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23 カインの心情 ※カルフィシファー公爵家視点
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「事実は小説より奇なり」とは正しく今回のことだ。
リコリスとちゃんとした恋人になりたくて頑張ったのに、実際頬にキスされただけでパニックになってしまった。
「やらかした……」
これにつきる。嬉しいのと恥ずかしいが3:7で逃げ出した。全くこれでは恋人のこの字にもなれない。
「恥ずかしいからってリコリスを置いて行くのはよくない!!」
再び戻ろうとした時、不意に鏡を見たら顔が真っ赤になっている自分がいた。
「!!」
(これは無理だ!! 頬のキスで真っ赤になってるんじゃ、唇のキスはどうなるんだ? 前の時は吐き気と嫌悪感が凄くて気持ち悪かった。ならリコリスも?)
ふとリコリスとのロマンチックなキスシーンを想像する。
「!!!!!」
(無理だー!! ドキドキして悶え転げる!! キスなんて恥ずかしくて出来ない!!)
その時扉をノックする音がし、母親が訪ねてきた。
「カイン。少し確認したいことがあるの。今、いいかしら?」
「えっ? あっ、はい。どうぞ」
慌ててベッドから飛び起きて母親を招き入れるが、何故かその顔は神妙だ。
「カイン。隠さず答えて欲しいのだけれど、あなたリコリスさんに襲われたの? リコリスさんは手の甲にキスをしたと言ってたけど……」
「手の甲……」
その瞬間、先程のシーンを思い出し、柔らかいリコリスの唇の感触が全身を巡った。
「わぁぁぁー!!! あっ、あれはその、リコリスがこ、婚約者でこ、恋人の約束で、あわわっ!!」
「……襲われてないの?」
「お、襲!! そんな破廉恥なことするわけないだろ!!」
「…………」
動揺するカインを母親は可哀想な生き物を見るような同情的視線を向けていたが、先程の事を思い出してパニックになっていたカインは気付かない。
「……ここまで初心に育ったとは……リコリスさんには悪いことをしたわねぇ……あなたそんなことで子供作れるの?」
「子供?」
「リコリスさんとの子供よ。私の孫」
「リコリスとの子供……こ、子供?!!!」
何かを想像したのだろう。見たことないくらいカインは顔が真っ赤になり、ベッドの中にダイブしてしまった。
「…………はぁ」
そんなカインに呆れてため息をついたと思ったら、母親は何も言わず部屋を出て行く。
しかしそれにも気が付かずカインは顔を隠したまま1人、リコリスとの新婚生活を想像していた。
(結婚したらリコリスが『旦那様、お帰りなさい』って出迎えてくれるんだよな。しかも毎日いってらっしゃいのキスやお帰りなさいのキスをしてくれる。……わぁぁぁー!!! 嬉しいけど恥ずかしい!!!)
ソファーでそのまま悶えるカインは思春期の可愛らしい男の子そのものだ。ただ第三者が見れば、いい大人が何をしているだと言われても仕方ない格好でもある。
(結婚したら毎日リコリスを抱きしめて、顔を紅くして目を潤ませる可愛いリコリスにキスをするんだ。そして俺の胸にしなだれかかるに違いない! ふぁぁー……ヤバい。可愛すぎる!!!)
恋するカインの妄想(暴走)は止まらない。ただしその妄想範囲は10歳の可愛いおままごと程度ではあるが……。
「……どうしよう。結婚したら毎日ほっぺにキスするのかな?……わー!! 恥ずかしい!!」
その後そっと様子を見に伺っていたメイドは、あまりにも純粋培養し過ぎたその発言や行動に公爵家の存亡を危惧したくらいだ。
そして報告を受けた公爵婦人はリコリスに襲ったのかと警告した手前「家の息子を襲って下さい」とは言えない。
今から公爵家の為に性教育をちゃんとした方がいいのは分かっている。だが魅了事件以来、リコリスと家族以外の女性はトラウマになっているらしく上手くいかない。
「長男がいるとはいえ、このままでは不味いわ……」
頭を抱えているとそこにその長男が現れた。
「母上! 今、帰還しました!!」
「あぁ。お帰りなさい。ケント」
「? どうかしましたか? お加減が悪そうですが……」
「カインのことでちょっとね……」
「!! また魅了事件の後遺症がありましたか?!」
「違う……いえ、ある意味そうね」
公爵婦人はリコリスとカインの先程まであったやり取りを話した。
「早とちりがあったとしても、それはリコリスに失礼でしたね」
「えぇ。婚約者同士の可愛い戯れに姑が目くじらを立てて牽制したみたいで、私も居たたまれないのよ」
「手の甲にキスなど騎士の真似事のようで可愛らしい。きっと2人で何やら約束事でもしたのでしょうね」
微笑ましい弟と婚約者のやり取りを想像して心穏やかに和んでいると隣からため息が聞こえた。
「でもそれで発狂するほどパニックになって逃げ出すなんて先が思いやられるわ……」
「それも恥ずかしい気持ちからでしょう? 嫌悪感からではないのですから気長に待てばいいんですよ」
「気長って、結婚適齢期の男が婚約者にキスされたぐらいで逃げ出すなんて女の方にしてみたら気持ちも冷めるわよ」
「リコリスなら大丈夫ですよ。幼馴染みでもありますから、カインの心情なんて分かりきってます」
そんな話をされてるとは思わずカインもリコリスも頬にキスしたことを考えていた。
リコリスとちゃんとした恋人になりたくて頑張ったのに、実際頬にキスされただけでパニックになってしまった。
「やらかした……」
これにつきる。嬉しいのと恥ずかしいが3:7で逃げ出した。全くこれでは恋人のこの字にもなれない。
「恥ずかしいからってリコリスを置いて行くのはよくない!!」
再び戻ろうとした時、不意に鏡を見たら顔が真っ赤になっている自分がいた。
「!!」
(これは無理だ!! 頬のキスで真っ赤になってるんじゃ、唇のキスはどうなるんだ? 前の時は吐き気と嫌悪感が凄くて気持ち悪かった。ならリコリスも?)
ふとリコリスとのロマンチックなキスシーンを想像する。
「!!!!!」
(無理だー!! ドキドキして悶え転げる!! キスなんて恥ずかしくて出来ない!!)
その時扉をノックする音がし、母親が訪ねてきた。
「カイン。少し確認したいことがあるの。今、いいかしら?」
「えっ? あっ、はい。どうぞ」
慌ててベッドから飛び起きて母親を招き入れるが、何故かその顔は神妙だ。
「カイン。隠さず答えて欲しいのだけれど、あなたリコリスさんに襲われたの? リコリスさんは手の甲にキスをしたと言ってたけど……」
「手の甲……」
その瞬間、先程のシーンを思い出し、柔らかいリコリスの唇の感触が全身を巡った。
「わぁぁぁー!!! あっ、あれはその、リコリスがこ、婚約者でこ、恋人の約束で、あわわっ!!」
「……襲われてないの?」
「お、襲!! そんな破廉恥なことするわけないだろ!!」
「…………」
動揺するカインを母親は可哀想な生き物を見るような同情的視線を向けていたが、先程の事を思い出してパニックになっていたカインは気付かない。
「……ここまで初心に育ったとは……リコリスさんには悪いことをしたわねぇ……あなたそんなことで子供作れるの?」
「子供?」
「リコリスさんとの子供よ。私の孫」
「リコリスとの子供……こ、子供?!!!」
何かを想像したのだろう。見たことないくらいカインは顔が真っ赤になり、ベッドの中にダイブしてしまった。
「…………はぁ」
そんなカインに呆れてため息をついたと思ったら、母親は何も言わず部屋を出て行く。
しかしそれにも気が付かずカインは顔を隠したまま1人、リコリスとの新婚生活を想像していた。
(結婚したらリコリスが『旦那様、お帰りなさい』って出迎えてくれるんだよな。しかも毎日いってらっしゃいのキスやお帰りなさいのキスをしてくれる。……わぁぁぁー!!! 嬉しいけど恥ずかしい!!!)
ソファーでそのまま悶えるカインは思春期の可愛らしい男の子そのものだ。ただ第三者が見れば、いい大人が何をしているだと言われても仕方ない格好でもある。
(結婚したら毎日リコリスを抱きしめて、顔を紅くして目を潤ませる可愛いリコリスにキスをするんだ。そして俺の胸にしなだれかかるに違いない! ふぁぁー……ヤバい。可愛すぎる!!!)
恋するカインの妄想(暴走)は止まらない。ただしその妄想範囲は10歳の可愛いおままごと程度ではあるが……。
「……どうしよう。結婚したら毎日ほっぺにキスするのかな?……わー!! 恥ずかしい!!」
その後そっと様子を見に伺っていたメイドは、あまりにも純粋培養し過ぎたその発言や行動に公爵家の存亡を危惧したくらいだ。
そして報告を受けた公爵婦人はリコリスに襲ったのかと警告した手前「家の息子を襲って下さい」とは言えない。
今から公爵家の為に性教育をちゃんとした方がいいのは分かっている。だが魅了事件以来、リコリスと家族以外の女性はトラウマになっているらしく上手くいかない。
「長男がいるとはいえ、このままでは不味いわ……」
頭を抱えているとそこにその長男が現れた。
「母上! 今、帰還しました!!」
「あぁ。お帰りなさい。ケント」
「? どうかしましたか? お加減が悪そうですが……」
「カインのことでちょっとね……」
「!! また魅了事件の後遺症がありましたか?!」
「違う……いえ、ある意味そうね」
公爵婦人はリコリスとカインの先程まであったやり取りを話した。
「早とちりがあったとしても、それはリコリスに失礼でしたね」
「えぇ。婚約者同士の可愛い戯れに姑が目くじらを立てて牽制したみたいで、私も居たたまれないのよ」
「手の甲にキスなど騎士の真似事のようで可愛らしい。きっと2人で何やら約束事でもしたのでしょうね」
微笑ましい弟と婚約者のやり取りを想像して心穏やかに和んでいると隣からため息が聞こえた。
「でもそれで発狂するほどパニックになって逃げ出すなんて先が思いやられるわ……」
「それも恥ずかしい気持ちからでしょう? 嫌悪感からではないのですから気長に待てばいいんですよ」
「気長って、結婚適齢期の男が婚約者にキスされたぐらいで逃げ出すなんて女の方にしてみたら気持ちも冷めるわよ」
「リコリスなら大丈夫ですよ。幼馴染みでもありますから、カインの心情なんて分かりきってます」
そんな話をされてるとは思わずカインもリコリスも頬にキスしたことを考えていた。
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