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第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』
その5 男四人集まれば
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』
その5 男四人集まれば
teller:ゼロット
「秋風サンが、こずえに嫉妬?」
学校で言う所の『昼休み』、という時間の屋上。
俺様ゼロットは、輪になって昼飯を食うサポート役三馬鹿野郎トリオの傍で、こずえが俺用に作った弁当を貪っていた。
エロガキ・一希の言葉に、クソガキ・拓海が深刻そうに顔を伏せる。
「嫉妬っつーか……モヤモヤするって言われただけで……」
「それ立派な嫉妬やん。拓海は愛されとるなー」
「な……っ、ち、ちげーし!」
茶化すように笑った一希に怒って、衝動のままに拓海が立ち上がる。
それから一人腕を組んで、拓海が一希と昴をえらっそーに見下ろしたかと思えば、このクソガキは大きく溜息を吐き出した。
「……千雪はオレのことなんて友達としてしか見てないっすよ。あいつは友達をとられたくないだけの、ただの子どもだ」
確か千雪の方が拓海より四つは年上だったと俺様は記憶していたが。
そんな千雪をお子様呼ばわりするこのクソガキは、自分じゃどれだけ大人でいるつもりなんだか。
まったく、若いっつーのは眩しいこって。
ふと一希を見ると、にやにやと意味深な笑みを浮かべている。
やらしー顔しやがって、このエロガキ。
「でも、あれやろ? 拓海が好きな子って秋風サンなんやろ?」
「……っ、な、なななな……なんすか急に……!」
「……そうなのか」
「芹沢さんまで!?」
二人に攻撃されて、拓海の顔が湯気でも出そうなくらいに真っ赤になる。
あーあー、こっぱずかしいこっぱずかしい。
俺様が呆れていたら、拓海はびしっと昴を指差して叫んだ。
「せ、芹沢さんだって河本さんのこと好きなんでしょ!? 抱き締めてたし!」
「……っ、それは……」
今度は昴が真っ赤になる番だった。
ったく、どいつもこいつも真っ赤っかかよ。
一希の野郎は相変わらずにやついてやがるし。
「へー、ええこと聞いた」
「……鈴原まで……!」
「一希って呼んでやー。ワイらもう運命共同体みたいなもんやろ?」
一希の言葉に、昴が数秒迷ったように視線をうろつかせる。
しかし、いつまでも逡巡していてはますますからかわれるだけだと理解したのか、やがて昴は観念したように言った。
「……一希」
「ん。オッケーやで、昴」
一希が嬉しそうに笑う。
そんな一希に、少し間を置いてから昴が問いかけた。
「……一希は、小枝と付き合ってるのか」
てっきり今度は一希が赤くなる番かと思いきや、拓海もこの場にいるからか、一希は余裕そうに首を横に振った。
「いや、ワイのただの片想いや。弟くんっていう鉄壁ガードがおるせいで」
「うるせーっす」
棘のある口調で一希を責めてから、それまで立ちっぱなしだった拓海がようやくその場に腰を下ろす。
そのタイミングで、丁度一希が空を仰いだ。
「ま、あれやな。ワイら全員好きな子がハーツ・ラバーなんやから、全身全霊で力になったろ。少しでも、あの子らの心が楽になれるよう」
「そんなこと……言われなくてもわかってますけど」
拓海が苦しげに息を吐き出す。
表情も、ひどく苦しそうで。
「オレは、千雪に守られたくなんてなかった。助けてやりたかった。千雪はモヤモヤするって言ってたけど……オレだってモヤモヤしてる」
「そんなんワイも同じや。こずえを未だに戦わせんの嫌やし――そもそもお前が原因やろ、アホコウモリ!」
「うにゃあ!?」
傍らでただ飯を食っていた俺様を、一希がいきなり片手で鷲掴みにしてくる。
危うく米が喉の奥に詰まりそうになった。
何しやがんでえこのエロガキ。
「何すんでえ!」
「当然の報いや、当然の報い。これで済むだけありがたく思えや。浮いた話の一つもないアホコウモリ」
「はあ!? 俺様にだって浮いた話くらいあるっつーの!」
「へーへー、どうだか」
エロガキの野郎、全然信じてねえな俺様のこと。
……いるんだよ、一応。
こんな俺を愛していると言う女が、たった一人。
ふと、オーディオに反旗を翻した日の記憶が蘇る。
それでもあいつは――アガペラバーは、俺を愛してると言った。
アガペは、今も俺への愛を貫いているのだろうか。
ここじゃないどこかで、俺を想い続けているのだろうか。
あいつの表情を、声を思い出そうとする度――何故か、胸が確かにずきりとひどく苦しくなった。
アガペラバー。
あいつの無償の愛が、愛の言葉が。
いつまでもいつまでも、今だって。
俺の心に纏わりついて、離れてくれやしないんだ。
第八話『千雪のジェラシー? こずえと千雪の距離のハナシ!』
その5 男四人集まれば
teller:ゼロット
「秋風サンが、こずえに嫉妬?」
学校で言う所の『昼休み』、という時間の屋上。
俺様ゼロットは、輪になって昼飯を食うサポート役三馬鹿野郎トリオの傍で、こずえが俺用に作った弁当を貪っていた。
エロガキ・一希の言葉に、クソガキ・拓海が深刻そうに顔を伏せる。
「嫉妬っつーか……モヤモヤするって言われただけで……」
「それ立派な嫉妬やん。拓海は愛されとるなー」
「な……っ、ち、ちげーし!」
茶化すように笑った一希に怒って、衝動のままに拓海が立ち上がる。
それから一人腕を組んで、拓海が一希と昴をえらっそーに見下ろしたかと思えば、このクソガキは大きく溜息を吐き出した。
「……千雪はオレのことなんて友達としてしか見てないっすよ。あいつは友達をとられたくないだけの、ただの子どもだ」
確か千雪の方が拓海より四つは年上だったと俺様は記憶していたが。
そんな千雪をお子様呼ばわりするこのクソガキは、自分じゃどれだけ大人でいるつもりなんだか。
まったく、若いっつーのは眩しいこって。
ふと一希を見ると、にやにやと意味深な笑みを浮かべている。
やらしー顔しやがって、このエロガキ。
「でも、あれやろ? 拓海が好きな子って秋風サンなんやろ?」
「……っ、な、なななな……なんすか急に……!」
「……そうなのか」
「芹沢さんまで!?」
二人に攻撃されて、拓海の顔が湯気でも出そうなくらいに真っ赤になる。
あーあー、こっぱずかしいこっぱずかしい。
俺様が呆れていたら、拓海はびしっと昴を指差して叫んだ。
「せ、芹沢さんだって河本さんのこと好きなんでしょ!? 抱き締めてたし!」
「……っ、それは……」
今度は昴が真っ赤になる番だった。
ったく、どいつもこいつも真っ赤っかかよ。
一希の野郎は相変わらずにやついてやがるし。
「へー、ええこと聞いた」
「……鈴原まで……!」
「一希って呼んでやー。ワイらもう運命共同体みたいなもんやろ?」
一希の言葉に、昴が数秒迷ったように視線をうろつかせる。
しかし、いつまでも逡巡していてはますますからかわれるだけだと理解したのか、やがて昴は観念したように言った。
「……一希」
「ん。オッケーやで、昴」
一希が嬉しそうに笑う。
そんな一希に、少し間を置いてから昴が問いかけた。
「……一希は、小枝と付き合ってるのか」
てっきり今度は一希が赤くなる番かと思いきや、拓海もこの場にいるからか、一希は余裕そうに首を横に振った。
「いや、ワイのただの片想いや。弟くんっていう鉄壁ガードがおるせいで」
「うるせーっす」
棘のある口調で一希を責めてから、それまで立ちっぱなしだった拓海がようやくその場に腰を下ろす。
そのタイミングで、丁度一希が空を仰いだ。
「ま、あれやな。ワイら全員好きな子がハーツ・ラバーなんやから、全身全霊で力になったろ。少しでも、あの子らの心が楽になれるよう」
「そんなこと……言われなくてもわかってますけど」
拓海が苦しげに息を吐き出す。
表情も、ひどく苦しそうで。
「オレは、千雪に守られたくなんてなかった。助けてやりたかった。千雪はモヤモヤするって言ってたけど……オレだってモヤモヤしてる」
「そんなんワイも同じや。こずえを未だに戦わせんの嫌やし――そもそもお前が原因やろ、アホコウモリ!」
「うにゃあ!?」
傍らでただ飯を食っていた俺様を、一希がいきなり片手で鷲掴みにしてくる。
危うく米が喉の奥に詰まりそうになった。
何しやがんでえこのエロガキ。
「何すんでえ!」
「当然の報いや、当然の報い。これで済むだけありがたく思えや。浮いた話の一つもないアホコウモリ」
「はあ!? 俺様にだって浮いた話くらいあるっつーの!」
「へーへー、どうだか」
エロガキの野郎、全然信じてねえな俺様のこと。
……いるんだよ、一応。
こんな俺を愛していると言う女が、たった一人。
ふと、オーディオに反旗を翻した日の記憶が蘇る。
それでもあいつは――アガペラバーは、俺を愛してると言った。
アガペは、今も俺への愛を貫いているのだろうか。
ここじゃないどこかで、俺を想い続けているのだろうか。
あいつの表情を、声を思い出そうとする度――何故か、胸が確かにずきりとひどく苦しくなった。
アガペラバー。
あいつの無償の愛が、愛の言葉が。
いつまでもいつまでも、今だって。
俺の心に纏わりついて、離れてくれやしないんだ。
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