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ハツカネズミと海
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「いいのかい?これで」
港の桟橋で2匹のネズミが出発する船を見守っていた。
船の中にはクマネズミの母と娘が乗っている。海の向こうの国にいる、動物の言葉がわかるという人間の医者に診てもらうために。
「せっかく集めたチーズを譲ってしまって」
ジャックはうなずいていった。
「いいんだよ、これで。海の向こうに行くべきなのはローズとモリーなんだ」
ジャックはトーマスの方を向いて聞いた。
「そっちこそいいのかい?チーズの量、2匹分には少し足りなかったんじゃ……」
「かまわんさ。それにほれ、片方は子供料金ってやつだ」
「ならよかった」
ジャックはチーズをローズとモリーに譲ったこと、後悔してはいなかった。だが、海の向こうに行くことをあきらめたわけでもなかった。
船で旅立つ2匹にジャックは大声で叫んだ。
「ローズ!モリー!!ぼくもすぐ海の向こうの国へ行くから。待ってて!!」
泣いて手を、いや前足を振るローズとモリーの顔を思い出しながら、ジャックは心に決めていた。できるだけはやくチーズを集めて、できるだけはやくローズとモリーのあとを追うことを。
なぜかって?
「だってさ、またこっちに戻ってくるためのチーズがいるだろ?アイツらだけで集められると思う?」
そうつぶやくジャックの横顔は朝日に照らされており、トーマスは少しまぶしそうにそれを見つめていた。
fin
港の桟橋で2匹のネズミが出発する船を見守っていた。
船の中にはクマネズミの母と娘が乗っている。海の向こうの国にいる、動物の言葉がわかるという人間の医者に診てもらうために。
「せっかく集めたチーズを譲ってしまって」
ジャックはうなずいていった。
「いいんだよ、これで。海の向こうに行くべきなのはローズとモリーなんだ」
ジャックはトーマスの方を向いて聞いた。
「そっちこそいいのかい?チーズの量、2匹分には少し足りなかったんじゃ……」
「かまわんさ。それにほれ、片方は子供料金ってやつだ」
「ならよかった」
ジャックはチーズをローズとモリーに譲ったこと、後悔してはいなかった。だが、海の向こうに行くことをあきらめたわけでもなかった。
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泣いて手を、いや前足を振るローズとモリーの顔を思い出しながら、ジャックは心に決めていた。できるだけはやくチーズを集めて、できるだけはやくローズとモリーのあとを追うことを。
なぜかって?
「だってさ、またこっちに戻ってくるためのチーズがいるだろ?アイツらだけで集められると思う?」
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