私の身も心も全て捧げます!

恐霊仙妖

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1章 始まり

馬車を襲った者達

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「ひぃぃぃぃぃぃい」

貴族風の男は腰を抜かし、馬車の腰をかける部分から滑り落ちかける。

「旦那、ここで待ってな、ちょっと俺たちが外を」

冒険者風の男がそう言い終わらない内に、馬車の扉が開いた、そこにいたのは。


真っ黒なローブ、そのフード。
顔には仮面をしている、白地に黒い模様の入った仮面だ。


その姿を目にした途端、冒険者風の男が腰の剣に手を伸ばす、事はなかった。

その前に首が落ちた。


3人とも。

一瞬で。



ボトン

鈍い音が3回響く。

一瞬の静寂ののち、貴族風の男は気が狂ったように発狂した後、気絶してしまった。


気絶し、馬車の床に倒れた貴族風の男の首がズレる。


視線を床から画面の男に向ける、と。

こちらを見ていた。


仮面の向こうの黒い瞳で、私を眼力で貫くほどに見ていた。


「ベル、終わったか?」


馬車の外から声がした。


「ああ、ところでコイツはどうすれば良いんだ?」


仮面の男が喋ったのだろう、口も喉も全く見えないのだが、音の出どころからしてそうだろう。


すると、馬車の外から声が続いた。


「わからん、とりあえず連れてくぞ」


「承知」


その言葉とともに、私の視界が暗くなる。

が、意識がある。


相変わらず視界は奪われているが、意識が残ってる。


手を引かれる、仮面の男だろうか、それとも馬車の外にいた男だろうか。


などと考えていると、急な浮遊感とともに、グッと体が持ち上がった。


何やら馬車のようなものにそせられたらしい。



それからは長かった。

時折顔から布を取り、飲み物やパンを渡してくれるのだが、暗い馬車に黒装束で仮面の男が5人いるだけなのだ。


食べ終わるとまた布をかぶせられ、寝かされる。


そんな日が体感で3日続いた頃。


外の騒がしさに目が覚めた。



とても騒がしい、人が多いとかではない。


これは、生活の音、そう、きっとここは町なのだ、それも大規模な。




段々と静かな場所へと向かっているのか、辺りが静かになる。



ああ、なるほど、娼館へ行くのだ。



しかし、降りろと言われ、布を取られた私の目に映ったのは、娼館などとは比べる事すら烏滸がましい、高級感のある屋敷だった。


本当に貴族の愛妾にされるのだ。


もう死んでしまいたかった。



いっそ死のうと思った。

しかし、屋敷に入った所で待っていたのは、豚のような貴族でも、恐ろしそうな貴族でも、残忍そうな顔の貴族でもなんでもなかった。


たくさんのメイドが、私を迎えた。


その後の事はよく覚えてない。


メイド達にお風呂に入れさせられ、綺麗に洗われた。


その後、とても大きな天蓋付きのベッドに、おそらくボニピールという魔物の毛でできたワンピースの用な着物を着せられ、寝かされる。



ああ、訳がわからない、

でも、




このベッド






良い香りがするなぁ。




私はそこで意識を手放す。



その頃、一階では騒ぎが起きている事も知らず。


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