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魔法少女
決着
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「いや、私は舞花たちは抵抗を止めたのだろう? なら私も抵抗は止めよう」
そう言って、ウサギの小さな口が目一杯開かれた。顎の骨は外れ、口の端が切れても口が広がり続ける。
すると、ヌルリと何かが飛び出した。内臓にも見えるが、それは吐きだされてから空中に浮いた。
「キモい」
咲は吐き捨てるように呟く。
空中にいるそれは、内臓が集合した風船の様だった。触手なのか、3本の紐状の何かがぶら下がっている。
「この宿主も結局殺してしまったか」
目という器官は見当たらないが、見えているらしい。
「ここを狙え。急所だ」
職種の1つが風船の真ん中を指す。
咲は銃口を合わせる。
「ガキに変なもの背負わせんなよ」
「君も背負っているじゃないか。私たちの様なモノを殺すのが使命なのだろう?」
「あはは! わ、笑わすなよ! 背負う? 使命? そんな上等なものはねーよ」
可笑しそうに笑う咲は、左手で目元を拭う。
「他の奴は知らねーけど、少なくとも私は背負ってるんじゃない。後生大事に抱えてんだ。化け物を最後の一匹になるまで殺しつくす。それまで忘れないように目の前に抱えてんのさ」
右の人刺し指に力を込める。
「チャッピー」
未菜の声が届く。
チャッピーはウサギの名前であって、本体の名前では無い。だが彼女にとって既にチャッピー以外の名前は無かった。
「未菜、済まなかった。皆にもそう言ってくれ」
「私たちの方こそゴメンね。力になれなくて」
心優しい少女の言葉。騙していたことを糾弾されても可笑しくは無い。報復されても仕方がない。なのに彼女は謝った。今回の事が無ければ、戦力として別の星へ連れていかれたかもしれないのに。
「これで正解なのかもしれない」
それが本心だった。自分の都合を捨てた彼の言葉。
咲の人差し指が、完全に引き金を引ききる。
破裂音とともに薬莢が地面に落ちる。コンクリートに薬莢がぶつかり、甲高い音を奏でると、目の前の生物もグチャリと落ちた。
そう言って、ウサギの小さな口が目一杯開かれた。顎の骨は外れ、口の端が切れても口が広がり続ける。
すると、ヌルリと何かが飛び出した。内臓にも見えるが、それは吐きだされてから空中に浮いた。
「キモい」
咲は吐き捨てるように呟く。
空中にいるそれは、内臓が集合した風船の様だった。触手なのか、3本の紐状の何かがぶら下がっている。
「この宿主も結局殺してしまったか」
目という器官は見当たらないが、見えているらしい。
「ここを狙え。急所だ」
職種の1つが風船の真ん中を指す。
咲は銃口を合わせる。
「ガキに変なもの背負わせんなよ」
「君も背負っているじゃないか。私たちの様なモノを殺すのが使命なのだろう?」
「あはは! わ、笑わすなよ! 背負う? 使命? そんな上等なものはねーよ」
可笑しそうに笑う咲は、左手で目元を拭う。
「他の奴は知らねーけど、少なくとも私は背負ってるんじゃない。後生大事に抱えてんだ。化け物を最後の一匹になるまで殺しつくす。それまで忘れないように目の前に抱えてんのさ」
右の人刺し指に力を込める。
「チャッピー」
未菜の声が届く。
チャッピーはウサギの名前であって、本体の名前では無い。だが彼女にとって既にチャッピー以外の名前は無かった。
「未菜、済まなかった。皆にもそう言ってくれ」
「私たちの方こそゴメンね。力になれなくて」
心優しい少女の言葉。騙していたことを糾弾されても可笑しくは無い。報復されても仕方がない。なのに彼女は謝った。今回の事が無ければ、戦力として別の星へ連れていかれたかもしれないのに。
「これで正解なのかもしれない」
それが本心だった。自分の都合を捨てた彼の言葉。
咲の人差し指が、完全に引き金を引ききる。
破裂音とともに薬莢が地面に落ちる。コンクリートに薬莢がぶつかり、甲高い音を奏でると、目の前の生物もグチャリと落ちた。
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