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第1章
浮かぶ淫紋(5)※
しおりを挟む「まぁ、よい。いかにも、これの名はヒナセ」
「っ」
後ろから伸びる王の手に顎を掴まれたヒナセは、下げることを許されない視線が真正面からアランとぶつかり、羞恥で顔が赤くなるのを感じる。
そんなヒナセなどお構い無しに、目の前のアランに見せつけるように、王の右手は変わらずヒナセの中をぐちゅぐちゅ音を立て犯していく。
「淫らに鳴くかわいい我の雛鳥だ」
「あぁっ」
良いところをぐりっと押された途端、跳ねる腰に内腿が激しく痙攣する。
お願い…お願い見ないで―――
―――うそ、見て、もっと見て
大きく見開かれたアランの綺麗に透き通った瞳越しに自分のみだらな姿が写り込み、しっかり見られているのだと実感すると、より気持ちは昂り吐く息が荒くなってしまう。
さっきから、ビクビク跳ねる腰が止まらない。
あぁ、僕を、見ている―――
「素直に感じることができていい子だな、ヒナセ。いいだろう、許す。さらに足を開いて騎士殿にも可愛がってもらいなさい」
「は…ぃ」
陛下に褒めて貰えた…嬉しい、嬉しい……
もっと―――
「ぁ…」
好きなだけヒナセの中を暴れ尽くした指が突如抜けていきその喪失感に切なくひくつく下半身には一旦気付かないふりをして、アランの右手をそっととる。
王の体温を背中で感じながら、正面からぶつかるアランの視線を見つめ返しヒナセの方へ導くよう引っ張ると、抵抗なしに引き寄せられてくる。そんなアランの腰へゆっくり足を絡ませ、二人の距離が更に近付くと、舌を見せながら「あ」と口をあけた。そして、両手で握ったアランの人差し指と中指の2本をまとめて口内へ含ませていく。
見開いた目をさらに大きく開くアランの目から一切視線をそらさず見つめたまま、ねっとりゆっくり舌を絡ませる動きはまるで口淫そのもの。
「ん、ぅ…は…」
ぴちゃぴちゃ響く音に合わせ王が後ろから頭を撫でてくれる。それが嬉しくて、嘔吐きそうになりながらも夢中になって指にしゃぶりついた。
驚きにかたまり、されるがままだったアランの指も次第に自我を持ってヒナセの口内を蠢き出す。
初めはそっと舌に触れるだけの遠慮気味な動きが、大胆なものに変わるのにそう時間はかからなかった。
「ん、っぅあ…」
舌や歯列、上顎を撫でられる度にゾクッと全身を駆け巡る快感。
息があがり、疼く腹。
―――もっと、違うところを埋めて欲しい
一度抱いてしまった欲はぐるぐるとお腹の中で暴れ狂い爆発寸前。早く……そう焦る気持ちとは裏腹に表情は完全にとろけきり、再び「あ」と口をあけ口内から指を抜き取る。
「は、ぁ―――」
「っ」
たっぷり唾液が絡んだ指につーっと繋がる銀色の糸。それも、ぷつん、と途切れた時には、柔らかなもので唇が塞がれていた。
「ん、ぅ……ぁ」
隙間なくピッタリ重なる唇と唇。
決して激しいわけではなく、やさしく包み込まれながらも時折吸われる舌の感触にビリリっと走る快感。
キスだけで、気持ちいい―――
既にとろけていた顔が更にとろんとしていくのが自分でもわかる。
もっと……もっと、欲しい―――
その一心で腰に絡ませた足で引き寄せると、とっくの昔にとろとろにほぐれていたヒナセの穴にゴリッと感じる硬い感触。
「ぁ……」
気付いた時にはズボン越しのそれを無我夢中で穴に擦り付けていた。
「ぁっ、あっん、ん、きもち…ぁ」
「――っく、」
腕の中で他人を使って乱れるヒナセ、歯を食いしばり必死に耐える表情のアラン、両者を冷静に眺めていた王は更に甘い毒を落としていく。
「ヒナセ、そんなお遊びで満足か?中に欲しいのだろう?騎士殿の、熱くて硬いのが」
「ほし……硬いの、ヒナセの中に、」
うわ言のように、欲しい、欲しい…と繰り返す間も腰を擦り付け、アランの中心を育てていく。
アランも限界寸前だった。
「だ、そうだ。騎士殿」
「くっ、しかし――」
「ヒナセの腹に浮かぶ淫紋はその腹に精を受けるまで消えない。毒を含み中和する代わりに、苦しい快楽に苛まれ続けるこの雛鳥を助けてやってくれ」
赤く浮かぶ腹の印を王の手がたったひと撫でするだけで今のヒナセは簡単にビクッと背中を反らせ「あっあっ、」と喘ぎながら痙攣する。そんなヒナセの様子は確かに正常ではなかった。
快楽は過ぎればただの拷問だ。
「この子の体のことは―――」
「後で教えてやる。今はこれをラクにしてやってくれ」
ヒナセを救いたい、そんな心からの思いの裏で、ヒナセの中に入りたい……そう騎士にあるまじき欲望を抱いたアランは一度大きく息を吸うと―――
ヒナセの足をさらに大きく開かせた。
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