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海のお話し
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これは私が小学生だった時のお話です。
当時、我が家では毎年海に行っていました。
それが一年に一度の大事なイベントで、とっても楽しみにしていました。
その日は晴天で絶好の海日和でした。
浮き輪をつけてプカプカしながら楽しんでいた私は、なぜか周りが気になり始めました。
もちろん、周りにいるのは海水浴を楽しんでいる人たちです。
しかし、なぜだか視線のようなものを感じてしまって落ち着きませんでした。
(…?いったん上がろうかな?)
ちょうどお腹もすいてきたことだしと、親の元に戻ることにしました。
その時もどこからかはわからないけど、何かを感じていました。
海の家で昼食をとって、食休みをした私は再び海に入る気にはなれず貝拾いをすることにしました。
桜貝や綺麗な巻貝、ヤドカリなんかもいて下を向きながら夢中で探していました。
そろそろ首が痛くなってきたなと思い、顔を上げるとそこは人気のない岩場の洞窟でした。
少し薄暗く、肌寒いところでしたが…小さな私は冒険心がくすぐられ探検することにしました。
足場にだけ注意して、一歩一歩進んでいくとカニがいたり、フジツボがあったり、見ているだけで楽しい空間でした。
一番奥に着いた時……そこにはポツンと祠がありました。
なぜここにあるのかわからなかったけど、そこにはいっぱい貝が供えてあって驚いたことだけは覚えています。
(よくわからないけど、供えておいたほうがいいのかな?)
私は拾った貝の中でも一番綺麗だと思うものを祠に供えて手を合わせました。
最後に一礼をしてからその洞窟を出て、親元に戻ると結構時間が経っていたようで怒られました。
海に夕日が沈む様子は綺麗でした。
その日は近くの旅館に泊まって、次の日に帰る予定でした。
美味しい料理に舌鼓を打ち、温泉でベタベタの髪を洗い、就寝時間になって遊び疲れていた私は深い眠りに落ちていきました。
気がついたらそこは海でした。
辺りは真っ暗でここが夜であることがわかりました。
パジャマのままそこにいた私はなんでここにいるのかわからず、キョロキョロと辺りを見回します。
(よくわかんないけど、旅館に戻りたいなぁ)
道に戻るべく海に背を向けた時、後ろから大きな水音がしました。
驚いて後ろを振り返ろうとして、気づいたら海の中でした。
潮で目は開けていられないほど痛くて、驚いて叫んでしまったことで息が苦しくて…私はパニックになってしまいました。
必死になって手足を動かすも海面に顔を出すことは叶わず、だんだん意識が遠くなってきました。
動く気力も無くなって意識が途切れる瞬間、私は温かなナニかに手を引かれて浜に打ち上げられました。
助かったと同時に意識は途切れて、最後にみえた白い手が記憶に残りました。
ゲホゲホ……ゲボッ
飛び起きたと同時にわたしは吐いていました。
息は苦しいし、目は痛いし、手足に変な痺れはあるしで散々でした。
家族もその様子に飛び起きて、旅館の人を呼んでくれました。
その中に腰の曲がったおばあさんがいて、いきなりこんなことを聞いてきたのです。
「お嬢さん。祠に供えたね?」
私はあの祠のことだろうと考えて一つ頷きました。
しかし、家族はなんのことだかわかりません。
おばあさんは優しく微笑んで頭を撫でてくれました。
そして、こんな話をしたのです。
昔、この辺で祀っていた海の神様がいた。
神様は人が大好きで漁の助けをしてくれたりと、とても優しい神だった。
ある時、大きな妖が現れて人々を襲った。
神様は妖を退治しようとするも妖の力は強く、自分の管轄にある海に封印することしかできなかった。
それから神様は封印することに力を取られて人々の前に姿が現わせることができなくなった。
しかし、封印は完全ではなく、この時期になると少しだけ緩んでしまう。
どうにかしてやりたいと思った神様は、祠を建てさせて、こう言った。
『もしも困ったことがあったならこの祠に供え物をして祈りなさい』
それから、人々はこの祠を大事にするようになった。
「しかし、時は過ぎるもんでなぁ…祠を知ってんのは老人ばかり…優しい神様は忘れ去られてしまうのじゃな…」
どこか悲しげに眼を細めるおばあさん。
なんだか私も悲しくなってしまいました。
体調は万全でないにしろ、助けてくれたのは事実。
私は親にお礼に行きたいとせがみました。
最初は困惑していたようだけど、結局は了承してくれて祠に行くことになりました。
途中でお供え物を買って、私は綺麗な貝殻を握りしめて祠に行きました。
洞窟に着くと家族は気味悪そうにしていましたが、私は構わず先に進んで行きます。
お供え物と貝殻を供えてから私は手を合わせて眼を閉じました。
『ありがとうございました』
その時、温かなナニかが頭を撫でてくれたのでした。
当時、我が家では毎年海に行っていました。
それが一年に一度の大事なイベントで、とっても楽しみにしていました。
その日は晴天で絶好の海日和でした。
浮き輪をつけてプカプカしながら楽しんでいた私は、なぜか周りが気になり始めました。
もちろん、周りにいるのは海水浴を楽しんでいる人たちです。
しかし、なぜだか視線のようなものを感じてしまって落ち着きませんでした。
(…?いったん上がろうかな?)
ちょうどお腹もすいてきたことだしと、親の元に戻ることにしました。
その時もどこからかはわからないけど、何かを感じていました。
海の家で昼食をとって、食休みをした私は再び海に入る気にはなれず貝拾いをすることにしました。
桜貝や綺麗な巻貝、ヤドカリなんかもいて下を向きながら夢中で探していました。
そろそろ首が痛くなってきたなと思い、顔を上げるとそこは人気のない岩場の洞窟でした。
少し薄暗く、肌寒いところでしたが…小さな私は冒険心がくすぐられ探検することにしました。
足場にだけ注意して、一歩一歩進んでいくとカニがいたり、フジツボがあったり、見ているだけで楽しい空間でした。
一番奥に着いた時……そこにはポツンと祠がありました。
なぜここにあるのかわからなかったけど、そこにはいっぱい貝が供えてあって驚いたことだけは覚えています。
(よくわからないけど、供えておいたほうがいいのかな?)
私は拾った貝の中でも一番綺麗だと思うものを祠に供えて手を合わせました。
最後に一礼をしてからその洞窟を出て、親元に戻ると結構時間が経っていたようで怒られました。
海に夕日が沈む様子は綺麗でした。
その日は近くの旅館に泊まって、次の日に帰る予定でした。
美味しい料理に舌鼓を打ち、温泉でベタベタの髪を洗い、就寝時間になって遊び疲れていた私は深い眠りに落ちていきました。
気がついたらそこは海でした。
辺りは真っ暗でここが夜であることがわかりました。
パジャマのままそこにいた私はなんでここにいるのかわからず、キョロキョロと辺りを見回します。
(よくわかんないけど、旅館に戻りたいなぁ)
道に戻るべく海に背を向けた時、後ろから大きな水音がしました。
驚いて後ろを振り返ろうとして、気づいたら海の中でした。
潮で目は開けていられないほど痛くて、驚いて叫んでしまったことで息が苦しくて…私はパニックになってしまいました。
必死になって手足を動かすも海面に顔を出すことは叶わず、だんだん意識が遠くなってきました。
動く気力も無くなって意識が途切れる瞬間、私は温かなナニかに手を引かれて浜に打ち上げられました。
助かったと同時に意識は途切れて、最後にみえた白い手が記憶に残りました。
ゲホゲホ……ゲボッ
飛び起きたと同時にわたしは吐いていました。
息は苦しいし、目は痛いし、手足に変な痺れはあるしで散々でした。
家族もその様子に飛び起きて、旅館の人を呼んでくれました。
その中に腰の曲がったおばあさんがいて、いきなりこんなことを聞いてきたのです。
「お嬢さん。祠に供えたね?」
私はあの祠のことだろうと考えて一つ頷きました。
しかし、家族はなんのことだかわかりません。
おばあさんは優しく微笑んで頭を撫でてくれました。
そして、こんな話をしたのです。
昔、この辺で祀っていた海の神様がいた。
神様は人が大好きで漁の助けをしてくれたりと、とても優しい神だった。
ある時、大きな妖が現れて人々を襲った。
神様は妖を退治しようとするも妖の力は強く、自分の管轄にある海に封印することしかできなかった。
それから神様は封印することに力を取られて人々の前に姿が現わせることができなくなった。
しかし、封印は完全ではなく、この時期になると少しだけ緩んでしまう。
どうにかしてやりたいと思った神様は、祠を建てさせて、こう言った。
『もしも困ったことがあったならこの祠に供え物をして祈りなさい』
それから、人々はこの祠を大事にするようになった。
「しかし、時は過ぎるもんでなぁ…祠を知ってんのは老人ばかり…優しい神様は忘れ去られてしまうのじゃな…」
どこか悲しげに眼を細めるおばあさん。
なんだか私も悲しくなってしまいました。
体調は万全でないにしろ、助けてくれたのは事実。
私は親にお礼に行きたいとせがみました。
最初は困惑していたようだけど、結局は了承してくれて祠に行くことになりました。
途中でお供え物を買って、私は綺麗な貝殻を握りしめて祠に行きました。
洞窟に着くと家族は気味悪そうにしていましたが、私は構わず先に進んで行きます。
お供え物と貝殻を供えてから私は手を合わせて眼を閉じました。
『ありがとうございました』
その時、温かなナニかが頭を撫でてくれたのでした。
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