173 / 197
第9章 物語は綻びる
18 黒崎八式vs綺織浩介・後編
しおりを挟む
戦場にて、騎士ロジェロ――黒崎八式と。
東ローマの皇太子レオ――綺織浩介の一騎打ちが始まっていた。
(まさか……ロジェロ君に直接、レオ皇太子が戦いを挑んでくるとは)
ブルガリア王の副官に扮するイングランド王子アストルフォは、想定外の光景に驚きつつも、心のどこかで安堵していた。
彼だけでなく、ロジェロの妹マルフィサやアンジェリカの恋人メドロも同じ思いだったろう。
ロジェロはサラセン・フランク両国に武名を広く知られし歴戦の騎士。いかなる防具も断ち切る魔剣ベリサルダに加え、古の英雄ヘクトルの鎧や盾までも備えている。
対するレオ皇太子は父コンスタンティノスの武勇に隠れて、特筆して優れた才覚を持つという話は聞かない。それどころか病弱であり、長くは生きられないだろうと噂されていた。
黒崎と綺織の直接対決。常識的に考えればロジェロの勝利は揺るがない。
だが二人の相対する様を見て、アンジェリカ――錦野麗奈だけは、どうしても嫌な予感が拭い去れなかった。
(私の弟・浩介は勝ち目のない戦いを挑む男じゃないわ。
自ら矢面に立つからには、十二分に勝算があるという事……!)
ブルガリア軍の撤退は、アストルフォらの尽力もあり達成しつつある。
しかし楽観視はできない。東ローマ帝国軍の追撃は激しく、誰もロジェロの加勢に向かえないでいる。この状況ですら綺織の作り出したモノだとしたら……?
麗奈の焦りはつのる。だが今はどうする事もできなかった。
**********
(クソッ。不意打ちで利き腕の傷が……大した事はねえが、剣を振るうのに多少は支障が出るかもな)
黒崎は歯噛みしつつも、魔剣ベリサルダを構え――綺織に突き進んだ。
傷の痛みはあるが……それでも騎士ロジェロとして、速さと重さを伴った斬撃は衰えていない。名のある騎士でも彼の剣筋を前に捌き切る事は至難の業だろう。
ところが――綺織は黒崎の攻撃を読んでいたかのように、ギリギリまで引きつけてから反撃に転じた。
「なッ!?」
刹那の攻防。再び血飛沫が舞ったのは黒崎だった。綺織の持つ刺突剣が鎖帷子の隙間を貫き、やや浅いものの左の脇腹を掠める。
(……何だ、コイツ……! 大した使い手でもねえのに、やりづれえ……!
まるでこっちの動きを予め先読みでもしているような……)
「『まるで心を読まれている』ような……そんな気分かい?」
「!」
背筋にゾクリとした悪寒を覚え、黒崎は表情を引きつらせた。
「安心したまえ、僕にそんな力はないよ。でもね。
僕は今の状況を――繰り返し『想定』し、対策を立ててから臨んでいる」
「何を――言って――!?」
黒崎は攻撃を控え、今度は綺織の出方を伺う戦術に切り替えた。
もともとロジェロは防御を主軸とした「後の先」に特化した騎士だ。攻めが通じないのであれば守りで対抗するのが真骨頂であった。
「なるほど。今度はこちらの攻撃を誘い、反撃に出ようという訳か」
綺織は冷笑を浮かべた。
「悪いか? オレは別に、アンタと戦って殺すつもりなんて最初からねえ。
元々の目的は、ブルガリアの兵たちを無事に逃がす事なんだからな!
コレで時間が稼げるなら、何の問題もねえさ」
「フム。理に適っているね――但し」
綺織は敢えて、黒崎の間合いに踏み込んできた。
「それで本当に『時間が稼げたら』、の話だ」
無造作な突進のように見えて、違った。
黒崎の左側――盾を持つ方向に回り込みつつ、速度を上げて一気に踏み込む!
十分に注意を払っていたつもりなのに。死角から不意を打たれたかの如く、綺織の刺突剣に対応できず――盾の上からの突きで左肩に傷を負った。
「くッそがァッ!」
(無駄だ。そんな苦し紛れの反撃は通じない――『情報』通りの動きだ)
流れるような動き。一撃離脱の緩急の切り替えの速さ。
確かに達人めいて黒崎を翻弄しているが、綺織の体術は決して卓抜したものではなかった。
(何故だ……ロジェロ兄さん……!
なぜレオ皇太子ごときに、ここまで圧倒されている……!?)
皇帝親衛隊らを相手取っている妹マルフィサも、兄の苦境に歯噛みしていた。
**********
現実世界。下田三郎教授も焦燥に駆られていた。
「Furioso。何だこれは……何がどうなっている!?
一体、綺織君に何をしたのだッ!」
鋭い詰問に対し、魔本から作り物めいた甲高い声がした。
『別にボクから働きかけたワケじゃないよ。
ボクはただ、綺織浩介が望んだ情報を提供しただけ。
ボクってホラ、正直者だからさ。誠心誠意、本当の事を彼に教えたのさァ』
Furiosoが綺織に与えた「情報」とは。
今この瞬間における、ロジェロ――黒崎八式についてである。実力も、装備も。得意とする戦い方も、戦う際のクセも。無論、苦手とする戦術や致命的な「弱点」ですらも――寸分違わぬ「影」として再現したのだ。
綺織浩介はそれを元に、来る日も来る日も練習を重ねた。たった一度、黒崎に「勝利するため」だけに。
**********
(黒崎八式。初めてきみを見た時から――僕は気に入らなかった。
きみが僕の家に押しかけて来なければ、魔本に引きずり込まれる事もなかったし、僕の計画が狂わされる事もなかった)
手の内を読まれ、身体中を切り刻まれ、黒崎はすでに満身創痍だった。
「はあッ……はあッ……クソ……ったれ……が……」
(それでもなお戦意を失わず、睨み据えてくるか――無駄な事なのに。
きみは僕にとって邪魔な存在だ。でも感謝もしている。
あの時、きみが僕の家に怒鳴り込んできた時――僕はやっと気づいた。司藤さんへの気持ちに。
そしてきみも、彼女の事を強く想っている事にも)
20年余りの人生で、綺織浩介は初めて激情に駆られた。
好きになった人を取られたくないという執着。司藤アイが黒崎を語る時の楽しげな表情への嫉妬。絶望的な状況に陥っているにも関わらず、屈しようとしない――この男に対する強い怒り。
(どんな手を使っても、彼女を手に入れてやる――例え黒崎を、殺してでも!)
東ローマの皇太子レオ――綺織浩介の一騎打ちが始まっていた。
(まさか……ロジェロ君に直接、レオ皇太子が戦いを挑んでくるとは)
ブルガリア王の副官に扮するイングランド王子アストルフォは、想定外の光景に驚きつつも、心のどこかで安堵していた。
彼だけでなく、ロジェロの妹マルフィサやアンジェリカの恋人メドロも同じ思いだったろう。
ロジェロはサラセン・フランク両国に武名を広く知られし歴戦の騎士。いかなる防具も断ち切る魔剣ベリサルダに加え、古の英雄ヘクトルの鎧や盾までも備えている。
対するレオ皇太子は父コンスタンティノスの武勇に隠れて、特筆して優れた才覚を持つという話は聞かない。それどころか病弱であり、長くは生きられないだろうと噂されていた。
黒崎と綺織の直接対決。常識的に考えればロジェロの勝利は揺るがない。
だが二人の相対する様を見て、アンジェリカ――錦野麗奈だけは、どうしても嫌な予感が拭い去れなかった。
(私の弟・浩介は勝ち目のない戦いを挑む男じゃないわ。
自ら矢面に立つからには、十二分に勝算があるという事……!)
ブルガリア軍の撤退は、アストルフォらの尽力もあり達成しつつある。
しかし楽観視はできない。東ローマ帝国軍の追撃は激しく、誰もロジェロの加勢に向かえないでいる。この状況ですら綺織の作り出したモノだとしたら……?
麗奈の焦りはつのる。だが今はどうする事もできなかった。
**********
(クソッ。不意打ちで利き腕の傷が……大した事はねえが、剣を振るうのに多少は支障が出るかもな)
黒崎は歯噛みしつつも、魔剣ベリサルダを構え――綺織に突き進んだ。
傷の痛みはあるが……それでも騎士ロジェロとして、速さと重さを伴った斬撃は衰えていない。名のある騎士でも彼の剣筋を前に捌き切る事は至難の業だろう。
ところが――綺織は黒崎の攻撃を読んでいたかのように、ギリギリまで引きつけてから反撃に転じた。
「なッ!?」
刹那の攻防。再び血飛沫が舞ったのは黒崎だった。綺織の持つ刺突剣が鎖帷子の隙間を貫き、やや浅いものの左の脇腹を掠める。
(……何だ、コイツ……! 大した使い手でもねえのに、やりづれえ……!
まるでこっちの動きを予め先読みでもしているような……)
「『まるで心を読まれている』ような……そんな気分かい?」
「!」
背筋にゾクリとした悪寒を覚え、黒崎は表情を引きつらせた。
「安心したまえ、僕にそんな力はないよ。でもね。
僕は今の状況を――繰り返し『想定』し、対策を立ててから臨んでいる」
「何を――言って――!?」
黒崎は攻撃を控え、今度は綺織の出方を伺う戦術に切り替えた。
もともとロジェロは防御を主軸とした「後の先」に特化した騎士だ。攻めが通じないのであれば守りで対抗するのが真骨頂であった。
「なるほど。今度はこちらの攻撃を誘い、反撃に出ようという訳か」
綺織は冷笑を浮かべた。
「悪いか? オレは別に、アンタと戦って殺すつもりなんて最初からねえ。
元々の目的は、ブルガリアの兵たちを無事に逃がす事なんだからな!
コレで時間が稼げるなら、何の問題もねえさ」
「フム。理に適っているね――但し」
綺織は敢えて、黒崎の間合いに踏み込んできた。
「それで本当に『時間が稼げたら』、の話だ」
無造作な突進のように見えて、違った。
黒崎の左側――盾を持つ方向に回り込みつつ、速度を上げて一気に踏み込む!
十分に注意を払っていたつもりなのに。死角から不意を打たれたかの如く、綺織の刺突剣に対応できず――盾の上からの突きで左肩に傷を負った。
「くッそがァッ!」
(無駄だ。そんな苦し紛れの反撃は通じない――『情報』通りの動きだ)
流れるような動き。一撃離脱の緩急の切り替えの速さ。
確かに達人めいて黒崎を翻弄しているが、綺織の体術は決して卓抜したものではなかった。
(何故だ……ロジェロ兄さん……!
なぜレオ皇太子ごときに、ここまで圧倒されている……!?)
皇帝親衛隊らを相手取っている妹マルフィサも、兄の苦境に歯噛みしていた。
**********
現実世界。下田三郎教授も焦燥に駆られていた。
「Furioso。何だこれは……何がどうなっている!?
一体、綺織君に何をしたのだッ!」
鋭い詰問に対し、魔本から作り物めいた甲高い声がした。
『別にボクから働きかけたワケじゃないよ。
ボクはただ、綺織浩介が望んだ情報を提供しただけ。
ボクってホラ、正直者だからさ。誠心誠意、本当の事を彼に教えたのさァ』
Furiosoが綺織に与えた「情報」とは。
今この瞬間における、ロジェロ――黒崎八式についてである。実力も、装備も。得意とする戦い方も、戦う際のクセも。無論、苦手とする戦術や致命的な「弱点」ですらも――寸分違わぬ「影」として再現したのだ。
綺織浩介はそれを元に、来る日も来る日も練習を重ねた。たった一度、黒崎に「勝利するため」だけに。
**********
(黒崎八式。初めてきみを見た時から――僕は気に入らなかった。
きみが僕の家に押しかけて来なければ、魔本に引きずり込まれる事もなかったし、僕の計画が狂わされる事もなかった)
手の内を読まれ、身体中を切り刻まれ、黒崎はすでに満身創痍だった。
「はあッ……はあッ……クソ……ったれ……が……」
(それでもなお戦意を失わず、睨み据えてくるか――無駄な事なのに。
きみは僕にとって邪魔な存在だ。でも感謝もしている。
あの時、きみが僕の家に怒鳴り込んできた時――僕はやっと気づいた。司藤さんへの気持ちに。
そしてきみも、彼女の事を強く想っている事にも)
20年余りの人生で、綺織浩介は初めて激情に駆られた。
好きになった人を取られたくないという執着。司藤アイが黒崎を語る時の楽しげな表情への嫉妬。絶望的な状況に陥っているにも関わらず、屈しようとしない――この男に対する強い怒り。
(どんな手を使っても、彼女を手に入れてやる――例え黒崎を、殺してでも!)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢が攻略対象ではないオレに夢中なのだが?!
naomikoryo
ファンタジー
【★♪★♪★♪★本当に完結!!読んでくれた皆さん、ありがとうございます★♪★♪★♪★】
気づけば異世界、しかも「ただの数学教師」になってもうた――。
大阪生まれ大阪育ち、関西弁まるだしの元高校教師カイは、偶然助けた学園長の口利きで王立魔法学園の臨時教師に。
魔方陣を数式で解きほぐし、強大な魔法を片っ端から「授業」で説明してしまう彼の授業は、生徒たちにとって革命そのものだった。
しかし、なぜか公爵令嬢ルーティアに追いかけ回され、
気づけば「奥様気取り」で世話を焼かれ、学園も学園長も黙認状態。
王子やヒロイン候補も巻き込み、王国全体を揺るがす大事件に次々と遭遇していくカイ。
「ワイはただ、教師やりたいだけやのに!」
異世界で数学教師が無自覚にチートを発揮し、
悪役令嬢と繰り広げる夫婦漫才のような恋模様と、国家規模のトラブルに振り回される物語。
笑いとバトルと甘々が詰まった異世界ラブコメ×ファンタジー!
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主』
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる