私は悪役令嬢なのか、脇役なのか、モブなのかを知りたい

千代子レイ子

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3 ドリルツインテール令嬢

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 私は知らない令嬢にいきなり文句を言われて戸惑っていると優しい婚約者様は私の前に立ち、ドリルツインテール嬢を睨み返した。

「常識がない? それはお前だろ! 俺が主役のパーティーにそんな派手な衣装で現れやがって! どっちが主役かわかんねぇよ!」
「ふん、女性はいつでも綺麗に着飾るものですわ」
「それにしたって婚約者でもないのに俺のパーティーで堂々と着飾るのはおかしいだろ!! しかも俺はお前なんか呼んでねぇのにさ!」
「えっ? 招待されていないんですか?」

 つい、ビックリして口を挟んでしまった。

「うん。いつも文句ばっか言うから俺の誕生日くらい楽しい気分でいたいだろ? だから辺境伯や父上にマーガレット令嬢は呼ばないでくれって頼んだんだ」
「まぁ! わざわざ私が来て差し上げたのになんて言い草なのかしら! これだから汗臭い騎士団の息子は嫌なのよ」
「だから、来てくれなんて頼んでないだろ! そんなに嫌なら今から帰れよ!」
「ふん! 美しい私がなければこんなパーティー寂しいだけじゃない」

 (……あぁ。ピンときたわ。この令嬢、私の婚約者が好きなんだわ。でもツンデレで全く好意が伝わってないし、婚約者の私を牽制して排除したかったんだろうけど失敗してし悔しいんだろうな)

「はぁ。ほんと白けるな……」
「……あぁ。自分を花とか呼ばれてもいないのに何言ってんだか……」
「!! なんですって!!」
「そんなヒステリーな花なんてカインは要らねぇって言ってるんだよ!」

 友人たちも味方につけ空気がヤバい。このままでは一触即発だ。ここは穏便に事を納めなくてはいけない。

「あ、あの! マーガレット様はカイン様にどの様なプレゼントをご用意したのですか?」
「! ……ふふ。私は貴女と違って気品ある物を用意しましたわ! そこのメイド! 持ってきなさい!!」

 マーガレット様が声をかけると奥からメイドがこれまた、でかいプレゼントを持ってきた。しかもラッピングがピンクゴールドで確かに豪華だ。……気品は分からないが……。

 (……というか、本当にピンク色系が好きなんだな……)

 だが私の婚約者は渋顔だ。まぁ、女性なら喜ぶかもしれないが13歳の男の子にピンクゴールドにフリフリリボンのラッピングは無いだろう。完全に令嬢の趣味しか入っていない品物だ。

「さぁ、受け取り下さい」

 周りの同年代と思われる男の子もドン引きしているのに、この令嬢は気が付かないのだろうか?

 カイン様は渋々そのプレゼントを受けとるとそのまま近くにいたメイドに渡した。まるで検品作業レーンを見ているかのような流れ作業だ。

「まぁ!! 待ちなさい!! 私のプレゼントをまだ開けていないじゃないの!!」
「後で見るよ……」

 もうとっととこの場を終わらせたい空気を醸し出すカイン様にもめげず令嬢はさっさと開けろとうるさい。仕方無しにカイン様はプレゼントを開封した。

「……ん? 熊?」
「フフン! そうですわ! とても肌心地いい素材でできてますのよ。しかもその胸についてるのは水の魔石なんですの!!」
「ふーん」
 
 全然興味ない顔だ。この分だと倉庫か妹のエスメラルダ嬢(1歳)の所に行きそうだ。

「あ、青色の魔石はとっても貴重ですのよ。それに私はこのぬいぐるみのウサギを愛用してますの」
「へー」

 遠回しにお揃いだと言いたいのだろう。なので私にも勝ち誇ったような顔を向けてくる。だが渡されたカイン様には全く通じてない。

「なぁ、カイン、そっちのプレゼントも見せてくれよ!」
「あっ、そうだった! リコリス、見ていい?」
「えぇ。気に入ってもらえると嬉しいです」

 紙袋を開けると中からは折り紙で作った騎士たちがリボンに向けて剣を掲げているかっこいいラッピングが出てきた。

「す、凄い!!!」
「わぁ!! モーリシャル騎士団みたいだ!!」
「凄い!! 凄い!! カインいいなぁ。俺も欲しい!!」

 ラッピングの凄さに男子たちが喝采と感動をしていると、面白くないのは先ほどの令嬢だ。

「そ、そんなラッピングにしたら、ほどけないじゃない!」
「あっ……」

 それに気付いたカイン様は少し悲しそう。でもご安心下さい。それの対策もバッチリですから。

「カイン様は、このラッピングを残したいですか?」

 私の質問にカイン様以外にもその場にいた男子たちか全員頷いた。

「では、ここと、ここを切ってください。綺麗に中身だけ取り出せますから」

 言われた通りその場所を鋏で切ると中身とラッピングが綺麗にはがれて残したい騎士とリボンは絵画のように1枚の素晴らしいプレゼントへと変わった。

「わぁ!! ありがとう!! リコリス!!」

 まだ中身も開けてないのにカイン様はそれだけでもう満面笑みだった。
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