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亀は甲羅の中で愛を囁く〜浦島太郎奇譚〜
浦島太郎奇譚(その6)
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side・青年
出会ったのは偶然だった。
その日、放課後男友達と帰っていた。
彼女とは約束していないのでいつものことだった。
「おい。あれ…」
友達の1人がどこか怯えたように前を向いて言う。
視線を辿ればそこにいるのは長い黒髪が綺麗な女性。
彼女はこちら側に近づいてくる…まぁ、道は一本しかないのだから当たり前といえば当たり前である。
「知り合い?」
「……違う。あの人は…」
「こんにちわ」
いきなり声をかけられて驚いた。
気づいたら目の前まで来ていたのだ。
目を離したのは一瞬のことだったのに。
「何の話をしているのかしら?」
「え、えっと…」
友達はしどろもどろと挙動不審だ。
目の前の女性が綺麗だから…ではないようで、ひたいに尋常ではない汗をかいている。
「…あなたは誰ですか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
髪は綺麗だし、顔は整っていると思う。
でも、彼女からは何だか得体のしれないものを感じる気がする。
「私?私は海野 乙葉。ねぇ、あなたかしら?私の妹と仲良くしているのって…」
「そ、そうです」
答える前に友達が答えていた。
顔は真っ青で血の気がない。今にも倒れそうなのは勘違いではないだろう。
「そう…ねえ、ここだけの話。私の妹ってパッとしないじゃない?妹なんてやめて私の仲良くしましょうよ」
ネットリと絡みつくような声。気持ち悪いとしか思えない。
だけど、言葉が喉に張り付いて出ない。
いっそ息まで苦しくなってきた。
このままでは呼吸困難になってしまいそうだ。
「おーい!どうしたんだーー?!」
遠くで先に行っていた友達の声がする。
その声で呪縛が解けたようで、体が動くようになった。
「す、すいません!!友達が呼んでいるから!!」
顔を見ずに頭を下げてそう言った。
そして、いまだ強張って動けないでいる友達の手を掴んで、走り出した。
心臓が早鐘を打つように早い。
身体中から冷や汗が止まらない。
あの女性は彼女の姉だと言う。
(……まるで違う)
先に行っていた友達と合流して、全力でお礼を言った。
キョトンと意味がわかっていないようだったけど構うものか。
(もう、2度と会いたくない)
心の底からそう思うのだった。
出会ったのは偶然だった。
その日、放課後男友達と帰っていた。
彼女とは約束していないのでいつものことだった。
「おい。あれ…」
友達の1人がどこか怯えたように前を向いて言う。
視線を辿ればそこにいるのは長い黒髪が綺麗な女性。
彼女はこちら側に近づいてくる…まぁ、道は一本しかないのだから当たり前といえば当たり前である。
「知り合い?」
「……違う。あの人は…」
「こんにちわ」
いきなり声をかけられて驚いた。
気づいたら目の前まで来ていたのだ。
目を離したのは一瞬のことだったのに。
「何の話をしているのかしら?」
「え、えっと…」
友達はしどろもどろと挙動不審だ。
目の前の女性が綺麗だから…ではないようで、ひたいに尋常ではない汗をかいている。
「…あなたは誰ですか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
髪は綺麗だし、顔は整っていると思う。
でも、彼女からは何だか得体のしれないものを感じる気がする。
「私?私は海野 乙葉。ねぇ、あなたかしら?私の妹と仲良くしているのって…」
「そ、そうです」
答える前に友達が答えていた。
顔は真っ青で血の気がない。今にも倒れそうなのは勘違いではないだろう。
「そう…ねえ、ここだけの話。私の妹ってパッとしないじゃない?妹なんてやめて私の仲良くしましょうよ」
ネットリと絡みつくような声。気持ち悪いとしか思えない。
だけど、言葉が喉に張り付いて出ない。
いっそ息まで苦しくなってきた。
このままでは呼吸困難になってしまいそうだ。
「おーい!どうしたんだーー?!」
遠くで先に行っていた友達の声がする。
その声で呪縛が解けたようで、体が動くようになった。
「す、すいません!!友達が呼んでいるから!!」
顔を見ずに頭を下げてそう言った。
そして、いまだ強張って動けないでいる友達の手を掴んで、走り出した。
心臓が早鐘を打つように早い。
身体中から冷や汗が止まらない。
あの女性は彼女の姉だと言う。
(……まるで違う)
先に行っていた友達と合流して、全力でお礼を言った。
キョトンと意味がわかっていないようだったけど構うものか。
(もう、2度と会いたくない)
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