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4話 聞き分けの無い女神サマ 3
しおりを挟むそこからはもう怒涛の展開だった。
不完全で邪悪な召還陣を人間に教えたのが、【神託】を担当する下級神である事が分かり、再度頭に血が昇ってブチ切れたティナが、殴り込みをかけようとするのを必死に抑え、記憶にある【ありとあらゆる神のやらかし物語】を話し、それに類似するシチュエーションを確認すると、出るわ出るわ、怠惰と不正と汚職と反乱、とにかく気付かれないうちに一網打尽にしようと、二人で2週間、確認と証拠集めに奔走した。
その結果分かった事が、
・主神である【大地母神マルティアル】が長年の独身にピリオド。新婚生活を満喫する事に全精力(性力?)を注いだ結果、何も確認せずOKを出す最低最悪な最高責任者が爆誕。
↑とにかくコイツが諸悪の根元。
・確認せずに何でも許可が通る事に気づいたヤツらの暴走が始まる。
・勝手に【神託】を出し、世界を混乱させようとしたヤツ。
↑この下級神は邪神の配下に堕ちていた事が後に発覚。
・新たな宗教を隠れて作り出し、【信仰心】をかき集め神格を上げようとするヤツ。
↑実際捕まった時には下級神から中級神に格が上がっていた。
・世界から魔力を吸い上げる装置を下界に勝手に設置し、自分用の【世界】を創ろうとするヤツ。
↑人が発生するところまではいかなかったが、それなりの大きさに育っていたらしい。
・世界に6本しか生えていない【世界樹】を引っこ抜き、自分の世界に植樹するヤツ。
↑かなりの上級神で「魔が差した…」とかほざいてたらしい。
…もうヤダこの神界。
ーーーーーーーーーー
ブチ切れたティナは全ての証拠を持って、直属の一番上の上司である【地球の主神】(神界全体でもかなり上位の神らしい)に報告。
ブチブチ切れた【地球の主神】は神界の最高権力者である【原初の全智全能神】に報告。
ブチブチブチ切れた【原初の全智全能神】は、【大地母神マルティアル】以外の全ての犯神を瞬殺。やらかした数々の痕跡を1日で【無かった事】にしたらしい(…怖い)
【大地母神マルティアル】が生き残ったのは、お目こぼしでも何でもなく、マルティアルが、今回の功績で主神に格上げとなったティナの司る世界の大神であったため、世界に混乱を来さぬように「名前貸し」として残されたに過ぎない。
実際のところ現在のマルティアルは【大地母神】でも何でもなく、権能である【大地】【誕生】は剥奪され、2つともティナのものとなっていて、マルティアルはティナの奴隷として神界で正式に登録されており、
【奴隷神マルティアル】
と、
【時間と空間と大地と誕生を司る主神 女神ディメンティーナ】
となっているのである。
それでも首輪を着けたマルティアルは、ティナに(オレにも)涙ながらに、最大限の謝罪と感謝をしていた。
同じセイルマリルの神であるティナが、見つけてくれたからこそ処刑を免れたし、一応は世話になった先輩という事でティナが、「真面目に働けば100年に一度、旦那神に会いに行っていい」と約束したからだろう。
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