115 / 150
第七章:歪められし神意、神罰の執行者
第百十五話:狙われる霊脈
しおりを挟む
豪雨が去った江戸の町は、泥と瓦礫の山と化していた。
神罰の執行者によって歪められた天象は、人々の心に深い恐怖と絶望を刻みつけた。しかし、その混乱の陰で、彼らはさらなる陰謀を進めていた。
玄庵診療所では、天候の異変に加えて、新たな種類の患者が運び込まれ始めていた。
彼らは、高熱や皮膚の異常ではなく、まるで何かに取り憑かれたかのように、激しく錯乱し、暴れ狂う者たちだった。
その多くは、夜の帳が下りた頃に町を徘徊していた者や、日頃から神社の境内に足を踏み入れることが多かった者たちだ。
「先生……この方、まるで獣のように唸り声を上げています……」
おみつは、縄で縛られた男の姿に、顔を青ざめさせた。男の瞳は血走り、口からは泡を吹き、その全身からは、これまで感じたことのない、忌まわしい「淀んだ霊力」が放出されていた。それは、かつて玄庵が対峙した蝕組の妖怪たちが放つ穢れとは、また異なる性質のものだった。
玄庵は、男の脈を測りながら、その体に微かな気を巡らせた。男の体内の霊脈は、まるで濁流のように荒れ狂い、本来の清らかな流れが完全に歪められている。
「これは……霊脈の汚染だ。執行者たちが、江戸の霊脈に手を加えている」
玄庵の言葉に、おみつは息を呑んだ。
霊脈とは、大地を流れる生命の気、すなわち神々の力が宿る場所。それが汚染されれば、大地だけでなく、そこに生きる全ての存在に影響が及ぶ。
「霊脈が汚染されると、どうなるのですか?」
おみつの問いに、玄庵は重い口を開いた。
「霊脈は、神々がこの世に力を及ぼすための道であり、同時に、妖怪たちが力を得る源でもある。霊脈が汚染されれば、まずそこに宿る神々の力が歪められ、次に、その力を糧とする妖怪たちが狂暴化する」
玄庵の言葉を裏付けるかのように、診療所の外から、不穏な叫び声が聞こえてきた。それは、狂暴化した妖怪たちの、悲痛な咆哮だった。
その時、古尾が慌ただしく診療所に飛び込んできた。彼の顔には、疲労の色が濃く、その瞳には、恐怖が滲んでいた。
「玄庵さん! おみつさん! 大変だ! 町中の妖怪たちが、次々と正気を失って暴れ始めてる! 穏やかだったはずの奴らが、まるで血に飢えた獣みてぇに、人間に襲いかかってるんだ!」
古尾の報告は、玄庵の予感を裏付けるものだった。狂暴化した妖怪たちは、因果の病とは異なる、新たな脅威として、江戸の町を混乱に陥れ始めていた。
「やはり……執行者たちは、霊脈を汚染し、妖怪たちを意図的に狂暴化させているのだな」
玄庵の言葉に、古尾は信じられないといった様子で首を振った。
「そんな馬鹿な! 妖怪を操るなんて、一体どうやって……」
「彼らは、歪んだ神の依代の力で、神々の力を歪ませた。その汚染が、今度は霊脈を通じて、妖怪たちにまで及んでいるのだ」
玄庵の言葉に、おみつは、診療台の男の苦痛と、外で暴れる妖怪たちの咆哮が、まるで共鳴しているかのように感じられた。
彼女の心には、狂暴化した妖怪たちの「悲痛な叫び」が、直接的に響いてくる。それは、彼らが自らの意思で暴れているのではなく、何者かの力によって、無理やり歪められていることの証だった。
「先生……この妖怪たちは、苦しんでいます……。彼らは、こんなことを望んでいない……」
おみつの言葉に、玄庵は静かに頷いた。
そこへ、竜胆が、怒りに満ちた表情で診療所に駆け込んできた。彼の刀は、血に濡れている。
「玄庵! 江戸の町は、もう地獄絵図だ! 妖怪どもが、何の理由もなく人々を襲い始めた! これは、ただの妖怪の仕業ではない! 奴らの背後に、何者かの悪意を感じる!」
竜胆の声には、これまでにないほどの激しい怒りが込められていた。彼は、人々を守るという信念を胸に、狂暴化した妖怪たちと戦ってきたのだろう。
「竜胆。彼らは、神罰の執行者の仕業だ。彼らは、霊脈を汚染し、妖怪たちを狂暴化させている。それが、因果の病の新たな原因となり、妖怪だけでなく、人々にまで影響を及ぼし始めているのだ」
玄庵の言葉に、竜胆は目を見開いた。霊脈の汚染。それは、退魔師の常識をも超える事態だった。
「ならば、どうすればよい!? この狂暴化した妖怪たちを、どうすれば止められる!?」
玄庵は、一瞬の沈黙の後、静かに口を開いた。彼の視線は、錯乱する患者と、外から聞こえる妖怪たちの咆哮の間を往復する。
「霊脈の汚染は、根源的な問題だ。通常の術では、一時的に鎮めることはできても、根本的な解決にはならぬだろう。彼らが狙うのは、単なる混乱ではない。おそらく、霊脈そのものを掌握し、江戸の、いや、この国の理を歪めようとしている」
彼は懐から、小さな羅盤を取り出した。羅盤の針は、狂ったように揺れ動いている。
「この羅盤は、霊脈の流れを示す。霊脈の汚染は、特定の場所で顕著に現れるはず。その源を突き止め、汚染された霊気を浄化しなければならない」
玄庵の言葉には、冷静な分析と、次なる行動への明確な意思が感じられた。
おみつは、玄庵の言葉に強く頷いた。
「先生、私にも手伝えることがありますか? 私の力で、霊脈の歪みを……」
玄庵は、おみつの真剣な眼差しに応えるように、ゆっくりと語りかけた。
「ああ、おみつ。お前の浄化の力は、この霊脈の歪みを清める上で、最も重要な鍵となるだろう。だが、霊脈は複雑に絡み合っている。まずは、その汚染の根源を特定する必要がある。古尾、竜胆、手を貸してくれ」
古尾は、自身の情報網を駆使し、最近特に不審な動きを見せる廃墟や地下道に関する情報を集め始めた。
竜胆は、狂暴化した妖怪たちの出現場所を記録し、その動きから霊脈の汚染源を推測しようと試みた。
彼らは、それぞれの持ち場で、この新たな脅威に立ち向かうための準備を進めていた。
夜の帳が下りた江戸の町は、狂暴化した妖怪たちの咆哮と、人々の悲鳴が入り混じる、混沌とした場所と化していた。
しかし、玄庵診療所の灯りは、その闇の中で、揺るがぬ希望の光を放っていた。
神罰の執行者によって歪められた天象は、人々の心に深い恐怖と絶望を刻みつけた。しかし、その混乱の陰で、彼らはさらなる陰謀を進めていた。
玄庵診療所では、天候の異変に加えて、新たな種類の患者が運び込まれ始めていた。
彼らは、高熱や皮膚の異常ではなく、まるで何かに取り憑かれたかのように、激しく錯乱し、暴れ狂う者たちだった。
その多くは、夜の帳が下りた頃に町を徘徊していた者や、日頃から神社の境内に足を踏み入れることが多かった者たちだ。
「先生……この方、まるで獣のように唸り声を上げています……」
おみつは、縄で縛られた男の姿に、顔を青ざめさせた。男の瞳は血走り、口からは泡を吹き、その全身からは、これまで感じたことのない、忌まわしい「淀んだ霊力」が放出されていた。それは、かつて玄庵が対峙した蝕組の妖怪たちが放つ穢れとは、また異なる性質のものだった。
玄庵は、男の脈を測りながら、その体に微かな気を巡らせた。男の体内の霊脈は、まるで濁流のように荒れ狂い、本来の清らかな流れが完全に歪められている。
「これは……霊脈の汚染だ。執行者たちが、江戸の霊脈に手を加えている」
玄庵の言葉に、おみつは息を呑んだ。
霊脈とは、大地を流れる生命の気、すなわち神々の力が宿る場所。それが汚染されれば、大地だけでなく、そこに生きる全ての存在に影響が及ぶ。
「霊脈が汚染されると、どうなるのですか?」
おみつの問いに、玄庵は重い口を開いた。
「霊脈は、神々がこの世に力を及ぼすための道であり、同時に、妖怪たちが力を得る源でもある。霊脈が汚染されれば、まずそこに宿る神々の力が歪められ、次に、その力を糧とする妖怪たちが狂暴化する」
玄庵の言葉を裏付けるかのように、診療所の外から、不穏な叫び声が聞こえてきた。それは、狂暴化した妖怪たちの、悲痛な咆哮だった。
その時、古尾が慌ただしく診療所に飛び込んできた。彼の顔には、疲労の色が濃く、その瞳には、恐怖が滲んでいた。
「玄庵さん! おみつさん! 大変だ! 町中の妖怪たちが、次々と正気を失って暴れ始めてる! 穏やかだったはずの奴らが、まるで血に飢えた獣みてぇに、人間に襲いかかってるんだ!」
古尾の報告は、玄庵の予感を裏付けるものだった。狂暴化した妖怪たちは、因果の病とは異なる、新たな脅威として、江戸の町を混乱に陥れ始めていた。
「やはり……執行者たちは、霊脈を汚染し、妖怪たちを意図的に狂暴化させているのだな」
玄庵の言葉に、古尾は信じられないといった様子で首を振った。
「そんな馬鹿な! 妖怪を操るなんて、一体どうやって……」
「彼らは、歪んだ神の依代の力で、神々の力を歪ませた。その汚染が、今度は霊脈を通じて、妖怪たちにまで及んでいるのだ」
玄庵の言葉に、おみつは、診療台の男の苦痛と、外で暴れる妖怪たちの咆哮が、まるで共鳴しているかのように感じられた。
彼女の心には、狂暴化した妖怪たちの「悲痛な叫び」が、直接的に響いてくる。それは、彼らが自らの意思で暴れているのではなく、何者かの力によって、無理やり歪められていることの証だった。
「先生……この妖怪たちは、苦しんでいます……。彼らは、こんなことを望んでいない……」
おみつの言葉に、玄庵は静かに頷いた。
そこへ、竜胆が、怒りに満ちた表情で診療所に駆け込んできた。彼の刀は、血に濡れている。
「玄庵! 江戸の町は、もう地獄絵図だ! 妖怪どもが、何の理由もなく人々を襲い始めた! これは、ただの妖怪の仕業ではない! 奴らの背後に、何者かの悪意を感じる!」
竜胆の声には、これまでにないほどの激しい怒りが込められていた。彼は、人々を守るという信念を胸に、狂暴化した妖怪たちと戦ってきたのだろう。
「竜胆。彼らは、神罰の執行者の仕業だ。彼らは、霊脈を汚染し、妖怪たちを狂暴化させている。それが、因果の病の新たな原因となり、妖怪だけでなく、人々にまで影響を及ぼし始めているのだ」
玄庵の言葉に、竜胆は目を見開いた。霊脈の汚染。それは、退魔師の常識をも超える事態だった。
「ならば、どうすればよい!? この狂暴化した妖怪たちを、どうすれば止められる!?」
玄庵は、一瞬の沈黙の後、静かに口を開いた。彼の視線は、錯乱する患者と、外から聞こえる妖怪たちの咆哮の間を往復する。
「霊脈の汚染は、根源的な問題だ。通常の術では、一時的に鎮めることはできても、根本的な解決にはならぬだろう。彼らが狙うのは、単なる混乱ではない。おそらく、霊脈そのものを掌握し、江戸の、いや、この国の理を歪めようとしている」
彼は懐から、小さな羅盤を取り出した。羅盤の針は、狂ったように揺れ動いている。
「この羅盤は、霊脈の流れを示す。霊脈の汚染は、特定の場所で顕著に現れるはず。その源を突き止め、汚染された霊気を浄化しなければならない」
玄庵の言葉には、冷静な分析と、次なる行動への明確な意思が感じられた。
おみつは、玄庵の言葉に強く頷いた。
「先生、私にも手伝えることがありますか? 私の力で、霊脈の歪みを……」
玄庵は、おみつの真剣な眼差しに応えるように、ゆっくりと語りかけた。
「ああ、おみつ。お前の浄化の力は、この霊脈の歪みを清める上で、最も重要な鍵となるだろう。だが、霊脈は複雑に絡み合っている。まずは、その汚染の根源を特定する必要がある。古尾、竜胆、手を貸してくれ」
古尾は、自身の情報網を駆使し、最近特に不審な動きを見せる廃墟や地下道に関する情報を集め始めた。
竜胆は、狂暴化した妖怪たちの出現場所を記録し、その動きから霊脈の汚染源を推測しようと試みた。
彼らは、それぞれの持ち場で、この新たな脅威に立ち向かうための準備を進めていた。
夜の帳が下りた江戸の町は、狂暴化した妖怪たちの咆哮と、人々の悲鳴が入り混じる、混沌とした場所と化していた。
しかし、玄庵診療所の灯りは、その闇の中で、揺るがぬ希望の光を放っていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】『からくり長屋の事件帖 ~変わり発明家甚兵衛と江戸人情お助け娘お絹~』
月影 朔
歴史・時代
江戸の長屋から、奇妙な事件を解き明かす! 発明家と世話焼き娘の、笑えて泣ける人情捕物帖!
江戸、とある長屋に暮らすは、風変わりな男。
名を平賀甚兵衛。元武士だが堅苦しさを嫌い、町の発明家として奇妙なからくり作りに没頭している。作る道具は役立たずでも、彼の頭脳と観察眼は超一流。人付き合いは苦手だが、困った人は放っておけない不器用な男だ。
そんな甚兵衛の世話を焼くのは、隣に住む快活娘のお絹。仕立て屋で働き、誰からも好かれる彼女は、甚兵衛の才能を信じ、持ち前の明るさと人脈で町の様々な情報を集めてくる。
この凸凹コンビが立ち向かうのは、岡っ引きも首をひねる不可思議な事件の数々。盗まれた品が奇妙に戻る、摩訶不思議な悪戯が横行する…。甚兵衛はからくり知識と観察眼で、お絹は人情と情報網で、難事件の謎を解き明かしていく!
これは、痛快な謎解きでありながら、不器用な二人や長屋の人々の温かい交流、そして甚兵衛の隠された過去が織りなす人間ドラマの物語。
時には、発明品が意外な鍵となることも…?
笑いあり、涙あり、そして江戸を揺るがす大事件の予感も――。
からくり長屋で巻き起こる、江戸情緒あふれる事件帖、開幕!
【完結】『江戸一番の菓子屋と嘘つき娘』
月影 朔
歴史・時代
江戸日本橋の片隅に佇む、小さな甘味処「春告鳥」。
そこで看板娘として働くおみえは、笑顔と真心で客を迎える、明るく評判の娘だ。
しかし彼女には、誰にも言えぬ秘密があった――
おみえは、心優しき店主夫婦に拾われた孤児なのだ。
その恩に報いるため、大好きなこの店を守るため、「江戸一番」の味を守るため、おみえは必死にもがく。
これは、秘密と嘘を抱えた一人の娘が、逆境の中で真心と向き合い、家族や仲間との絆を通して成長していく感動の物語。
おみえは、大切な春告鳥を守り抜くことができるのか?
彼女のついた嘘は、吉と出るか、それとも凶と出るか?
江戸の町を舞台に繰り広げられる、涙と笑顔の人情譚。
【完結】『江戸めぐり ご馳走道中 ~お香と文吉の東海道味巡り~』
月影 朔
歴史・時代
読めばお腹が減る!食と人情の東海道味巡り、開幕!
自由を求め家を飛び出した、食い道楽で腕っぷし自慢の元武家娘・お香。
料理の知識は確かだが、とある事件で自信を失った気弱な元料理人・文吉。
正反対の二人が偶然出会い、共に旅を始めたのは、天下の街道・東海道!
行く先々の宿場町で二人が出会うのは、その土地ならではの絶品ご当地料理や豊かな食材、そして様々な悩みを抱えた人々。
料理を巡る親子喧嘩、失われた秘伝の味、食材に隠された秘密、旅人たちの些細な揉め事まで――
お香の持ち前の豪快な行動力と、文吉の豊富な食の知識、そして二人の「料理」の力が、人々の閉ざされた心を開き、事件を解決へと導いていきます。時にはお香の隠された剣の腕が炸裂することも…!?
読めば目の前に湯気立つ料理が見えるよう!
香りまで伝わるような鮮やかな料理描写、笑いと涙あふれる人情ドラマ、そして個性豊かなお香と文吉のやり取りに、ページをめくる手が止まらない!
旅の目的は美味しいものを食べること? それとも過去を乗り越えること?
二人の絆はどのように深まっていくのか。そして、それぞれが抱える過去の謎も、旅と共に少しずつ明らかになっていきます。
笑って泣けて、お腹が空く――新たな食時代劇ロードムービー、ここに開幕!
さあ、お香と文吉と一緒に、舌と腹で東海道五十三次を旅しましょう!
【完結】新・信長公記 ~ 軍師、呉学人(ごがくじん)は間違えない? ~
月影 流詩亜
歴史・時代
その男、失敗すればするほど天下が近づく天才軍師? 否、只のうっかり者
天運は、緻密な計算に勝るのか?
織田信長の天下布武を支えたのは、二人の軍師だった。
一人は、“今孔明”と謳われる天才・竹中半兵衛。
そしてもう一人は、致命的なうっかり者なのに、なぜかその失敗が奇跡的な勝利を呼ぶ男、“誤先生”こと呉学人。
これは、信長も、秀吉も、家康も、そして半兵衛さえもが盛大に勘違いした男が、歴史を「良い方向」にねじ曲げてしまう、もう一つの戦国史である。
※ 表紙絵はGeminiさんに描いてもらいました。
https://g.co/gemini/share/fc9cfdc1d751
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる