171 / 197
第9章 物語は綻びる
16 ロジェロ達、ブルガリアに加勢する
しおりを挟む
ほんの一時間前は、膠着状態だった東ローマ軍とブルガリア軍の戦い。
しかしその均衡はレオ皇太子の奇襲と、彼の率いる獰猛な親衛隊ヴァリャーギによって打ち破られた。
総大将たるブルガリア王も討ち取られ、ブルガリア軍は総崩れとなり――
「バラバラに逃げるな! 踏み止まれッ!
我らが王は未だ健在なり! 王自ら殿を務める故、規律正しく退却せよ!」
不意に朗々たる声がブルガリア軍の一角から上がり……何とそこには、威風堂々と馬に跨ったブルガリア王の姿が!
(馬鹿な……ブルガリア王ヴァトランは、たった今我が軍が討ち取ったはず)
さしものレオ――綺織浩介も、予想外の事態に気色ばんだ。
『どういう事だ……? Furioso! 今何が起こっている? 答えろッ』
綺織は苛立って、本の悪魔に念話で語りかけた。
すると彼の背後から、見えざる影の声がする。
『原典だと、ロジェロが一角獣の騎士として、ブルガリア軍を助ける場面だけど。
事情が随分変わっちゃったねェ? キミが皇帝親衛隊なんて揃えて、ブルガリア軍を必要以上に追い詰めたのが仇になったんじゃないかなァ』
本の悪魔Furiosoはお道化た調子で答えた。
よく見ればブルガリア王の健在を謳った一団の中心に、見知った顔があった。
(アレは……麗奈姉さん!?)
綺織の実の姉である錦野麗奈。契丹の王女アンジェリカに宿る魂の名である。
そう考えると合点がいく。アンジェリカの魔術によって、死んだ王の姿を真似て身代わりとなったのだ。
**********
「先ほど討たれたのは影武者だ! ブルガリア王ヴァトランここにあり!
精強なるブルガール兵よ! 王と共に今一度奮闘せよ! 一人でも多くの同胞の命を救うのだッ!」
新たなブルガリア王の正体は、ロジェロ――黒崎八式である。
彼らがベオグラードに到着した時、すでに町は戦の真っ只中にあり、レオの奇襲によってブルガリア軍は壊滅の憂き目にあった。
(ただオレが救援に行くだけじゃ、到底覆せない劣勢になってやがった……
仕方なく、アンジェリカの機転で大芝居を打つ羽目になっちまったが。
戦えないアストルフォやアンジェリカ、メドロまで巻き込んじまうとは……!)
「今一度、奮起せよ。誇り高きブルガールの民よ!」
朗々たる声を上げたのは、王の副官に扮するアストルフォである。
「見よ。我が王の窮地を救うべく、麗しき妻君も危険を顧みず戦場に駆けつけ、王に鬼神の力を与えるべく祝福する!」
ロジェロ扮するブルガリア王の隣に立つ王妃――アンジェリカの扮装である。
彼女は華美な衣装を纏い、王の乗る馬に飛び移ると……そのまま唇を重ねた。
「…………ッ!?」この事態に面食らったのは、他ならぬ黒崎自身であった。
《お、おいアンジェリカ……なんだこの演出! 聞いてねえぞッ!?》
《つべこべ言わない! 敗走しかかってる軍を鼓舞するのよ? これぐらいの寸劇は必要よ。
この間アストルフォやメリッサと一緒に、一生懸命考えたんだから!》
赤面しつつ抗議しかけた黒崎を、アンジェリカは『仕草』で黙らせた。
見れば傍らにいるメドロが、この世の終わりのような絶望の表情を浮かべつつも、必死に堪えている。
実力も心許なく、容姿も凡庸な彼では王の役は務まらないと判断され、泣く泣く従者役をあてがわれているのだった。
**********
一方、ロジェロ達の現在地からやや離れた東ローマ軍の陣中では。
「……………………何、今の」
クレルモン家の一族とともに、戦場の推移を見ていたブラダマンテ(司藤アイ)から、幽鬼めいた声が漏れていた。
綺織浩介が錦野麗奈の存在を見抜いたように――アイもまた、ブルガリア王を名乗った黒崎の顔を見抜いていた。
そして今しがた起こった、接吻の演出も。
アイの心中で、何故だか説明のつかないモヤモヤした苛立ちが湧き起こりつつあった。
**********
「何をしている? 精強にして栄光あるローマの軍よ!
橋頭堡は完成した! あの王を名乗る愚か者どもを切り刻めィ!」
東ローマ軍の中央軍を率いる将軍の一人が、渡河した兵員を再編し、ロジェロ達に向けて突撃させた。
馬は渡せなかったものの、即座に重装歩兵として陣形を整えた軍勢は、重装騎兵に劣らぬ威圧感を以て殺到する!
敗残兵を叱咤激励して奮い立たせたものの、ロジェロ達は寡兵で、戦える人員も乏しい。
しかしそんな中――歴戦の東ローマ兵を相手に大立ち回りを敢行する勇猛な騎士が現れた。
「王の愛するブルガリアの民には、指一本触れさせんぞッ!」
不死鳥の意匠を凝らした兜をかぶった騎士――インド王女マルフィサは嬉しそうに雄叫びを上げ、奮戦する。
彼女は黒き魔物の巨馬アルファナに跨り、美しい紋様の長槍を駆使して、迫り来る歩兵を薙ぎ払っていた。
(アフリカ大王アグラマンより譲り受けた、シリア製の槍……素晴らしい切れ味だ。
しかもこれだけ激しく突きまくっているのに、刃こぼれすらしない。末恐ろしい業物だな……!)
ランペドゥーサ島の決闘に勝利した戦利品として得たアグラマンの槍。かの有名なダマスカス鋼を用い鍛え上げられた逸品である。
そして殿軍として、最前線で奮戦するロジェロにも重装歩兵は迫り来る。
ロジェロは魔剣ベリサルダを振るい勇戦するも、精強なローマ兵は数を頼みに両刃剣を突き出してくる。
だがそのことごとくは、ロジェロの着ている鎧によって弾かれていた。
「なッ…………!?」
「生憎だが、その程度の武器じゃオレの鎧を貫く事はできねェぜッ!」
黒崎の鎧は、鎖帷子の上に胸装甲を重ねたものだ。
これまたアグラマン大王からの戦利品。かつてタタール王マンドリカルドが入手した、トロイの英雄ヘクトルの鎧であり――尋常ならぬ頑強さを誇っていた。
(大王の装備、よもやこんな場面で役に立つとはな……!
この調子で行けば、ブルガリア軍を全滅させる事なく逃がす事ができるッ)
ロジェロやマルフィサだけではない。
兵をまとめ上げ、的確に撤退の布陣を指揮するアストルフォ。
王妃扮するアンジェリカを守る為、危なっかしくも大胆に奮闘するメドロ。
「おおお……我らが王に、本当に鬼神の加護が宿っておられるッ」
「呆けている場合ではない。ワシらも戦うぞ! 王をお守りせよッ!」
5人の死に物狂いの戦いぶりに勇気づけられたのか、一時は潰走しかかっていたブルガリア兵たちも再び戦意を取り戻し、果敢に反撃・迎撃するのだった。
しかしその均衡はレオ皇太子の奇襲と、彼の率いる獰猛な親衛隊ヴァリャーギによって打ち破られた。
総大将たるブルガリア王も討ち取られ、ブルガリア軍は総崩れとなり――
「バラバラに逃げるな! 踏み止まれッ!
我らが王は未だ健在なり! 王自ら殿を務める故、規律正しく退却せよ!」
不意に朗々たる声がブルガリア軍の一角から上がり……何とそこには、威風堂々と馬に跨ったブルガリア王の姿が!
(馬鹿な……ブルガリア王ヴァトランは、たった今我が軍が討ち取ったはず)
さしものレオ――綺織浩介も、予想外の事態に気色ばんだ。
『どういう事だ……? Furioso! 今何が起こっている? 答えろッ』
綺織は苛立って、本の悪魔に念話で語りかけた。
すると彼の背後から、見えざる影の声がする。
『原典だと、ロジェロが一角獣の騎士として、ブルガリア軍を助ける場面だけど。
事情が随分変わっちゃったねェ? キミが皇帝親衛隊なんて揃えて、ブルガリア軍を必要以上に追い詰めたのが仇になったんじゃないかなァ』
本の悪魔Furiosoはお道化た調子で答えた。
よく見ればブルガリア王の健在を謳った一団の中心に、見知った顔があった。
(アレは……麗奈姉さん!?)
綺織の実の姉である錦野麗奈。契丹の王女アンジェリカに宿る魂の名である。
そう考えると合点がいく。アンジェリカの魔術によって、死んだ王の姿を真似て身代わりとなったのだ。
**********
「先ほど討たれたのは影武者だ! ブルガリア王ヴァトランここにあり!
精強なるブルガール兵よ! 王と共に今一度奮闘せよ! 一人でも多くの同胞の命を救うのだッ!」
新たなブルガリア王の正体は、ロジェロ――黒崎八式である。
彼らがベオグラードに到着した時、すでに町は戦の真っ只中にあり、レオの奇襲によってブルガリア軍は壊滅の憂き目にあった。
(ただオレが救援に行くだけじゃ、到底覆せない劣勢になってやがった……
仕方なく、アンジェリカの機転で大芝居を打つ羽目になっちまったが。
戦えないアストルフォやアンジェリカ、メドロまで巻き込んじまうとは……!)
「今一度、奮起せよ。誇り高きブルガールの民よ!」
朗々たる声を上げたのは、王の副官に扮するアストルフォである。
「見よ。我が王の窮地を救うべく、麗しき妻君も危険を顧みず戦場に駆けつけ、王に鬼神の力を与えるべく祝福する!」
ロジェロ扮するブルガリア王の隣に立つ王妃――アンジェリカの扮装である。
彼女は華美な衣装を纏い、王の乗る馬に飛び移ると……そのまま唇を重ねた。
「…………ッ!?」この事態に面食らったのは、他ならぬ黒崎自身であった。
《お、おいアンジェリカ……なんだこの演出! 聞いてねえぞッ!?》
《つべこべ言わない! 敗走しかかってる軍を鼓舞するのよ? これぐらいの寸劇は必要よ。
この間アストルフォやメリッサと一緒に、一生懸命考えたんだから!》
赤面しつつ抗議しかけた黒崎を、アンジェリカは『仕草』で黙らせた。
見れば傍らにいるメドロが、この世の終わりのような絶望の表情を浮かべつつも、必死に堪えている。
実力も心許なく、容姿も凡庸な彼では王の役は務まらないと判断され、泣く泣く従者役をあてがわれているのだった。
**********
一方、ロジェロ達の現在地からやや離れた東ローマ軍の陣中では。
「……………………何、今の」
クレルモン家の一族とともに、戦場の推移を見ていたブラダマンテ(司藤アイ)から、幽鬼めいた声が漏れていた。
綺織浩介が錦野麗奈の存在を見抜いたように――アイもまた、ブルガリア王を名乗った黒崎の顔を見抜いていた。
そして今しがた起こった、接吻の演出も。
アイの心中で、何故だか説明のつかないモヤモヤした苛立ちが湧き起こりつつあった。
**********
「何をしている? 精強にして栄光あるローマの軍よ!
橋頭堡は完成した! あの王を名乗る愚か者どもを切り刻めィ!」
東ローマ軍の中央軍を率いる将軍の一人が、渡河した兵員を再編し、ロジェロ達に向けて突撃させた。
馬は渡せなかったものの、即座に重装歩兵として陣形を整えた軍勢は、重装騎兵に劣らぬ威圧感を以て殺到する!
敗残兵を叱咤激励して奮い立たせたものの、ロジェロ達は寡兵で、戦える人員も乏しい。
しかしそんな中――歴戦の東ローマ兵を相手に大立ち回りを敢行する勇猛な騎士が現れた。
「王の愛するブルガリアの民には、指一本触れさせんぞッ!」
不死鳥の意匠を凝らした兜をかぶった騎士――インド王女マルフィサは嬉しそうに雄叫びを上げ、奮戦する。
彼女は黒き魔物の巨馬アルファナに跨り、美しい紋様の長槍を駆使して、迫り来る歩兵を薙ぎ払っていた。
(アフリカ大王アグラマンより譲り受けた、シリア製の槍……素晴らしい切れ味だ。
しかもこれだけ激しく突きまくっているのに、刃こぼれすらしない。末恐ろしい業物だな……!)
ランペドゥーサ島の決闘に勝利した戦利品として得たアグラマンの槍。かの有名なダマスカス鋼を用い鍛え上げられた逸品である。
そして殿軍として、最前線で奮戦するロジェロにも重装歩兵は迫り来る。
ロジェロは魔剣ベリサルダを振るい勇戦するも、精強なローマ兵は数を頼みに両刃剣を突き出してくる。
だがそのことごとくは、ロジェロの着ている鎧によって弾かれていた。
「なッ…………!?」
「生憎だが、その程度の武器じゃオレの鎧を貫く事はできねェぜッ!」
黒崎の鎧は、鎖帷子の上に胸装甲を重ねたものだ。
これまたアグラマン大王からの戦利品。かつてタタール王マンドリカルドが入手した、トロイの英雄ヘクトルの鎧であり――尋常ならぬ頑強さを誇っていた。
(大王の装備、よもやこんな場面で役に立つとはな……!
この調子で行けば、ブルガリア軍を全滅させる事なく逃がす事ができるッ)
ロジェロやマルフィサだけではない。
兵をまとめ上げ、的確に撤退の布陣を指揮するアストルフォ。
王妃扮するアンジェリカを守る為、危なっかしくも大胆に奮闘するメドロ。
「おおお……我らが王に、本当に鬼神の加護が宿っておられるッ」
「呆けている場合ではない。ワシらも戦うぞ! 王をお守りせよッ!」
5人の死に物狂いの戦いぶりに勇気づけられたのか、一時は潰走しかかっていたブルガリア兵たちも再び戦意を取り戻し、果敢に反撃・迎撃するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~
スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」
悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!?
「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」
やかましぃやぁ。
※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる