鬼人とタイムトラベラー

果露

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やり直し

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朝、起きてさっそく交差点に向かった。
二度と失敗なんて、しない。
全力で駆け抜けて 交差点に着いた。
2人はもうそこにいた。

「ねえ!向こうにそーちゃんいたからさ、遅いし、そっち行こう!」

そういうか早いか2人の腕を引っ張って交差点から離れた。
そのあとすぐ、奏から連絡がきた。
「お前今どこにいる?」
「犬猫公園の前」
「ありゃ。すれ違ったか。今行くわ」
これで、みんな無事だった。
そう思っていた。
「スリップ事故だ!中学生の男の子が巻き込まれた!誰か!救急車を呼べ!」
ハッとして駆け足で交差点に向かう。
奏じゃ……ないよね?
「ちょっと、優!」
佳代と一季が追いかけてきた。
腕時計が震えている。
限界にきているのだろうか。
それでも、私は、間違えてはいけない。
その子が奏でありませんように。

そんな願いとは裏腹に現実は残酷で。巻き込まれた男の子というのはやはり、奏だった。
「また間違えちゃった…」
「優?」
「もう一回やり直さないと」
「え?おまっ…」
一季の話を最後まで聞かずに時間を戻した。
腕時計にピシッとヒビが入ったのは気づかないふりをした。
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