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第ニ章・お兄様をさがせ!
第三十五話
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「もう!」
と、頬を染めてリリィは怒る。
「ちゃんと謝ってるじゃない、許して欲しいわ」
「ワタシを心配してくれるのは嬉しいけどちゃんと分別は付けてね、人前でお腹を晒すとかそんな趣味ないんだから!」
ーー別に見られて減る物でもないのに。
と、ベルベットは不満気な表情を浮かべると、リリィは珍しくガミガミとベルベットを叱りつけ始めた。
そんな二人を横目に変態と竜騎士は言葉を交わす。
「いやぁ眼福眼福、ベルベットちゃんは流石だね、そう思うだろ? アルフレッドくん」
「ここで俺に振るんすか? 勘弁してほしいっす」
苦笑いを浮かべアルフレッドは答える。
「それよりクロエっち、体は大丈夫なんすか? さっきから普通に吐血してるっすけど」
平然と会話をしているが、実はクロエは口から血を吐きながら喋っていた、自己診断だと内臓に骨が刺さっているかもしれない、という程度だったのであまり気にしていないが、側からみれば血を吐きながら元気に喋っているというシュールな姿だ。
変態はヘラヘラとしながら、問題ないよ、と答える。
「僕はこの程度じゃ死ねないから、不死の残り火といったところかな?」
「クロエっちは不老不死だったんすか? 初耳なんすけど」
「いやいや、不老不死だったのはもう四百年も前の事さ、今は只の不老者だよ、殺されれば死ぬし死のうと思えばいつでも死ねるのさ」
ヘェ、とアルフレッドは興味無さげに返す。
「それよりアルフレッドくん、どうするつもりなんだい?」
曖昧な問いかけではあったが、クロエの問いの意味をアルフレッドは理解していた。
「どうしたら、いいんすかね? 正直分からないっす」
弱気な言葉とは裏腹にアルフレッドの表情は笑顔だった、自分の弱さを隠すような取り繕った笑み。
そんな悩める少年に向かいクロエは一つアドバイスをする。
「迷っているなら仲間に打ち明けてみると良いんじゃないかな?」
「えっ?」
「君は出会った頃からそうだった、抱え込み、黙殺する、消化も解決もしないままに不満や不安を溜め込む、それは悪い事じゃない、でもね? それは君がもっと大人になった時にするものだよ」
アルフレッドは俯き、ただ下を向いている。
「君はまだ生まれて間もない、何かに遠慮したり躊躇ったりするくらいなら君が大事だと思っている仲間に打ち明けてみたらどうだい? きっとみんな君の為に考えたり悩んだりしてくれるはずだよ」
アルフレッドは力なく答える。
「俺、怖いんすよ」
「怖い?」
「シーカーもベルベットもリリィも、本当の俺を知ったら離れて行くんじゃないかって、前の俺を知ったら、こんな俺なんかよりあの子のいう剣聖だった俺を選ぶんじゃないかって」
笑みが消し、アルフレッドは悲しげな顔をする。
クロエは薄く笑い、アルフレッドに伝える。
「なら直接聞いてみればいいんじゃないかな?」
ほら、とクロエは前を指し示す。
アルフレッドが顔を上げると、そこには口喧嘩を止めたベルベットとリリィの姿があった。
唖然と口を開き、アルフレッドは声を絞り出す。
「……聞いてたんすか?」
「うん」
「予想はしてたけど……アンタ、記憶がないの?」
押し黙り、アルフレッドは目を逸らす。
「おかしいと思ってたのよね、アンタが竜騎士になった経緯を誰にも話さないところとか、強いクセに誰かに拒絶される事を怖がっているところとかね」
核心を突かれたのか、アルフレッドはキツく口を結んだ。
「あーし、アンタの事を子供みたいなヤツって思ってたのよ、でも間違ってた、アンタは子供なのね、アルフレッド」
竜騎士は精一杯力なく笑った。
「ははは、は」
と、頬を染めてリリィは怒る。
「ちゃんと謝ってるじゃない、許して欲しいわ」
「ワタシを心配してくれるのは嬉しいけどちゃんと分別は付けてね、人前でお腹を晒すとかそんな趣味ないんだから!」
ーー別に見られて減る物でもないのに。
と、ベルベットは不満気な表情を浮かべると、リリィは珍しくガミガミとベルベットを叱りつけ始めた。
そんな二人を横目に変態と竜騎士は言葉を交わす。
「いやぁ眼福眼福、ベルベットちゃんは流石だね、そう思うだろ? アルフレッドくん」
「ここで俺に振るんすか? 勘弁してほしいっす」
苦笑いを浮かべアルフレッドは答える。
「それよりクロエっち、体は大丈夫なんすか? さっきから普通に吐血してるっすけど」
平然と会話をしているが、実はクロエは口から血を吐きながら喋っていた、自己診断だと内臓に骨が刺さっているかもしれない、という程度だったのであまり気にしていないが、側からみれば血を吐きながら元気に喋っているというシュールな姿だ。
変態はヘラヘラとしながら、問題ないよ、と答える。
「僕はこの程度じゃ死ねないから、不死の残り火といったところかな?」
「クロエっちは不老不死だったんすか? 初耳なんすけど」
「いやいや、不老不死だったのはもう四百年も前の事さ、今は只の不老者だよ、殺されれば死ぬし死のうと思えばいつでも死ねるのさ」
ヘェ、とアルフレッドは興味無さげに返す。
「それよりアルフレッドくん、どうするつもりなんだい?」
曖昧な問いかけではあったが、クロエの問いの意味をアルフレッドは理解していた。
「どうしたら、いいんすかね? 正直分からないっす」
弱気な言葉とは裏腹にアルフレッドの表情は笑顔だった、自分の弱さを隠すような取り繕った笑み。
そんな悩める少年に向かいクロエは一つアドバイスをする。
「迷っているなら仲間に打ち明けてみると良いんじゃないかな?」
「えっ?」
「君は出会った頃からそうだった、抱え込み、黙殺する、消化も解決もしないままに不満や不安を溜め込む、それは悪い事じゃない、でもね? それは君がもっと大人になった時にするものだよ」
アルフレッドは俯き、ただ下を向いている。
「君はまだ生まれて間もない、何かに遠慮したり躊躇ったりするくらいなら君が大事だと思っている仲間に打ち明けてみたらどうだい? きっとみんな君の為に考えたり悩んだりしてくれるはずだよ」
アルフレッドは力なく答える。
「俺、怖いんすよ」
「怖い?」
「シーカーもベルベットもリリィも、本当の俺を知ったら離れて行くんじゃないかって、前の俺を知ったら、こんな俺なんかよりあの子のいう剣聖だった俺を選ぶんじゃないかって」
笑みが消し、アルフレッドは悲しげな顔をする。
クロエは薄く笑い、アルフレッドに伝える。
「なら直接聞いてみればいいんじゃないかな?」
ほら、とクロエは前を指し示す。
アルフレッドが顔を上げると、そこには口喧嘩を止めたベルベットとリリィの姿があった。
唖然と口を開き、アルフレッドは声を絞り出す。
「……聞いてたんすか?」
「うん」
「予想はしてたけど……アンタ、記憶がないの?」
押し黙り、アルフレッドは目を逸らす。
「おかしいと思ってたのよね、アンタが竜騎士になった経緯を誰にも話さないところとか、強いクセに誰かに拒絶される事を怖がっているところとかね」
核心を突かれたのか、アルフレッドはキツく口を結んだ。
「あーし、アンタの事を子供みたいなヤツって思ってたのよ、でも間違ってた、アンタは子供なのね、アルフレッド」
竜騎士は精一杯力なく笑った。
「ははは、は」
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