冷たく燃えよ〜悪魔に導かれし少年の物語〜

恐霊仙妖

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プロローグ・初めて飛び出した世界

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「ハァハァ、、、ッハァハァ、、」

暗い森の中をほんの6歳ほどの子供が駆けていく。足元はほとんど見えない、何度も躓きながら駆けていく。せめて月明かりがもう少しあればと思うところだが、彼にとってはこの闇夜が味方した。

「追え!まだ遠くへは逃げていないはずだ!」

怒声が聞こえる、一瞬ビクリとした少年が、さらにその足を早める。

ただ黙々と、闇夜を駆ける。






ある日、セイライト法国国王たる、ライト教会教皇「アルフィリア・ノイド・ルーナセイライト」は孫娘とお茶の時間を楽しんでいた。

ポカポカと暖かい日差しの庭、一見すると穏やかなこの庭園だが、少し外側を見れば穏やかさのカケラも無い、重装備の騎士、魔道士たちが数十人単位で外壁を固め、さらに内側には、景観を崩さぬようにと、白く優雅な鎧を身に纏った、法国最強の騎士団にして教皇直属の部隊、「ホーリーセーフ」が固める。

しかし、そんな事は4歳の少女には関係なく、彼女の目に映るのは彼女の祖父の手の平で繰り広げられる精霊たちのダンスであった。

しかし

「教皇猊下、お楽しみの所誠に失礼致します」

ホーリーセーフに両側を守られた黒装束の男が教皇の前に跪く。

「どうした」

孫との遊びを邪魔されはしたが、訪れた暗部は自身が最も信頼するホーリーセーフに連れられてやってきた、つまり、それなりの案件なのだろう、長年賢王として君臨している彼に公私混同などありえない、孫以外では。

「ハッ、昨夜未明、クルヴェルト帝国軍が、北部の海を渡り、ニルヴィア王国に攻め込んだ模様、ニルヴィアに駐在している国家魔道士と連絡を試みましたが繋がらず、首都は既に陥落した模様です。」

淡々と述べたものの、男の声には震えが混じっていた事を教皇は見逃さなかった。

「な、、、なに?」

そして、自分の声にも震えが混じっている事も、当然気づいていた。

しかしそんな事は4歳の少女には関係ないことだ、彼女は今か今かと先程中断された祖父の妖精劇を待ちわび、自らの祖父の手の平を見つめていた。
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