13 / 19
モンスター
しおりを挟む
ベビーカーは小さいものだが、思ったよりも楽ではなかった。路肩(道路の端っこ)がこんなに斜めになっているとは知らなかった。水はけの為に道路の端が下がっているのだが、そのせいで歩道は斜めだ。ベビーカーで道の真ん中を移動できればいいのだが、車が来るからそうもいかない。端を通らざるを得ない。だが、片方が下がるとそちらの腕ばかりに負担がかかる。それに、あまり斜めだと乗り心地が悪かろうと、ついつい端の方を持ち上げようとする自分がいる。
また、アスファルトは凸凹で、ちょくちょくガタンとなる。里奈が舌でも噛むんじゃないかと気が気ではない。だが、里奈は大人しく座っている。前を向いて進んでいるのが楽しいのかもしれない。時々何かを指さしているのが後ろから見える。子供って本当に可愛いな。
朝陽と里奈の家に着いた。ベビーカーは玄関に畳んで置けばいいのだろうか。畳む?どうやって?ま、とりあえず里奈を下すか。
里奈を下ろし、靴を脱がせ、やっぱりベビーベッドに乗せた。これからどうすれば?
「里奈、お腹空いてるか?うーん、まんま?」
「まんま!」
やけにハッキリと言った里奈。しかし、何を食べさせていいのやら。ちょっとネットで調べるか。1歳児の食事を検索。色々出てきた。いやー、手の込んだものばかりだな。冷蔵庫を開ける。卵はあるか。うどんもあるな。うどんを煮るとかでいいか?
「まんまー、まんまー」
里奈の方を振り返って焦った。里奈がベッドの柵から乗り出していて、今にも落ちそうだったのだ。
「危ない!」
子供は頭が重い。あまり乗り出すと落ちる。今、かなり落ちる寸前だったような気がする。これは下ろしておいた方がよさそうだ。里奈を抱っこして床に座らせた。すると、里奈はすくっと立ち上がり、よちよちと歩き出す。何をするんだ?
「あー、ダメダメ!」
いきなり本棚の本を落とし始めた。止めて、本を戻していると、次は台所の方へ。ちょっと、あの辺包丁とかあるんじゃ。里奈の先回りをして通せんぼをすると、今度は玄関へまっしぐら。自分で靴を履こうとしている。おいおい、どこへ行こうと言うのだ。
あー、ダメだ。これじゃ料理なんてできない。絶対に出来っこない!
「ただいま!祐作さん、遅くなってごめん!ほんと、ありがとう!」
そこへ、朝陽が帰って来た。
「あさひ~!」
靴を履きかけている里奈の真上で、朝陽を思いっきり抱きしめた。
「どうしたの?祐作さん?」
「お前、毎日どうやって生活してるんだ?このリトルモンスターを抱えて。」
俺は涙目でそう聞いた。
また、アスファルトは凸凹で、ちょくちょくガタンとなる。里奈が舌でも噛むんじゃないかと気が気ではない。だが、里奈は大人しく座っている。前を向いて進んでいるのが楽しいのかもしれない。時々何かを指さしているのが後ろから見える。子供って本当に可愛いな。
朝陽と里奈の家に着いた。ベビーカーは玄関に畳んで置けばいいのだろうか。畳む?どうやって?ま、とりあえず里奈を下すか。
里奈を下ろし、靴を脱がせ、やっぱりベビーベッドに乗せた。これからどうすれば?
「里奈、お腹空いてるか?うーん、まんま?」
「まんま!」
やけにハッキリと言った里奈。しかし、何を食べさせていいのやら。ちょっとネットで調べるか。1歳児の食事を検索。色々出てきた。いやー、手の込んだものばかりだな。冷蔵庫を開ける。卵はあるか。うどんもあるな。うどんを煮るとかでいいか?
「まんまー、まんまー」
里奈の方を振り返って焦った。里奈がベッドの柵から乗り出していて、今にも落ちそうだったのだ。
「危ない!」
子供は頭が重い。あまり乗り出すと落ちる。今、かなり落ちる寸前だったような気がする。これは下ろしておいた方がよさそうだ。里奈を抱っこして床に座らせた。すると、里奈はすくっと立ち上がり、よちよちと歩き出す。何をするんだ?
「あー、ダメダメ!」
いきなり本棚の本を落とし始めた。止めて、本を戻していると、次は台所の方へ。ちょっと、あの辺包丁とかあるんじゃ。里奈の先回りをして通せんぼをすると、今度は玄関へまっしぐら。自分で靴を履こうとしている。おいおい、どこへ行こうと言うのだ。
あー、ダメだ。これじゃ料理なんてできない。絶対に出来っこない!
「ただいま!祐作さん、遅くなってごめん!ほんと、ありがとう!」
そこへ、朝陽が帰って来た。
「あさひ~!」
靴を履きかけている里奈の真上で、朝陽を思いっきり抱きしめた。
「どうしたの?祐作さん?」
「お前、毎日どうやって生活してるんだ?このリトルモンスターを抱えて。」
俺は涙目でそう聞いた。
1
あなたにおすすめの小説
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜
中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」
大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。
しかも、現役大学生である。
「え、あの子で大丈夫なんか……?」
幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。
――誰もが気づかないうちに。
専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。
「命に代えても、お守りします」
そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。
そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める――
「僕、舐められるの得意やねん」
敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。
その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。
それは忠誠か、それとも――
そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。
「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」
最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。
極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。
これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話
日向汐
BL
「好きです」
「…手離せよ」
「いやだ、」
じっと見つめてくる眼力に気圧される。
ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26)
閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、
一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕
・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・:
📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨
短期でサクッと読める完結作です♡
ぜひぜひ
ゆるりとお楽しみください☻*
・───────────・
🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧
❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21
・───────────・
応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪)
なにとぞ、よしなに♡
・───────────・
Sランク冒険者クロードは吸血鬼に愛される
あさざきゆずき
BL
ダンジョンで僕は死にかけていた。傷口から大量に出血していて、もう助かりそうにない。そんなとき、人間とは思えないほど美しくて強い男性が現れた。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる