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魅入られたのか
3.
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「おまちどおさま」
凛が持ってきたミルクは、かなり大きめのコップに入れられていた。紅茶は普通のカップだが、ゆきは美味しそうに飲んでいる。
和人はミルクを口につけた。
「ん。美味しい」
「でしょ?」
凛が嬉しそうに言って、和人たちと同じテーブルについた。
「特別に北海道から取り寄せてるの。広々とした牧場で、断角もせず、天然の牧草だけで育てた牛のミルクなのよ」
「へー」
確かに美味しい。
コクはあるが、臭みはないのだ。
和人は別に喉が渇いていたわけでもないのに、ゴクゴクと喉を鳴らした。
「それで?」
凛はゆきのほうを向いて目配せした。
「今日はお兄ちゃんに相談事? もしかして恋愛の相談?」
「まさか。こっちが相談事にのるんですよ」
凛が少し身を引いて、それから和人を見た。
「もしかして女性関係の悩み?」
和人は答えられなかった。
ある意味では正解なのだ。
「もしかしてあの、緑亭館に住んでるすごい美人のこと?」
和人はハッとした顔で凛を見た。
凛はクスクス笑っている。
「カマかけたんだけど、ここまできれいに引っかかってくれるなんて、和人くんはかわいいな~」
やられた……
向かいでは、ゆきが呆れた顔で見ていた。
凛が持ってきたミルクは、かなり大きめのコップに入れられていた。紅茶は普通のカップだが、ゆきは美味しそうに飲んでいる。
和人はミルクを口につけた。
「ん。美味しい」
「でしょ?」
凛が嬉しそうに言って、和人たちと同じテーブルについた。
「特別に北海道から取り寄せてるの。広々とした牧場で、断角もせず、天然の牧草だけで育てた牛のミルクなのよ」
「へー」
確かに美味しい。
コクはあるが、臭みはないのだ。
和人は別に喉が渇いていたわけでもないのに、ゴクゴクと喉を鳴らした。
「それで?」
凛はゆきのほうを向いて目配せした。
「今日はお兄ちゃんに相談事? もしかして恋愛の相談?」
「まさか。こっちが相談事にのるんですよ」
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ある意味では正解なのだ。
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