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第四部:大団円 ~からくりと人情が結ぶ未来~
第五十二話:新たな活路
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閉ざされた扉。そして、背後からは容赦なく迫りくる追跡者の足音と怒声。大店の内部で、甚兵衛とお絹は辰五郎を担架からくりに乗せたまま、絶体絶命の危機に瀕していた。出口は閉鎖され、逃げ場がない。
「くそっ…!」
甚兵衛は、閉ざされた扉にかかった閂(かんぬき)を、残されたからくり道具で破ろうとするが、時間がない。背後からは、警備兵たちがすぐそこまで迫っている。
ドォン!という音と共に、廊下の向こうから「影」の者たちが現れた。彼らは、閉ざされた扉の前に立ち往生している三人の姿を見て、一斉に襲いかかってくる。
「捕らえろ! 生かしておくな!」
容赦ない怒声。甚兵衛は、担架からくりをお絹に任せ、警備兵たちと対峙した。残された数少ない戦闘用からくり(相手の動きを鈍らせる粘着弾、あるいは目くらまし)を使い、そして体術を駆使して、多勢に無勢の敵を食い止める。
「お絹! 辰五郎さんを頼む!」
お絹は、甚兵衛の言葉に頷き、担架からくりを壁際へ寄せ、辰五郎を守る。彼は弱っているが、意識ははっきりしているようだ。恐怖と心配が入り混じった顔で、戦いを見つめている。
甚兵衛の戦いは、防御と足止めに徹していた。敵を倒すのではなく、時間を稼ぐのだ。彼は、部屋や通路の構造を利用して、敵の動きを分断し、一体一体対処する。残されたからくり道具は、使いどころが肝心だ。
「何か…別の道は…!」お絹が叫んだ。彼女は、周囲を見回し、閉ざされた扉以外の、脱出可能な場所を探す。窓は? 天井へのアクセスは? 地下へ繋がる道は?
甚兵衛は、警備兵たちを押し返し、一瞬の隙を作る。その間に、探知からくりで周囲を素早くスキャンする。壁の構造、床下の空間、天井の裏…どこかに、この場所から脱出できる可能性がある場所はないか。
探知からくりが、天井の一角で微かな反応を示した。古びた木材の奥に、僅かな空間がある。屋根裏か…あるいは、そこから屋根へ出られるかもしれない。
「天井だ!」
甚兵衛が叫び、警備兵の一撃をかわしながら、天井へ向け、鉤(かぎ)からくりを射出した。鉤は天井の梁に引っかかった。
「お絹! これで上がれ!」
甚兵衛は、お絹に鉤からくりを操作するための装置を手渡した。お絹は、辰五郎を担架からくりに乗せたまま、装置を操作し、ゆっくりと天井へ向かって身体を上昇させる。担架からくりは重い。お絹の力だけでは難しいが、からくりの補助がある。
警備兵たちが、甚兵衛とお絹の意図に気づき、天井を見上げる。彼らは、お絹の上昇を止めようと攻撃を仕掛けてくる。
甚兵衛は、警備兵たちの攻撃を一身に受け止めながら、お絹と辰五郎を庇う。彼の身体に、敵の攻撃が当たる。痛みが走る。しかし、彼は決して倒れない。友と、その友を守る相棒を、ここから逃がすために。
お絹は、必死に装置を操作し、辰五郎と共に天井の空間へと身体を引き上げる。辰五郎も、弱々しくお絹に掴まっている。
ようやく、お絹と辰五郎の身体が、天井の穴へと消えた。
「甚兵衛!」
お絹が叫んだ。甚兵衛は、まだ地上で警備兵たちを食い止めている。彼は、彼らの後を追わなければならない。
しかし、警備兵たちは、甚兵衛を逃がすまいと、彼に殺到する。その数は多い。
甚兵衛は、天井へ向け、もう一本の鉤からくりを射出した。そして、残された最後の陽動からくり(強烈な光と音を発するもの)を、警備兵たちの間に投げつけた。
ドォン!という炸裂音と、強烈な光、そして不快な音が辺りに響き渡る。警備兵たちは、思わず目を瞑り、耳を塞ぐ。その一瞬の混乱を突き、甚兵衛は鉤からくりを使って天井へ向かって上昇した。
怒号と、混乱の中、甚兵衛は天井の穴へ滑り込んだ。そこは、暗く狭い空間だった。先に上がったお絹と辰五郎の姿はまだ見えない。
地下迷宮、そして大店の内部。閉ざされた出口に追い詰められながらも、甚兵衛は新たな活路を切り開いた。天井という、予想外の脱出ルートだ。しかし、ここが安全かどうかは分からない。そして、追跡者はすぐそこまで来ているだろう。
物語は、絶体絶命の状況からの脱出劇へと進む。大団円へ向け、彼らは新たな、そしてより危険な場所へ逃げ込む。
「くそっ…!」
甚兵衛は、閉ざされた扉にかかった閂(かんぬき)を、残されたからくり道具で破ろうとするが、時間がない。背後からは、警備兵たちがすぐそこまで迫っている。
ドォン!という音と共に、廊下の向こうから「影」の者たちが現れた。彼らは、閉ざされた扉の前に立ち往生している三人の姿を見て、一斉に襲いかかってくる。
「捕らえろ! 生かしておくな!」
容赦ない怒声。甚兵衛は、担架からくりをお絹に任せ、警備兵たちと対峙した。残された数少ない戦闘用からくり(相手の動きを鈍らせる粘着弾、あるいは目くらまし)を使い、そして体術を駆使して、多勢に無勢の敵を食い止める。
「お絹! 辰五郎さんを頼む!」
お絹は、甚兵衛の言葉に頷き、担架からくりを壁際へ寄せ、辰五郎を守る。彼は弱っているが、意識ははっきりしているようだ。恐怖と心配が入り混じった顔で、戦いを見つめている。
甚兵衛の戦いは、防御と足止めに徹していた。敵を倒すのではなく、時間を稼ぐのだ。彼は、部屋や通路の構造を利用して、敵の動きを分断し、一体一体対処する。残されたからくり道具は、使いどころが肝心だ。
「何か…別の道は…!」お絹が叫んだ。彼女は、周囲を見回し、閉ざされた扉以外の、脱出可能な場所を探す。窓は? 天井へのアクセスは? 地下へ繋がる道は?
甚兵衛は、警備兵たちを押し返し、一瞬の隙を作る。その間に、探知からくりで周囲を素早くスキャンする。壁の構造、床下の空間、天井の裏…どこかに、この場所から脱出できる可能性がある場所はないか。
探知からくりが、天井の一角で微かな反応を示した。古びた木材の奥に、僅かな空間がある。屋根裏か…あるいは、そこから屋根へ出られるかもしれない。
「天井だ!」
甚兵衛が叫び、警備兵の一撃をかわしながら、天井へ向け、鉤(かぎ)からくりを射出した。鉤は天井の梁に引っかかった。
「お絹! これで上がれ!」
甚兵衛は、お絹に鉤からくりを操作するための装置を手渡した。お絹は、辰五郎を担架からくりに乗せたまま、装置を操作し、ゆっくりと天井へ向かって身体を上昇させる。担架からくりは重い。お絹の力だけでは難しいが、からくりの補助がある。
警備兵たちが、甚兵衛とお絹の意図に気づき、天井を見上げる。彼らは、お絹の上昇を止めようと攻撃を仕掛けてくる。
甚兵衛は、警備兵たちの攻撃を一身に受け止めながら、お絹と辰五郎を庇う。彼の身体に、敵の攻撃が当たる。痛みが走る。しかし、彼は決して倒れない。友と、その友を守る相棒を、ここから逃がすために。
お絹は、必死に装置を操作し、辰五郎と共に天井の空間へと身体を引き上げる。辰五郎も、弱々しくお絹に掴まっている。
ようやく、お絹と辰五郎の身体が、天井の穴へと消えた。
「甚兵衛!」
お絹が叫んだ。甚兵衛は、まだ地上で警備兵たちを食い止めている。彼は、彼らの後を追わなければならない。
しかし、警備兵たちは、甚兵衛を逃がすまいと、彼に殺到する。その数は多い。
甚兵衛は、天井へ向け、もう一本の鉤からくりを射出した。そして、残された最後の陽動からくり(強烈な光と音を発するもの)を、警備兵たちの間に投げつけた。
ドォン!という炸裂音と、強烈な光、そして不快な音が辺りに響き渡る。警備兵たちは、思わず目を瞑り、耳を塞ぐ。その一瞬の混乱を突き、甚兵衛は鉤からくりを使って天井へ向かって上昇した。
怒号と、混乱の中、甚兵衛は天井の穴へ滑り込んだ。そこは、暗く狭い空間だった。先に上がったお絹と辰五郎の姿はまだ見えない。
地下迷宮、そして大店の内部。閉ざされた出口に追い詰められながらも、甚兵衛は新たな活路を切り開いた。天井という、予想外の脱出ルートだ。しかし、ここが安全かどうかは分からない。そして、追跡者はすぐそこまで来ているだろう。
物語は、絶体絶命の状況からの脱出劇へと進む。大団円へ向け、彼らは新たな、そしてより危険な場所へ逃げ込む。
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