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先輩と後輩・2
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「わははははは」
「どうした後輩、今日はいつもよりネジが多めにとんでるけど」
「実はですね~、投稿した小説がお気に入り登録されたんですよ」
「昨日のアレを人目に晒す度胸があったのかお前」
「アレって何ですかアレって」
「文法メチャクチャ、改行しない、言葉使いがなってない、アレを小説と呼ぶにはちょっとなぁ」
「ひ、酷い」
「後輩、正当な評価を受けて落ち込むのは三流のする事だ、悔しかったら俺に面白いって言わせるような物を書くんだな」
「う~ん、でも先輩、最近の小説ってこんなものじゃないんですか? 私、一応他の人の作品を読みながら書き方を真似したんですけど」
「嘘、だろ? お前の読んだやつをちょっと見せてくれ」
「えっ!? …………いいですけど、でもやめた方がいいと思いますよ?」
「いいから」
「そこまでいうなら……いいですけど」
「なに渋ってんだよ、自分の小説を知り合いに読まれるよりはマシだろ?」
「その、私はどちらかというと先輩の心配をしてるんですけどねぇ」
「は? 意味わかんねえ」
「後悔しても知りませんからね」
「本当に意味、わかん……ねぇ……」
「あーあ、だから言ったのに」
「後輩……これ、どこから仕入れて来たんだ?」
「えっと『異世界転生した俺が強すぎてハーレムを作っちゃった』の事ですか?」
「やめろォォォォォォォォォォォォ、テメェ! その名を口にするじゃねぇ!」
「いきなり追いかけてくるの止めて下さいよ! 漆黒の堕天使さん」
「やめ、止めて下さいお願いします」
「うわぁ、綺麗な土下座、人ってこんなに簡単に心が折れるもんなんですね」
「クソォ、絶対に部長がバラしたんだ絶対にそうだ」
「先輩、ちょっと恥ずかしいのは分かりますけど落ち着いて下さいよ、私は面白いと思いましたよ?」
「俺の痴態が?」
「それも少し」
「しにてぇ」
「でも小説も面白いと思いました、ほんとです!」
「あんな小説とも呼べないような妄想が!?」
「そうです! そんな妄想がですよ! 小説は自由なんだって私は先輩の小説に教わりましたから」
「小説は自由?」
「はい、すごい読み難かったり変な所でお色気シーンが入ってたり意味わからない理由で女の子がせんぱ……主人公を好きになったりしてたけど好きなように書いて楽しみながら書いてるんだなって思いました」
「読み難いし気持悪いお色気シーンがマイナスと」
「いや、うん、少ししか気持ち悪いと思ってないですよ」
「…………大丈夫、俺はまだ生きてる」
「と、とにかく! だから……あれ? そういえば先輩に私が書いた小説否定されたような?」
「僕が間違ってました、すいません調子に乗ってました、ちょっとまともな文が書けるようになって頭にのってました、ごめんなさい」
「うわぁ、卑屈ですねぇ、そこまで遜られると逆に馬鹿にされてる気がしますよ」
「……いや、本当に悪いと思ってるよ、お前も始めて書いたんだもんな」
「先輩!」
「手本もあれだったし」
「本当ですね!」
「うおぃ! オブラートに包めよ!」
「正当な評価を受けて落ち込むのは三流のする事だ、ですよね?」
「う、その通りです」
「じゃあ先輩の作品を掘り返して読んでいきますね」
「えっ、何そのくだり、やっぱりお前の前後意味わかんない」
「今の先輩がどうゆう風に成長して行くか気になったんです」
「せめて総数の半分くらいから始めてくれないか?」
「ダメです、ムリです、あり得ません」
「何故!?」
「先輩のファン2号だからですよ」
「……何で2号? 1号がいるのか?」
「えっと、言っても良いのか分からないので黙秘権を行使します」
「言っても良いか分からない?」
「そんなことより先輩! ファンですよ! ファン!」
「ファンって言われてもなぁ俺はまだプロじゃないし」
「じゃあプロになってからのファン1号ですね」
花が咲く様な笑顔で、後輩はそう言った。
後輩が部活に力を入れ始めてくれて良かったけど、ファン1号は一体?
「どうした後輩、今日はいつもよりネジが多めにとんでるけど」
「実はですね~、投稿した小説がお気に入り登録されたんですよ」
「昨日のアレを人目に晒す度胸があったのかお前」
「アレって何ですかアレって」
「文法メチャクチャ、改行しない、言葉使いがなってない、アレを小説と呼ぶにはちょっとなぁ」
「ひ、酷い」
「後輩、正当な評価を受けて落ち込むのは三流のする事だ、悔しかったら俺に面白いって言わせるような物を書くんだな」
「う~ん、でも先輩、最近の小説ってこんなものじゃないんですか? 私、一応他の人の作品を読みながら書き方を真似したんですけど」
「嘘、だろ? お前の読んだやつをちょっと見せてくれ」
「えっ!? …………いいですけど、でもやめた方がいいと思いますよ?」
「いいから」
「そこまでいうなら……いいですけど」
「なに渋ってんだよ、自分の小説を知り合いに読まれるよりはマシだろ?」
「その、私はどちらかというと先輩の心配をしてるんですけどねぇ」
「は? 意味わかんねえ」
「後悔しても知りませんからね」
「本当に意味、わかん……ねぇ……」
「あーあ、だから言ったのに」
「後輩……これ、どこから仕入れて来たんだ?」
「えっと『異世界転生した俺が強すぎてハーレムを作っちゃった』の事ですか?」
「やめろォォォォォォォォォォォォ、テメェ! その名を口にするじゃねぇ!」
「いきなり追いかけてくるの止めて下さいよ! 漆黒の堕天使さん」
「やめ、止めて下さいお願いします」
「うわぁ、綺麗な土下座、人ってこんなに簡単に心が折れるもんなんですね」
「クソォ、絶対に部長がバラしたんだ絶対にそうだ」
「先輩、ちょっと恥ずかしいのは分かりますけど落ち着いて下さいよ、私は面白いと思いましたよ?」
「俺の痴態が?」
「それも少し」
「しにてぇ」
「でも小説も面白いと思いました、ほんとです!」
「あんな小説とも呼べないような妄想が!?」
「そうです! そんな妄想がですよ! 小説は自由なんだって私は先輩の小説に教わりましたから」
「小説は自由?」
「はい、すごい読み難かったり変な所でお色気シーンが入ってたり意味わからない理由で女の子がせんぱ……主人公を好きになったりしてたけど好きなように書いて楽しみながら書いてるんだなって思いました」
「読み難いし気持悪いお色気シーンがマイナスと」
「いや、うん、少ししか気持ち悪いと思ってないですよ」
「…………大丈夫、俺はまだ生きてる」
「と、とにかく! だから……あれ? そういえば先輩に私が書いた小説否定されたような?」
「僕が間違ってました、すいません調子に乗ってました、ちょっとまともな文が書けるようになって頭にのってました、ごめんなさい」
「うわぁ、卑屈ですねぇ、そこまで遜られると逆に馬鹿にされてる気がしますよ」
「……いや、本当に悪いと思ってるよ、お前も始めて書いたんだもんな」
「先輩!」
「手本もあれだったし」
「本当ですね!」
「うおぃ! オブラートに包めよ!」
「正当な評価を受けて落ち込むのは三流のする事だ、ですよね?」
「う、その通りです」
「じゃあ先輩の作品を掘り返して読んでいきますね」
「えっ、何そのくだり、やっぱりお前の前後意味わかんない」
「今の先輩がどうゆう風に成長して行くか気になったんです」
「せめて総数の半分くらいから始めてくれないか?」
「ダメです、ムリです、あり得ません」
「何故!?」
「先輩のファン2号だからですよ」
「……何で2号? 1号がいるのか?」
「えっと、言っても良いのか分からないので黙秘権を行使します」
「言っても良いか分からない?」
「そんなことより先輩! ファンですよ! ファン!」
「ファンって言われてもなぁ俺はまだプロじゃないし」
「じゃあプロになってからのファン1号ですね」
花が咲く様な笑顔で、後輩はそう言った。
後輩が部活に力を入れ始めてくれて良かったけど、ファン1号は一体?
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