9 / 48
第一章・最弱の魔法使い
第九話
しおりを挟む
「ちょーうけるー」
妙に耳に残る高い笑い声が薄暗い工房の中に響く。
八畳ほどの広さの工房にはとても甘い匂いが充満していた。
そんな工房の主は部屋の奥で脚を組んでいる。
幼さを残す顔立ちに反するような豊満な肢体は見るものを魅了して目を離させないだろう、褐色の肌が目立つ色のネグリジェはとても薄く、下着が見える程だった。
「て、いうかさぁ、アルフってあーしの事嫌いなんじゃないの?」
「いや、そんなことはないっすよ、ちょっと苦手なだけっす」
そうアルフレッドが心情を吐露すると、工房の主は妖艶に笑う。
「あーし、アンタのそういう素直な所は嫌いじゃないよ」
「好感を持ってもらって嬉しい限りっすね」
アルフレッドは鼻に付く甘ったるい香りを嗅がないように口で息をしていた。
蔓延している甘い匂いの正体は恋華というある種の媚薬のような効能のある花を元に作られたお香だ。
常人が濃度の高い恋華の香りを嗅げば十秒と持たずに理性を飛ばしてしまうだろうが、魔術的な要素を含む恋華の効能を、アルフレッドはEX職業のクラススキル、抵抗を使いその効果を無効にしている。
それなのに鼻ではなく口で呼吸をするのは単にこの匂いが好きではないからだ。
「でー? 本当にあーしに魔法を教えて欲しいの?」
妖艶な笑みを浮かべる褐色の少女の一挙手一投足はまるで男を誘っているような扇情的な何かを感じさせる。
恋華の効能を受けていたらきっとアルフレッドも本能のままに少女に襲いかかっていたことだろう。
そんな目のやり場に困る少女から少し視線を逸らしながらアルフレッドは言う。
「そうっすね、ただ教えて欲しいのは俺じゃないんすよね」
アルフレッドの言葉に褐色の少女、ベルベット・プライマーは妖艶な笑みを消した。
「どういうこと?」
「ベルベットが弱いものを嫌っているのは知ってるんすけど、偏見を持たずに俺の話を聞いて欲しいっす」
アルフレッドがそう言うと途端にベルベットの機嫌が悪くなった。
不機嫌そうな顔をしたベルベットが指を鳴らすと薄暗い工房が明るくなり、ベルベットの服装もネグリジェから学園の制服に変わっていた。
多少の驚きはあれどそれをアルフレッドが表情に表す事は無い、目の前の天才がなにをしようとそれは驚くような事ではないのだ。
「あーし、利用されるの好きじゃないの、帰ってくれる?」
「ちょっと待って欲しいっす、別にただお願いしてるわけじゃないんす、ちゃんと報酬を用意してるっすよ、これは正当な依頼だと思って欲しいっす」
報酬と言う言葉に少しだけ反応した姿をアルフレッドは見逃さなかった。
「依頼完遂の暁には契約書付きではあるっすけど竜の血を一滴、進呈するっすよ?」
ベルベットの眉が少しだけ動く。
魔法使いにとっては何よりも価値のある物の一つとされる竜の血を得られるなら多少条件が悪くとも依頼を受けるだけの価値がある、少なくとも金で買えるような物ではないからだ。
不機嫌な姿勢を崩さないベルベットにアルフレッドは契約書の内容の説明をする。
「契約書の内容は、竜の血を服用しないこと、竜の血を悪用しないこと、依頼内容の完遂、依頼内容の厳守っす」
悪い話ではない、とベルベットは考えるが、一つ大きな疑問が浮上する。
「なんでそこまでするのかしら? 魔法を教えて欲しいのはアンタじゃないんでしょ? 今までいくらお願いしても一滴もくれなかったのに今さらなんで他人の為に竜の血を?」
ベルベットは幾度となくアルフレッドに交渉を持ちかけていた。
あの手この手を使い何とか竜の血を手に入れようと奮起したが、終ぞアルフレッドが折れる事は無かった、だから疑問なのだ。
頑なだったアルフレッドが自ら竜の血を差し出すような真似をする動機が不明瞭すぎる、と。
「理由っすか、応援するって決めたからっすかね? そもそも頑張っている人を応援したくなるのは俺の性分なんすけど」
それだけで竜の血を対価に据えるのはやり過ぎと思うベルベット。
明らかに今までのお人好しというレベルを遥かに超えている、そこで至る結論は、言う事を聞かざる得ない状況になっている、という可能性だ。
ベルベットは無愛想に尋ねる。
「なんか、弱みでも握られたの?」
すると、アルフレッドは笑いしながら答える。
「まさか、俺は握られて困るような弱みはないっすよ、なんせ最弱っすからね」
はははは、と笑うアルフレッドの言葉にベルベットは顔をしかめた。
「あーしがアンタの最弱の意味を知らないとでも思ってんの?」
「最弱に意味なんかないっすよ、最も弱い、それだけっす。それよりベルベット、どうするっすか? 個人的には受けて欲しいのと断って欲しいのが半々くらいなんすけど?」
アルフレッドが答えを急かすのはベルベットの選択肢を依頼を受けるという方向に誘導したいからだった。
前のめりで交渉をすれば交渉相手に付け入る隙を与える事になる、というアルフレッドなりの交渉術だ。
少しの間、ベルベットは考え込むように沈黙する。
「先に依頼内容の確認が先、それがあーしの許容できる事ならこの話を受けてあげるわ」
「そうこなくっちゃベルベットじゃないっすよね」
「ふん、アンタにあーしの何が分かるって言うのよ」
不貞腐れたようにベルベットがそう言うとアルフレッドは笑顔で指を折り始めた。
「負けず嫌い、我儘、自己中、性格破綻者、有能、天才、差別主義者、イジワル、友人、意外と優しい、喧嘩っぱやい、あとは、」
「もういいわ、聞いたあーしが馬鹿だったわ」
「そうっすか? まだいっぱい出せるっすよ?」
アルフレッドの飄々とした態度にベルベットは悩ましげに頭を軽く振った。
「アンタって性格悪いわよねぇ」
「それは否定はしないっす」
アルフレッドは契約内容の書かれた紙と契約書をベルベットに渡した。
妙に耳に残る高い笑い声が薄暗い工房の中に響く。
八畳ほどの広さの工房にはとても甘い匂いが充満していた。
そんな工房の主は部屋の奥で脚を組んでいる。
幼さを残す顔立ちに反するような豊満な肢体は見るものを魅了して目を離させないだろう、褐色の肌が目立つ色のネグリジェはとても薄く、下着が見える程だった。
「て、いうかさぁ、アルフってあーしの事嫌いなんじゃないの?」
「いや、そんなことはないっすよ、ちょっと苦手なだけっす」
そうアルフレッドが心情を吐露すると、工房の主は妖艶に笑う。
「あーし、アンタのそういう素直な所は嫌いじゃないよ」
「好感を持ってもらって嬉しい限りっすね」
アルフレッドは鼻に付く甘ったるい香りを嗅がないように口で息をしていた。
蔓延している甘い匂いの正体は恋華というある種の媚薬のような効能のある花を元に作られたお香だ。
常人が濃度の高い恋華の香りを嗅げば十秒と持たずに理性を飛ばしてしまうだろうが、魔術的な要素を含む恋華の効能を、アルフレッドはEX職業のクラススキル、抵抗を使いその効果を無効にしている。
それなのに鼻ではなく口で呼吸をするのは単にこの匂いが好きではないからだ。
「でー? 本当にあーしに魔法を教えて欲しいの?」
妖艶な笑みを浮かべる褐色の少女の一挙手一投足はまるで男を誘っているような扇情的な何かを感じさせる。
恋華の効能を受けていたらきっとアルフレッドも本能のままに少女に襲いかかっていたことだろう。
そんな目のやり場に困る少女から少し視線を逸らしながらアルフレッドは言う。
「そうっすね、ただ教えて欲しいのは俺じゃないんすよね」
アルフレッドの言葉に褐色の少女、ベルベット・プライマーは妖艶な笑みを消した。
「どういうこと?」
「ベルベットが弱いものを嫌っているのは知ってるんすけど、偏見を持たずに俺の話を聞いて欲しいっす」
アルフレッドがそう言うと途端にベルベットの機嫌が悪くなった。
不機嫌そうな顔をしたベルベットが指を鳴らすと薄暗い工房が明るくなり、ベルベットの服装もネグリジェから学園の制服に変わっていた。
多少の驚きはあれどそれをアルフレッドが表情に表す事は無い、目の前の天才がなにをしようとそれは驚くような事ではないのだ。
「あーし、利用されるの好きじゃないの、帰ってくれる?」
「ちょっと待って欲しいっす、別にただお願いしてるわけじゃないんす、ちゃんと報酬を用意してるっすよ、これは正当な依頼だと思って欲しいっす」
報酬と言う言葉に少しだけ反応した姿をアルフレッドは見逃さなかった。
「依頼完遂の暁には契約書付きではあるっすけど竜の血を一滴、進呈するっすよ?」
ベルベットの眉が少しだけ動く。
魔法使いにとっては何よりも価値のある物の一つとされる竜の血を得られるなら多少条件が悪くとも依頼を受けるだけの価値がある、少なくとも金で買えるような物ではないからだ。
不機嫌な姿勢を崩さないベルベットにアルフレッドは契約書の内容の説明をする。
「契約書の内容は、竜の血を服用しないこと、竜の血を悪用しないこと、依頼内容の完遂、依頼内容の厳守っす」
悪い話ではない、とベルベットは考えるが、一つ大きな疑問が浮上する。
「なんでそこまでするのかしら? 魔法を教えて欲しいのはアンタじゃないんでしょ? 今までいくらお願いしても一滴もくれなかったのに今さらなんで他人の為に竜の血を?」
ベルベットは幾度となくアルフレッドに交渉を持ちかけていた。
あの手この手を使い何とか竜の血を手に入れようと奮起したが、終ぞアルフレッドが折れる事は無かった、だから疑問なのだ。
頑なだったアルフレッドが自ら竜の血を差し出すような真似をする動機が不明瞭すぎる、と。
「理由っすか、応援するって決めたからっすかね? そもそも頑張っている人を応援したくなるのは俺の性分なんすけど」
それだけで竜の血を対価に据えるのはやり過ぎと思うベルベット。
明らかに今までのお人好しというレベルを遥かに超えている、そこで至る結論は、言う事を聞かざる得ない状況になっている、という可能性だ。
ベルベットは無愛想に尋ねる。
「なんか、弱みでも握られたの?」
すると、アルフレッドは笑いしながら答える。
「まさか、俺は握られて困るような弱みはないっすよ、なんせ最弱っすからね」
はははは、と笑うアルフレッドの言葉にベルベットは顔をしかめた。
「あーしがアンタの最弱の意味を知らないとでも思ってんの?」
「最弱に意味なんかないっすよ、最も弱い、それだけっす。それよりベルベット、どうするっすか? 個人的には受けて欲しいのと断って欲しいのが半々くらいなんすけど?」
アルフレッドが答えを急かすのはベルベットの選択肢を依頼を受けるという方向に誘導したいからだった。
前のめりで交渉をすれば交渉相手に付け入る隙を与える事になる、というアルフレッドなりの交渉術だ。
少しの間、ベルベットは考え込むように沈黙する。
「先に依頼内容の確認が先、それがあーしの許容できる事ならこの話を受けてあげるわ」
「そうこなくっちゃベルベットじゃないっすよね」
「ふん、アンタにあーしの何が分かるって言うのよ」
不貞腐れたようにベルベットがそう言うとアルフレッドは笑顔で指を折り始めた。
「負けず嫌い、我儘、自己中、性格破綻者、有能、天才、差別主義者、イジワル、友人、意外と優しい、喧嘩っぱやい、あとは、」
「もういいわ、聞いたあーしが馬鹿だったわ」
「そうっすか? まだいっぱい出せるっすよ?」
アルフレッドの飄々とした態度にベルベットは悩ましげに頭を軽く振った。
「アンタって性格悪いわよねぇ」
「それは否定はしないっす」
アルフレッドは契約内容の書かれた紙と契約書をベルベットに渡した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる