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亀は甲羅の中で愛を囁く〜浦島太郎奇譚〜

浦島太郎異譚(その4)

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side・青年

その後、何度も彼女の家に行った。
いつもお菓子やゲームでもてなしてくれて、楽しかった。
学校での日常は変わらないけど、俺にはどうにもできない。

「今週末、遊びに来ない?」

「今週末…は…あっ!ごめん!他のやつと遊ぶ約束があるんだ」

「そう…わかった」

彼女は目を伏せて残念そうにしている。
なんとなく罪悪感が湧くけど、最初に約束したのは他の友達の方だ。
後にするのは間違っている。

「来週末じゃダメかな?」

「いいよ。じゃあ来週末ね」

代替案すると、彼女は笑って承諾してくれた。
やっぱり彼女の笑顔は可愛かった。

(今度行くときはお菓子を持って行ってお詫びがわりにしよう。せっかく誘ってくれたんだし)


週末…

その日はクラスメートである友達と遊びに行く日だった。
公園に集合して、喋りながら歩き出す。

「なぁ、お前まだあの子と関わってんのか?」

「?うん」

「悪いことはいわねぇからやめろって。後悔してもしらねぇぞ」

「後悔って…別に変なことはないよ」

彼女の悪口を言われるのはなんだか腹が立った。思わず睨みながら言うと、友達である彼も真剣な顔をして言う。

「今は大丈夫でも、後々どうなるかわからないだろ。あの家は狂ってんだよ」

「どう言うこと?」

「転入生だから知らないと思うけど、あそこの家は代々狂っているって話はこの街では有名なんだ」

「狂ってるって…例えば?」

「あの子の祖母と祖父は血の繋がった兄妹って聞いたことあるな」

「おれは父親が死体愛好家だって話なら…」

「母親がカニバリズム(人食)してるって話を聞いたことある」

「お姉さんはとっても綺麗だけど、いっつも人の血を飲んでるって…」

「兄が拷問具を集めていて、使っているとか…聞いたことあるけど…」

「でも、噂だろ?そもそも、それが本当なら警察が動かないはずないじゃん」

そう、それが本当なら警察が黙っているはずがない。なぜなら、市民を守るのが彼らの役目なはずだから。

「そんなん、あそこの家はこの町一番の有力な家なんだからいくらだって握りつぶせるに決まってんじゃん」

「おれは、反対勢力を次の餌食にしたって聞いた」

「それはおれも聞いたことある」

友達はみんなそんなことを言うけど、そんなに恐れられているのにいじめられている彼女はどう言うことなのか…。
彼らの意見は矛盾しているように感じる。

「噂は噂だよ。それに彼女はいじめられているだろ?」

「それは…あのグループのリーダーも転入生だからだよ。周りはそれに便乗しているだけ」

そんなことを言われても、納得なんてできなかった。

そんなおれに友達は真剣な顔をして言った。


「早く離れたほうがいい。手遅れになる前に」


そんな会話をしているおれらは気づいていなかった。
わずか200メートル後ろの電柱に、小さな影があることに…。
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