翡翠Evolution 〜我に宿りしその力〜

えーしろ

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Evo5 「翡翠の嘆き」

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 突如、私のクラスに転校して来たアリスちゃん。

 魔術師の父を持ち、自身も遣いとして活動を始めていたアリスちゃんは、私に接触し神黒翡翠を見つけ出す為、協定を結ぶ事になったのでした。


「翡翠、貴女の実力をもう少し確認させて貰うわよ」

「うん……。アキナ君、マキさんを呼んでくれる?」

「了解だよ。マキ、来て」

 マキエルさんは2月の誕生石であるアメジストを示し『身を守る』 能力を持つ天使なのです。


「お久しぶり、翡翠さん。では、早速同化するわよ」

「はい。我に宿りしその力 今この時この瞬間 開放へと導かん……翡翠……エボリューションっ!」

 マキさんを同化させるのは、遣いのルアンユーさんと戦闘時以来であり、私は前回と同じ鎧を纏う武装姿に変身していました。


「へ~、中々硬そうね。じゃあ私も変身するわよ。我を守護するその力 今この時この瞬間 星の導きを示さん……アリス……エボリューションっ!」

 アリスちゃんは『黄道12星座』 の魔法を使えるのですが、今回同化させた星座魔法は、11月の星座を示すスコーピオ(蠍座) でした。

 この星座は『エネルギーを凝縮させる』 能力があるそうで、アリスちゃんの両腕にはその魔力を集中させる事で、大きなハサミを身に付けていたのです。

 そしてアリスちゃんは地面を蹴り上げ、その大ハサミで私は捕らえてしまったのでした。


「え? あっ、いや、ちょっと待ってアリスちゃん」

「翡翠……避けなきゃダメでしょ? このまま真っ二つにしちゃうからねっ!」

 左右に交差する刃はゼロ距離であった為、マキさん力で武装していた私の身体さえも、見事に切り裂いてしまったのです。


「いやーっ!? お腹から下が離れてるーっっ!!」

 転がり、のたうち回る私でしたが、魔法の国での戦いでは、どんなに傷付いても死ぬ事は無いのです。

 そして、真っ二つにされた下半身は消え、数秒後には新たな下半身が再生したのでした。


「この程度の攻撃を避けられない様じゃ、ソフィーの足元にも及ばないわよ?」

 アリスちゃんは先ず当面の目的として、遣いであるソフィーさんを倒す事が先決だと考えていた様でした。

 アリスちゃん自身、ソフィーさんとは1度戦っている様なのですが、敗北寸前まで追い詰められてしまったと言うのです。

 その危機は、父のグラディーさんにより何とか救われたらしいのですが、ソフィーさんの強さを親子2人で思い知らされる事になったのだとも言っていました。

 勿論、他にも強い遣いはいるのでしょうが、今は先ずソフィーさんを倒す事が先決であると、アリスちゃんは考えていたのです。


「ソフィーさんは、そんなに強いの?」

「ええ。多分現時点で魔術師の遣いとしては、ソフィーが一番強いでしょうね」


 ソフィーさんの戦闘能力もそうなのですが、何よりその冷酷な性格を恐れていたアリスちゃん。

 戦いに於いて敗北した者への情けなど、微塵も掛けそうにないソフィーさんの行動には、戦慄さえも感じていた様です。

 だけど、神黒翡翠を手に入れる為には、私もソフィーさんと遅かれ早かれ戦う事になるのでしょう。

 そこでアリスちゃんは、戦闘方法を私に説明してくれました。先程、私の身体が真っ二つにされ、復活した時の様に、遣いは魔術師の魔力が尽きるまで、その身体を何度でも再生出来るのです。

 しかし再生には数秒時間が掛かる為、その間にダメージを与え続ける事が出来れば勝機はあるのだとアリスちゃんは告げたのでした。


「そっかぁ……」

「でも、先ずはソフィーにダメージを与えられるかが問題だけどね」

 私を遣いとして認めてくれたアグリッタさんの願いは、神黒翡翠を使い魔法の国の平和を維持する事です。

 それは私の願いである、一般世界の平和を望む事と同じであり、その為には何としてでも負ける訳にはいかないのですが……。

 と、そこへ、ルアンユーさんが私達のいる領土ギリギリに現れたのです。


「ちょっとアンタら。こんな所でヒソヒソと何やってんのよ?」

「ルアンユーさん、お久しぶりです」

 一先ず、ルアンユーさんを領土内に入れた私。そしてアリスちゃんは仲間だと紹介し、特訓中ですと説明しました。

 だけどルアンユーさんは、アリスちゃんの姿を舐め回す様に観察し、自分には無い容姿端麗な姿に嫉妬してしまった様です。

 そして変身呪文を唱え、挨拶代わりに戦闘を挑み、アリスちゃんもそれに答えるかの様に呪文唱えるのでした。


「我に遣えしその力 今この時この瞬間 十二の衣で纏わん……ルアンユー……エボリューションっ!」

「我と共するその力 今この時この瞬間 星の導きを示さん……アリス……エボリューションっ! キャプリコーン、来なさい」


 先ず、アリスちゃんの先制で攻撃か始まり、キャプリコーンは山羊座を示す、『使い熟す』 能力を持つそうです。

 しかし挨拶代わりの戦いと言っても、やる気満々な態度の2人に、私は止めなければと慌てる事になってしまってしました。

 だけどそこにアキナ君が現れ、『他の遣いの戦い方を見る事も勉強だよ』 と、私ち指示を出してくれたのです。

 そしてアリスちゃんの攻撃を一旦交わしたルアンユーさんは、次々と魔法を繰り出し、逆にアリスちゃんを追い詰めていたのでした。


「どうしたの、アリス? 防御ばかりじゃ、私には一生勝てないわよ。宗彝っ!」

 宗彝(そうい) は『酒器』 を示し、自在に『アルコールを吹き出す』 能力を持つそうです。

 そして大量の酒を、アリスちゃんに浴びせる事に成功したルアンユーさん。その酒は、通常の人であれば皮膚からも吸収してしまい、一瞬で酔いつぶれてしまう程の魔力が込められているそうです。

 しかしアリスちゃんは。


「残念ね。私にとってはこの程度のアルコールなんて、水と変わりないわ」

 アリスちゃんの家系は超酒豪であった為、初めての酒攻撃にも対応出来たみたいです。


「くっ……まあ、今日はこのくらいにしとおいてあげるわ。でも、翡翠の師匠1号は私なんだからねっ」

 結局、私が他の遣いに指導されている事が、気に食わなかっただけのルアンユーさんであったみたいです。

 だけどアリスちゃんも、その身に大量の酒を浴びてしまった事により、私に臭いと言われ、その日は解散する事となってしまいました。

 そしてその頃、ソフィーさんも魔法の国にいたらしいのですが。


「ううっ……お腹が空いたわ。これはアレね。もう、引き上げるのが得策だわ」

 任務を途中で投げ出し、一般世界へと帰宅してしまったそうです。と言うか、魔術師エリファスさんの元で休憩すれば良いのでしょうが……。 

 後、補足として、ソフィーさんの住まいはフランスにあるそうなのですが、1度私に会う為、日本に現れた事がありました。それは、魔法の国を経由すれば瞬時で、どこへでも行けるからなのです。


「ルアンユーさんも、アリスちゃんも凄いなぁ。それにソフィーさんとも、戦わなければいけないんだよねぇ」

「翡翠、君は今まで勝負事をして来なかったのかい?」

 アキナ君に問われた私。勿論、私もジャンケンや鬼ごっこなどの遊び、若しくは体育の授業などで『勝ちたい』 と言う状況には遭遇しています。だけどそれらは、負けたとしも大した悲しみが生じる事の無い勝負でありました。

 それは私にとって、今回の神黒翡翠の件に関しても、然程変わりの無い状況であるのかも知れません。こんな事を言ってはいけないのですが、もし私が手にする事が出来ない結果になったとしても、現時点に於いてそれ程の痛みを抱える事は無いかも知れないのです。

 しかし、私には光也君を助けて貰った恩がある為、今はそれが最大の理由で戦いに参加している状況でした。


「アグリッタさんのお手伝いをしたい気持ちは本当なんだけど、ソフィーさん達に勝てる気はしないなぁ」

「成る程。翡翠には、何故アグリッタ様が平和を望むのかを、知って貰う必要があるみたいだね」

 翌日、私を魔法の国へ呼んだアキナ君。そして、ある場所へと連れて行かれました。

 そこは、一般世界を広範囲で見降ろせる場所であり、私は雲の切れ端から下を覗いて見る事にしたのです。

 その風景は肉眼で見ている訳ではなく、脳裏に直接映る風景であるそうなのですが、私はその状況を歯を食いしばり、嘆きながら見る事になってしまいました。

 戦争や飢餓で苦しむ子供達。イジメや虐待、犯罪に巻き込まれ困っている人達など、一般世界では目を覆いたくなる様な出来事が沢山起きていたのです。

 私自身、大きな苦しみを知らずに育って来ました。朝起きればお母さんが食事を作ってくれていて、学校に行けば友達と笑いあえる事が、当たり前の状況であるのですから。

 しかし私の知らない場所では、地獄にも似た惨劇が当たり前の場所があったのです。

 そこで私はアキナ君に問いました。

 何故、こんなにも人は不平等に暮らしているのか。誰もが幸せに満たされていれば、争いなど起きないのではないのかと。


「こんなの……酷過ぎるよ」

「そうだね。でもこの状況は人に限っての事ではないんだよ」


 アキナ君は言いました。食物連鎖により強い生き物が、弱い生き物を淘汰して行く事も同じ状況だと。しかしそれは、生き物として生まれて来た以上、生き残る為の必要不可欠な行動なのだとも。

 勿論、人間には知能がある為、嘘や騙し、若しくは素手の相手に武器を使い襲い掛かる者もいるでしょう。それは倫理的に言えば許し難い行いですかが、それもまた生き残る為の手段なのかも知れません。


「じゃあ……どうすれば皆んなが幸せになれるの?」

「簡単だよ。全ての生き物が魔法の国に来れば、今の状況よりは幸せになれる筈だよ。だけど、それでも無理なんだ」


 例えば魔法を使い、全ての生き物の願いを叶えたとします。しかしその時点で欲していた願いは消滅し、新たな願いが出てきてしまうそうなのです。次から次へと、『欲』 に切りは無いのだとアキナ君は言いました。

 では、アグリッタさんは神黒翡翠を使い、どのように平和をもたらそうとしているのでしょう?


「例え神黒翡翠を使って、皆んなの願いを叶えても幸せになれないの?」

「そうだよ。神黒翡翠の魔力も永遠では無いからね」

 しかしアグリッタさんはだからこそ、神黒翡翠で平和な世界を創りたいと考えているのだとアキナ君は言いました。一般世界では出来ない事でも、魔法の国でならば可能であるのだと。

 そして全を掴むには先ず1からであり、魔法の国を安定させてから徐々に、一般世界も平和にして行こうとアグリッタさんは考えていた様です。


「そう……だよね。少しずつでも前に進めるんだよね」

 これから先、何千年、何万年と時間だけは何事も無く過ぎて行きます。だけどアキナ君は、アグリッタさんの意思が受け継がれて行き、きっと成し遂げられる行いだと信じていたのです。


「だから、翡翠にも手伝って貰いたいんだ」

「うん。何度も迷ってゴメンね。必ず神黒翡翠を見付けて、皆んなの為に使おう」


 物事の始まりには恐れもありますが、希望が勝れば前に進む事が出来る筈です。例え困難が待ち受けていたとしても、叶えたい夢があるのならば、その壁に立ち向かう事が出来ると、私も信じたいと思えました。

 だけど願いを叶えるには、何らかの障害が立ち塞がる事も事実でしょう。もう少し後の話になるのですが、私にも己の『闇』 と向き合わなければいけない時が訪れてしまうのです。


「翡翠、昨日は邪魔が入ってしまったけど、今日はしっかり特訓するわよ」

「はい、お願いしますアリスちゃん」

 先ずアリスちゃんは、その身にジェミナイとキャンサーの魔法を同化させていました。ジェミナイは双子座を示し、『フットワーク』 の能力を持ち、キャンサーは蟹座の『直感力』 能力を持つ魔法だそうです。

 そしてアリスちゃんは、私にも2つの魔法を同化させる様指示を出しました。そこで私は、エマさんとエナさんの2天使を同化する事になったのです。

 エマリエルさんは、8月の誕生石であるペリドットを示し、『厄除け』 の能力を持っていて、続いて同化させた天使エナエルさんは、12月の誕生石のラピスラズリを示し、『不運を払拭する』 能力を持っているのです。

 その2天使の能力を同化させた事により、私は鉄壁のガードを身に付ける事になりました。


「かなり重そうな姿に変身したわね」

「イメージの特訓もしておきます……」

 続いてアリスちゃんは、もう2つの能力を同化させてみなさいと、私に指示を出したのです。要するに、計4つの能力を同化させろと言う事でした。私にはまだ早かったかも知れませんが、アキナ君もやってみよう励ましてくれたのです。

 そこで私は、マリさんとザリさんと言う天使達を同化する事にしました。マリエルさんは6月の誕生石であるパールを示し、『無垢』 の能力を持ち、ザリエルは9月の誕生石であるサファイアを示し、『平和』の能力があります。

 そして、4天使の同化をさせる事になったのですが、その瞬間私の身体は高熱を発してしまい、動け無くなってしまったのでした。


「マズイはっ。そこの天使もどき、翡翠の同化を解除させなさいっ」

「エマ、エナ、マリ、ザリ、翡翠から離れるんだ」

 私との同化を強制解除する為、4天使さん達は離れ様としたらしいのですが、どう言う訳か私の中から出る事が出来ないでいたみたいです。

 そしてその頃、アグリッタさんは。


「なっ、何だ? 魔力が急激に吸われて行く……。翡翠さんかっ!?」

 通常アグリッタさんの魔力は、遣いが4天使を同化させても、それ程の負担は掛からないそうです。

 だけど私は、その身の限界を超えた魔力を急激に吸い寄せてしまっていた為、アグリッタさんの魔力量は激減してしまっていたのでした。


「くっ……仕方ないわ。天使もどき、翡翠を気絶させるわよ」

 アリスちゃんの拳が、私の下腹に炸裂しました。そして私はその場に崩れ落ちてしまい、気を失う事になってしまったらしいのです。


 もし、そのまま放置していたら、私は精神崩壊を起こしてしまい、遣いの任は継続出来なくなっていたかも知れないのでした。
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