かがみゆえの掌編小説【ホラー】

掌編小説

ただの強がり

　.




　私の心は闇に染まっています。
　だから、どんな誰よりも人を恨む気持ち、人を憎む気持ちは強いです。
　私の心には悪魔がいて、黒に染まっています。
　この心で私は、影で色んなことをしました。
　だけど私は、そんな心を持っていてもなれなかったものがあります。

　それは、犯罪を犯すことです。
　犯罪になることは一度もやったことがないのです。
　周りから見ると私はただの中学生。
　“何故、出来なかったのか？”というと、本当は何度もやろうとしました。

　しかし、いざやろうとすると心が否定するのです。
　捨てたはずの昔の自分。
　消したはずの良心。
　犯罪に手を染めたくても、“それ”が私の邪魔をする。




　ヤメロ……。
　邪魔をするな……。
　お前さえいなければ、“ボク”は悪い子になれるんだ。
　お前さえいなければ、“ボク”は悪い子になれたのに。

　でも結局、ボクはいつも良心には絶対に勝てないんだ―――…。

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