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第十話『乙女心がわからない!? 詩織と千雪のすれ違い!』
その3 お子様
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第十話『乙女心がわからない!? 詩織と千雪のすれ違い!』
その3 お子様
teller:秋風 千雪
明くる日。
たまたま秘密基地に私と拓海くんが二人きりだった時、私は何となく胸にもやもやと抱えていた気持ちを拓海くんにぶつけた。
「私、詩織ちゃん怒らせちゃった」
「は? 河本さん?」
拓海くんが携帯電話を弄っていた手を止め、私の方を見る。
拓海くんって私と話す時、結構私の顔を見て話してくれるからちょっと嬉しかったりする。
「詩織ちゃんって芹沢くんのこと良く見てる気がして、友達になりたいのかなって思って聞いてみたんだ。友達を作ることの難しさならわかってるつもりだし……力になれたらって思ったんだけど、ほっといてくれって突っぱねられちゃって」
拓海くんが考え込む。
腕を組んで、思考を巡らせているようで。
私のなんてことのない疑問とか心配事とかにも、真剣に向き合ってくれるから、拓海くんっていいやつだな。
だけどやがて、拓海くんの顔に何故か僅かに赤みが差して。
拓海くんは難しい表情を浮かべながら、私の目を見て言った。
「良く見てるってさ……それ、もしかして河本さん、芹沢さんのこと好きなんじゃねーの?」
「好き? なんだ、やっぱり友達になりたいじゃん」
「……そうじゃなくて」
拓海くんが唸り始める。
必死に言葉を探しているようで、そんなに間違ったことを言ってしまったかと私まで険しめに思案してしまう。
でもその必要はなかった。
ふと、拓海くんが私に顔を近付けて、内緒話でもするかのような小さな声で。
「恋だよ、恋。そういう意味で、河本さんは芹沢さんを好きなんじゃねーかってこと」
恋。
私とは無縁のワードに、一瞬固まってしまう。
じわじわと、腹の底から何か恥ずかしさに似た感情が沸き上がってきて。
「うえ!?」
「ば、ばかっ! 急に大声出すんじゃねーよ!」
「だ、だって私、恋とかしたことないし……なんかぐるぐるしてきて……」
そっか。
そういうことか。
詩織ちゃんは、所謂乙女だったんだ。
うわー、触れられたくない領域だったのかな。
ごめんね詩織ちゃん。
恋愛という未知の感情に、頭の中がぐるぐるぐるぐると混乱している。
顔が赤くなっている気がする。
完全にいっぱいいっぱいだ。
告白されたことなら不本意ながら何度もあるけど、興味なかったし。
女友達もいなかったから、恋バナなんてものもしたことなかったし。
「……だとしたら、私、ますます詩織ちゃんに何もしてやれないなあ」
ぽつり、と洩らした声は自分でも呆れちゃうくらい寂しげで。
自嘲するように笑いながら、私は言った。
「……ほら、私、こんなんだからさ。いつまで経っても、お子様だから」
拓海くんは、しばらくそんな私を複雑そうな顔で見ていて。
急に不機嫌そうに俯いたかと思うと、私の頭を無遠慮に撫で回してきた。
「……千雪には千雪のペースってもんがあんだろ。……そんな焦って大人になんなよ」
「そういうもんかな」
「オレは、そう思う。……だから、河本さんのこともゆっくりわかってけばいいんじゃねーの」
拓海くんが言うのなら、ほんとにそういう気がしてくるから不思議だ。
やっぱり、拓海くんの言葉は私にとって何よりも特別なんだ。
でも、拓海くんが俯いたまんま。
「……芹沢さんは両想いかよ。……いいなあ」
ぼそりと、悔しそうに何かを呟いた。
その悔しそうな言葉が小さくて、拾えなくて、拓海くんの悔しい感情に寄り添えない自分が、ちょっとやだった。
第十話『乙女心がわからない!? 詩織と千雪のすれ違い!』
その3 お子様
teller:秋風 千雪
明くる日。
たまたま秘密基地に私と拓海くんが二人きりだった時、私は何となく胸にもやもやと抱えていた気持ちを拓海くんにぶつけた。
「私、詩織ちゃん怒らせちゃった」
「は? 河本さん?」
拓海くんが携帯電話を弄っていた手を止め、私の方を見る。
拓海くんって私と話す時、結構私の顔を見て話してくれるからちょっと嬉しかったりする。
「詩織ちゃんって芹沢くんのこと良く見てる気がして、友達になりたいのかなって思って聞いてみたんだ。友達を作ることの難しさならわかってるつもりだし……力になれたらって思ったんだけど、ほっといてくれって突っぱねられちゃって」
拓海くんが考え込む。
腕を組んで、思考を巡らせているようで。
私のなんてことのない疑問とか心配事とかにも、真剣に向き合ってくれるから、拓海くんっていいやつだな。
だけどやがて、拓海くんの顔に何故か僅かに赤みが差して。
拓海くんは難しい表情を浮かべながら、私の目を見て言った。
「良く見てるってさ……それ、もしかして河本さん、芹沢さんのこと好きなんじゃねーの?」
「好き? なんだ、やっぱり友達になりたいじゃん」
「……そうじゃなくて」
拓海くんが唸り始める。
必死に言葉を探しているようで、そんなに間違ったことを言ってしまったかと私まで険しめに思案してしまう。
でもその必要はなかった。
ふと、拓海くんが私に顔を近付けて、内緒話でもするかのような小さな声で。
「恋だよ、恋。そういう意味で、河本さんは芹沢さんを好きなんじゃねーかってこと」
恋。
私とは無縁のワードに、一瞬固まってしまう。
じわじわと、腹の底から何か恥ずかしさに似た感情が沸き上がってきて。
「うえ!?」
「ば、ばかっ! 急に大声出すんじゃねーよ!」
「だ、だって私、恋とかしたことないし……なんかぐるぐるしてきて……」
そっか。
そういうことか。
詩織ちゃんは、所謂乙女だったんだ。
うわー、触れられたくない領域だったのかな。
ごめんね詩織ちゃん。
恋愛という未知の感情に、頭の中がぐるぐるぐるぐると混乱している。
顔が赤くなっている気がする。
完全にいっぱいいっぱいだ。
告白されたことなら不本意ながら何度もあるけど、興味なかったし。
女友達もいなかったから、恋バナなんてものもしたことなかったし。
「……だとしたら、私、ますます詩織ちゃんに何もしてやれないなあ」
ぽつり、と洩らした声は自分でも呆れちゃうくらい寂しげで。
自嘲するように笑いながら、私は言った。
「……ほら、私、こんなんだからさ。いつまで経っても、お子様だから」
拓海くんは、しばらくそんな私を複雑そうな顔で見ていて。
急に不機嫌そうに俯いたかと思うと、私の頭を無遠慮に撫で回してきた。
「……千雪には千雪のペースってもんがあんだろ。……そんな焦って大人になんなよ」
「そういうもんかな」
「オレは、そう思う。……だから、河本さんのこともゆっくりわかってけばいいんじゃねーの」
拓海くんが言うのなら、ほんとにそういう気がしてくるから不思議だ。
やっぱり、拓海くんの言葉は私にとって何よりも特別なんだ。
でも、拓海くんが俯いたまんま。
「……芹沢さんは両想いかよ。……いいなあ」
ぼそりと、悔しそうに何かを呟いた。
その悔しそうな言葉が小さくて、拾えなくて、拓海くんの悔しい感情に寄り添えない自分が、ちょっとやだった。
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