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第一部:春告鳥の日常と最初の試練
第四話:母娘の奮闘と最初の嘘
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父が倒れ、店の灯火が揺らいで以来、春告鳥には重く冷たい空気が澱んでいた。
店の活気は失われ、母の顔には疲労の色が濃く、そして、おみえは、父が倒れたあの時以来、自分の無力さに打ちひしがれていた。
恩返しどころか、大切な店を守る手立ても見つからないまま、時間だけが無情に過ぎていくように感じられた。
しかし、いつまでもこのままではいられない。沈みゆく船をただ見ているわけにはいかないのだ。
ある朝、母のおたきが、いつものように優しい眼差しで、おみえに語りかけた。その声には、悲しみを乗り越え、前を向こうとするかすかな光が宿っていた。
「おみえ。お父さんは、きっとこの店が心配でたまらないだろう。私たちが、この店を守るんだよ。二人で力を合わせれば、きっと…」
母の瞳に映る決意に、おみえの心も奮い立った。そうだ。自分には、まだできることがあるはずだ。母と共に、この春告鳥を守るために、全てを懸けよう。おみえは力強く頷いた。
「うん、お母さん。私、頑張る。私にできることなら、何でもする。」
こうして、母娘二人きりの、春告鳥を守るための長い奮闘の日々が始まった。
店を開ける準備、接客、そして、最も重要な菓子作り。今まで父が一人で、いかに多くの仕事を完璧にこなしていたかを、今更ながら痛感した。
朝早くから夜遅くまで働き詰めの日々。慣れない店の切り盛りに追われる母の姿を見るたびに、おみえは胸が締め付けられた。せめて、自分が菓子作りを父の代わりにできれば、母の負担を少しでも減らせるのに。
おみえは、父の菓子作りの覚え書きを宝物のように抱え、工房に籠もった。
父が丹精込めて書き記した、菓子の心臓部とも言える餡子の作り方。そこに記された言葉一つ一つを、父の声が聞こえるかのように読み返す。
材料の分量、火加減、練り方、砂糖を入れるタイミング…。父の長年の経験と知恵、そして菓子への愛情が詰まった、まさに秘伝とも言うべき記録だった。
しかし、菓子作りの覚え書きに書いてある通りにしても、父の味には全く近づけない。特に餡子は難しかった。
父が「機嫌がある」と言った意味が、今になって骨身に染みる。
小豆を煮る時間、火の強さ、練る時の力加減。少しでも間違うと、味がぼやけたり、舌触りが悪くなったりする。
何度挑戦しても、出来上がる餡子は、父が作ったものとは似ても似つかない、どこか失敗の味しかしなかった。
失敗した餡子を見るたびに、おみえの心は折れそうになった。父は、こんなにも難しいものを、毎日当たり前のように作っていたのか。そして、自分は、父から何も受け継げていないのか。恩返しをしたい、役に立ちたいという強い思いがあるのに、自分の非力さを突きつけられる日々だった。
父が倒れたあの時以来、感じていた無力感が、再びおみえを襲う。
店の状況は、日ごとに厳しさを増していった。父の餡子を使った看板商品が作れないため、客足は回復せず、棚には品薄の菓子が寂しげに並ぶ。以前のような活気はなく、店には重い沈黙が漂っていた。
店の窮状を心配した常連客たちが、店を訪れたり、人づてに尋ねたりするようになった。皆、春告鳥の行く末を案じ、卯之助の回復を願ってくれた。
「旦那さんの具合はどうなんだい?無理はいけないが…いつになったら、またあの餡子が食べられるんだ?」
「春告鳥さんの菓子がないと、どうも寂しいねぇ。もう、あの味は食べられないのかい?」
彼らの言葉は、優しさからくるものだと分かっている。長年春告鳥の菓子を愛し、父を尊敬してくれた彼らの、偽りのない気持ちだ。だが、その言葉を聞くたびに、おみえの胸は締め付けられた。
彼らは、父の餡子を、父の味を求めているのだ。そして、自分には、その期待に応えることができない。恩返しどころか、父が長年かけて築き上げた店の信用まで失墜させてしまうのではないか。そんな恐怖が、おみえを追い詰めていった。
母の疲れた顔を見るのも辛かった。自分が、この状況を変えなければ。でも、どうすれば…。
ある日の午後、以前からの常連である着物屋の女将さんが、心配そうにおみえに話しかけてきた。
「おみえちゃん、大変ねぇ。旦那さんの具合、少しは良くなったかい?それにしても、春告鳥さんの味が恋しいわ。また、あの餡子を使ったお菓子が食べたいんだけど…いつ頃になりそうだい?」
女将さんの、期待を込めた、それでいてどこか寂しげな眼差しが、おみえに突き刺さる。正直に話せば、女将さんはがっかりするだろう。店の評判はさらに落ちるかもしれない。そうなれば、春告鳥は本当に終わりだ。父や母への恩返しも、店の灯火を守ることも、全て叶わなくなる。
「あ、あの…それが…」
言葉に詰まったおみえの頭の中で、恩返しへの強い願い、父の店を守りたいという一心、そして、ほんの少しだけ自分を良く見せたいという、いつもの小さな癖が混じり合った。追い詰められた状況が、その思いを言葉へと変えた。
口から、思わず飛び出していた。
「あ、あの…はい!父から、少しだけ…いえ、大切な秘伝を…そう、秘伝の作り方を、寝る前に少しずつ教えてもらっています!ですから、その…すぐにとはいかないかもしれませんが、きっと、また以前のような美味しい餡子を…!」
言ってしまった。嘘を。
言葉を発した瞬間、おみえは自分自身が一番驚いていた。なぜ、こんなことを言ってしまったのだろう。もう、後戻りはできない。女将さんは、おみえの言葉に、ぱっと顔を輝かせた。
「まあ!そうだったのかい!そりゃあ頼もしいねぇ!それなら安心だ。無理せず、でも楽しみに待ってるからね!」
女将さんは、安堵したような、期待に満ちた笑顔で店を後にした。
女将さんの後ろ姿を見送りながら、おみえは店の戸にもたれかかった。心臓がばくばくと鳴っている。嘘をついたことによる、一瞬の安堵感。これで、少しは時間を稼げたかもしれない。店の信用も、すぐに失墜することは避けられたかもしれない。
だが、それ以上に、罪悪感と、そして底知れぬ恐怖が、おみえの全身を駆け巡った。父から秘伝など、何も教わっていない。これから、どうするのだ。この嘘は、一体何を招くのだろう。
「父から少しだけ秘伝を教わっています!」
その言葉は、春告鳥という止まりかけた時計の針を、無理やり動かしたかのようだった。それは、店を守るための、恩返しをするための、おみえにとっての最初の一歩だった。
だが同時に、この嘘が、おみえ自身と春告鳥を、想像もつかない困難へと導く、本当の「始まり」となったのである。
沈みかけた船は、一見持ち直したかのように見えたが、その舵は、「嘘」という危険な方向へと切られてしまったのだ。
店の活気は失われ、母の顔には疲労の色が濃く、そして、おみえは、父が倒れたあの時以来、自分の無力さに打ちひしがれていた。
恩返しどころか、大切な店を守る手立ても見つからないまま、時間だけが無情に過ぎていくように感じられた。
しかし、いつまでもこのままではいられない。沈みゆく船をただ見ているわけにはいかないのだ。
ある朝、母のおたきが、いつものように優しい眼差しで、おみえに語りかけた。その声には、悲しみを乗り越え、前を向こうとするかすかな光が宿っていた。
「おみえ。お父さんは、きっとこの店が心配でたまらないだろう。私たちが、この店を守るんだよ。二人で力を合わせれば、きっと…」
母の瞳に映る決意に、おみえの心も奮い立った。そうだ。自分には、まだできることがあるはずだ。母と共に、この春告鳥を守るために、全てを懸けよう。おみえは力強く頷いた。
「うん、お母さん。私、頑張る。私にできることなら、何でもする。」
こうして、母娘二人きりの、春告鳥を守るための長い奮闘の日々が始まった。
店を開ける準備、接客、そして、最も重要な菓子作り。今まで父が一人で、いかに多くの仕事を完璧にこなしていたかを、今更ながら痛感した。
朝早くから夜遅くまで働き詰めの日々。慣れない店の切り盛りに追われる母の姿を見るたびに、おみえは胸が締め付けられた。せめて、自分が菓子作りを父の代わりにできれば、母の負担を少しでも減らせるのに。
おみえは、父の菓子作りの覚え書きを宝物のように抱え、工房に籠もった。
父が丹精込めて書き記した、菓子の心臓部とも言える餡子の作り方。そこに記された言葉一つ一つを、父の声が聞こえるかのように読み返す。
材料の分量、火加減、練り方、砂糖を入れるタイミング…。父の長年の経験と知恵、そして菓子への愛情が詰まった、まさに秘伝とも言うべき記録だった。
しかし、菓子作りの覚え書きに書いてある通りにしても、父の味には全く近づけない。特に餡子は難しかった。
父が「機嫌がある」と言った意味が、今になって骨身に染みる。
小豆を煮る時間、火の強さ、練る時の力加減。少しでも間違うと、味がぼやけたり、舌触りが悪くなったりする。
何度挑戦しても、出来上がる餡子は、父が作ったものとは似ても似つかない、どこか失敗の味しかしなかった。
失敗した餡子を見るたびに、おみえの心は折れそうになった。父は、こんなにも難しいものを、毎日当たり前のように作っていたのか。そして、自分は、父から何も受け継げていないのか。恩返しをしたい、役に立ちたいという強い思いがあるのに、自分の非力さを突きつけられる日々だった。
父が倒れたあの時以来、感じていた無力感が、再びおみえを襲う。
店の状況は、日ごとに厳しさを増していった。父の餡子を使った看板商品が作れないため、客足は回復せず、棚には品薄の菓子が寂しげに並ぶ。以前のような活気はなく、店には重い沈黙が漂っていた。
店の窮状を心配した常連客たちが、店を訪れたり、人づてに尋ねたりするようになった。皆、春告鳥の行く末を案じ、卯之助の回復を願ってくれた。
「旦那さんの具合はどうなんだい?無理はいけないが…いつになったら、またあの餡子が食べられるんだ?」
「春告鳥さんの菓子がないと、どうも寂しいねぇ。もう、あの味は食べられないのかい?」
彼らの言葉は、優しさからくるものだと分かっている。長年春告鳥の菓子を愛し、父を尊敬してくれた彼らの、偽りのない気持ちだ。だが、その言葉を聞くたびに、おみえの胸は締め付けられた。
彼らは、父の餡子を、父の味を求めているのだ。そして、自分には、その期待に応えることができない。恩返しどころか、父が長年かけて築き上げた店の信用まで失墜させてしまうのではないか。そんな恐怖が、おみえを追い詰めていった。
母の疲れた顔を見るのも辛かった。自分が、この状況を変えなければ。でも、どうすれば…。
ある日の午後、以前からの常連である着物屋の女将さんが、心配そうにおみえに話しかけてきた。
「おみえちゃん、大変ねぇ。旦那さんの具合、少しは良くなったかい?それにしても、春告鳥さんの味が恋しいわ。また、あの餡子を使ったお菓子が食べたいんだけど…いつ頃になりそうだい?」
女将さんの、期待を込めた、それでいてどこか寂しげな眼差しが、おみえに突き刺さる。正直に話せば、女将さんはがっかりするだろう。店の評判はさらに落ちるかもしれない。そうなれば、春告鳥は本当に終わりだ。父や母への恩返しも、店の灯火を守ることも、全て叶わなくなる。
「あ、あの…それが…」
言葉に詰まったおみえの頭の中で、恩返しへの強い願い、父の店を守りたいという一心、そして、ほんの少しだけ自分を良く見せたいという、いつもの小さな癖が混じり合った。追い詰められた状況が、その思いを言葉へと変えた。
口から、思わず飛び出していた。
「あ、あの…はい!父から、少しだけ…いえ、大切な秘伝を…そう、秘伝の作り方を、寝る前に少しずつ教えてもらっています!ですから、その…すぐにとはいかないかもしれませんが、きっと、また以前のような美味しい餡子を…!」
言ってしまった。嘘を。
言葉を発した瞬間、おみえは自分自身が一番驚いていた。なぜ、こんなことを言ってしまったのだろう。もう、後戻りはできない。女将さんは、おみえの言葉に、ぱっと顔を輝かせた。
「まあ!そうだったのかい!そりゃあ頼もしいねぇ!それなら安心だ。無理せず、でも楽しみに待ってるからね!」
女将さんは、安堵したような、期待に満ちた笑顔で店を後にした。
女将さんの後ろ姿を見送りながら、おみえは店の戸にもたれかかった。心臓がばくばくと鳴っている。嘘をついたことによる、一瞬の安堵感。これで、少しは時間を稼げたかもしれない。店の信用も、すぐに失墜することは避けられたかもしれない。
だが、それ以上に、罪悪感と、そして底知れぬ恐怖が、おみえの全身を駆け巡った。父から秘伝など、何も教わっていない。これから、どうするのだ。この嘘は、一体何を招くのだろう。
「父から少しだけ秘伝を教わっています!」
その言葉は、春告鳥という止まりかけた時計の針を、無理やり動かしたかのようだった。それは、店を守るための、恩返しをするための、おみえにとっての最初の一歩だった。
だが同時に、この嘘が、おみえ自身と春告鳥を、想像もつかない困難へと導く、本当の「始まり」となったのである。
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