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本編
閑話-4 アイは覚醒を手にした。
しおりを挟む「真宵は戦闘があったとか言ってたけど、なかったわね……覚醒先によって違うのかしら」
"Continued in Legend"サービス開始2日目、真宵は私との合流前にレベリングしたいと言っていたので、私は連続接続制限に抵触しないよう気をつけながらソロで行動している。
今は午後1時を回ったところだ。朝の7時からログインしていた私の今のステータスはこんな感じになっている。
◼︎パーソナル
名前:アイ
性別:女
位階:14
資質:戦士/魔術士/神使
覚醒:緋神の巫女
称号:緋神の祝福
◼︎ステータス
体力:5704
魔力:3367
筋力:2199
耐久:617
器用:1415
敏捷:1037
知力:85
精神:113
◼︎スキル
①挑発
┗威圧
②索敵
③槍術
┣攻撃力強化
┣与ダメージ増加(生物)
┗与ダメージ増加(クリティカル)
④緋の神威
⑤聖術
┗ヒール
今朝ログインしてすぐに私は覚醒を獲得した。
予想通り"緋翠鏡"が覚醒に必要なキーアイテムだったらしく噴水の像にお供えしたら覚醒を獲得することができた。その後、真宵から聞いていた通り専用フィールドに転送されクエストを強制的に受注させられたが無事にクリアすることができた。とは言っても洞窟の奥にいた男性と簡単な問答をしただけだ。真宵の言うような戦闘はなかった。
「それにしても強すぎよね、これ」
【緋神の巫女】
緋神の意思を代行する者
筋力+11 器用+7 敏捷+5 耐久+3
【緋神の祝福】
緋神の祝福を受けた者
貫通付与(クリティカル攻撃)
名称:緋の神威
分類:補助 神聖
対象:自身
射程:なし
効果:与物理ダメージ増加+100%
被物理ダメージ減少+20%
緋の衣
再使用:0秒
称号やスキルも含めて全体的に物理に偏重してるのが気がかりではあるけれど、それでも他のプレイヤーと比較すれば魔術関連のステータスだって今のところ十分に強い部類に入る。
緋の神威に含まれている"緋の衣"は一時的に被ダメージを減少ささるシールドを貼る効果らしい。発動条件は任意の量の魔力を消費するか、生物にダメージを与えた時の2種類あるので使い勝手は悪くない強力な効果なのだけど……
「今からタンクを目指すべきかしら……」
MMOで強い装備やスキルを手に入れたことで自分のプレイスタイルを変えるというのは珍しくない話だ。サービス開始から間もない今なら後で修正も効くだろう。
「真宵と合流してから決めればいいわよね」
そうなると次に気になるのはスキルの下にツリーだ。初めて見つけた時は驚いたものだけど、おそらくは自分の行動次第で解禁されていく仕組みなんだと思う。
今後はリストから強そうなスキルを適当に覚えるのではなく、ツリーを伸ばせるかまで考えて覚えないと後悔することになるかもしれない。
「でも誰かを威圧した記憶はないのよね……うーん」
挑発から伸びたツリーにある威圧は、挑発を位階が下の相手に使用した時に確率で"恐怖"と"錯乱"の状態異常を与えるそうだ。前者は移動方法と攻撃手段の制限、後者は照準機能の制限と知力・精神それぞれのステータスの半減というどちらも強力すぎる状態異常ね。
「あと槍術のツリーは……だいたい心当たりあるわね」
本来の槍術スキルは"槍"に分類される武器を使用した攻撃の与ダメージが増えるというだけのスキルだ。習得してから手持ちの槍の取り回しが良くなった気もするので、もしかしたらアシスト機能も付いているのかもしれない。しかし、槍術スキルの効果はオンオフが可能であることから、オフの状態で条件を満たさなければツリーは出てこないんじゃないかなと予想している。
「聖術は思ったより使い勝手が悪いし……」
聖術は習得した時点で体力を回復させる"ヒール"しか使えない。回復量は器用・知力・精神の内、数値の高いステータス2つの合計になる。私の場合は器用のステータス値がそれなりに高いので回復量も高めだ。状態異常耐性に関わってくる精神のステータス値が低いのでヒールの回復量を上げるためにもカバーする手段が欲しいところね。
「っと、そろそろログアウトしておかないと」
まだログインして4時間しか経ってないけど、昼食も摂らないと健康に良くない。連続接続制限に引っ掛かるのは嫌だし、今のうちにログアウトしておこう。
◆
ログアウトするとスマートフォンのメッセージアプリに花奏から連絡が来ていた。どうやら無事に覚醒を獲得出来たようだ。
【花奏:覚醒の情報ありがとう】
【花奏:灰神の巫女になった】
【花奏:すっごく、強い】
灰神の巫女、ということは真宵と似たようなスキルを手に入れたんだろうか。ちょっと嫉妬してしまったけど、私の狙い通りなら"流星群"のメンバーには覚醒にキーアイテムが必要だと伝わったはすだ。
【藍香:覚醒おめでとう!】
【藍香:私も覚醒したよ】
【藍香:専用クエストで戦闘はあった?】
私の覚醒に関する情報はしばらく出さないでもいいだろう。花奏に伝わるということは花奏以外の"流星群"のメンバーにも伝わる可能性があるということだ。
そして私が花奏以外の"流星群"のメンバーを信用していない以上、これ以上の情報は出すべきじゃない。
「今夜は徹夜でレベリングするとして……だとするとエナドリが欲しいわね。外めっちゃ蒸し暑そうだけど我慢しまして買いに行くしかないかしら……」
そうしカフェインを含んだ炭酸飲料──いわゆるエナジードリンク──をコンビニで大人買いした私は再び"Continued in Legend"にログインした。
───────────────
お読みいただきありがとうございます。
藍香の覚醒獲得後のクエストは閑話を3話までに収めたかった私の都合でカットしました。クエストの内容は最奥にいる存在と簡単な問答をするだけです。マヨイは運営側からの介入でイベント強制スキップしちゃってます。
また藍香が"流星群"を信用していない理由については本編第31話から推測していただけたらなと思います。
本編との矛盾点を修正しました(2020/11/25)
スキル表記の[再使用:なし]を[再使用:0秒]に変更しました。
(2020/11/27)
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自筆です。
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