み、薙ぎ払い、打ち砕き、全てを蹂躙していく……!
「な……何なのだあの荒くれ者どもは……!」
「ここは危のうございます、ヴァトラン様。直ちにお逃げ下さ……げはァッ」
驚いている間にもレオの歩兵たちは殺到し、乱戦の最中ブルガリア王の首を掻き切った。
「『荒くれ者』。確かにそうだ」レオ皇太子はニヤリと笑った。
「この僕が直々に北欧に渡り、ノルマン人の傭兵を雇い入れたのだからね。粗暴ではあるが、頼りになる連中さ。
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「敵の総大将を討ち果たしたぞ! 一人たりとも逃がすな! 皆殺しにせよ!」
レオ皇太子はさらなる無慈悲な命令をヴァリャーギらに下した。
(悪いがブルガリア軍には、ここで全滅してもらう。
黒崎君が到着する前にいなくなれば、彼とブルガリアの繋がりは消える。
原典における大団円への布石――ロジェロのブルガリア王即位も、潰せる!)
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