翡翠Evolution 〜我に宿りしその力〜

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Evo16 「魔美華の涙と翡翠の笑顔」

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 魔美華ちゃんは、私が光也君と仲良くなって行く事に不安を感じていたみたいです。私が魔美華ちゃんの側から離れて行ってしまうのではないかと。

 そんなある日、魔美華ちゃんの前にある魔術師が送り込んだ申(さる) が現れたのでした。そして魔美華ちゃんを魔法の国へ連れて行き、魔術師である卑美呼さんに合わせる事となっていたのです。


「魔美華、お主の願いは若竹 翡翠を、己だけの存在にしたいと言う事であるな?」

「……翡翠を知っているんですか?」

「勿論じゃ。奴もまた魔術師の遣いであるからな。それに奴は1度神黒翡翠を手にし、その願いを叶えたらしいのじゃ」

 魔美華ちゃんは、私が魔術師の遣いであった事も驚いた様なのですが、何より『願いを叶えてた』 という点に、引っかかっていたそうなのです。もしかするとその願いとは、私と光也君が仲良くなる為の願いであったのではないのかと。


「もし本当に翡翠が願いを叶えたのだとしたら、私の願いは叶わないわ」

「心配するでない。神黒翡翠が有れば、何度でも願いの重ね掛けなど出来るのじゃぞ」

 魔美華ちゃんは考えそうです。卑美呼さんの言っている事が本当だとして、何故自分にその役割をさせるのかと。

 そして、その答えとして卑美呼さんは、魔法を使う者は適正が無ければ選定出来ないのだと話したそうでした。

 と、ここで余談なのですが、これらの話は、天使のアキナ君が魔美華ちゃんの異変に気付き、密かにつけていた事により知り得た情報なのです。


「……じゃあ、私の願いが叶ったとして、貴女のメリットは何なの?」

「我の願いはただ1つ。この魔法の国を支配する事じゃ」

「支配? 随分と幼稚な発想ね」

 卑美呼さんは以前、一国を支配し女王として君臨していたそうです。その力には鬼道邪術を使い、人を惑わす事によるものであったと、私は後に聞く事になりました。

 そこで、そんな卑美呼さんを支える弟さんがいたのらしいですが、己の欲望のみを叶える卑美呼さんを見兼ね、弟さんに刺されてしまったらしいのです。

 だけど卑美呼さんは、鬼道邪術の治癒能力を己に使い、一命を取り留め2千年近くもの間、魔法の国で療養していたのだと聞きました。

 そして1年程前に復活の時を迎え、魔法の国を支配する為、活動を再開したらしいのです。


「我を刺した弟は只の人間であった故、既にこの世にはおらぬ。もう我の行動を邪魔する者はおらぬのじゃ」

「復讐も兼ねてって事ね。……良いわ。貴女の遣いになってあげる」

 魔美華ちゃんは卑美呼さんの考えている事など、どうでもよかったみたいなのですが、自分の中にある不安の感情を取り除けるのならばと、遣いになる事を了承してしまった様だと、アキナ君は言っていました。


「そうか。ならばお主に、十二支の魔力を授けようぞ」

 子から亥までの干支が持つ魔力を身に付けてしまった魔美華ちゃん。そして一旦一般世界に戻り、私を呼び出す事にしたのです。


「どうしたの、魔美華ちゃん? 電話で急用って言ってたけど」

「……翡翠に、どうしても聞きたい事があってさ」

「聞きたい事? 勉強で分からない所があるの?」

 魔美華ちゃんは私の目を見据え、1つの問いを投げ掛けました。


「もしさ、翡翠が魔法を使えるとしたら……どんな願いを叶えたい?」

「えっ、魔法? そうだなぁ、私だったら……皆んなと仲良く暮らせる世界を作りたいかな」

「何……それ?」

 私の回答は、魔美華ちゃんを少し驚かせる事になった様なのです。てっきり私は、光也君と仲良くなる事だけを願うと思っていたのだと、魔美華は言ったのでした。

 だけど、私が本音を隠して話をしているのかも知れないと、魔美華ちゃんは疑ってしまったのです。


「魔美華ちゃん、怖い顔をしてどうしたの?」

「……建前何て聞きたくないわっ。翡翠、アンタの本音は藍原君とだけ、一緒にいたと思ってるんでしょっ!!」

 魔美華ちゃんが何を言っているのか、直ぐには理解出来なかった私。そして魔美華ちゃんは私の腕を取り、強引に魔法の国へと連れて行ったのです。


「魔美華ちゃん、ここって……」

「私も翡翠と同等なの。そしてこれが、私の進化した姿よ。我に注ぎしその力 今この時この瞬間 華麗に咲き乱れん……魔美華……エボリューションっ!」

 花弁で出来た羽を背中に付け、色鮮やかな姿に変身した魔美華ちゃん。

 だけど私は、その状況に大した驚きを感じる事は無かったのです。それは、笑姫ちゃんの時同様に、私が出来る事なら魔美華ちゃんにだって、と言う思いだったからでした。


「魔美華ちゃんの変身姿、とっても綺麗だね」

「翡翠、ここは私の領土らしいけど、貴女と戦ってそっちの領土を調べさせて貰うわよ」

 戦う気満々の魔美華ちゃんでしたが、私は争わずとも領土に入って良いと言いました。

 だけど魔美華ちゃんは、卑美呼さんに戦いで勝利した者が、相手の領土へ自由に入れるのだと聞かされていた様で、少し拍子抜けしていました。

 でも、神黒翡翠を手に入れるには、遅かれ早かれ私を倒さなければいけないと魔美華ちゃんは考えてしまったらしく、ここで決着を付けるといきり立っていたのです。


「え? ちょっと待って。魔美華ちゃんは、何をそんなに興奮しているの?」

「ぐっ……翡翠に、翡翠何かに私の悲しみが分かるもんですかっ! 辰、武器を出しなさいっ」

 辰は『物質を武器に変える』 能力を持つらしく、魔美華ちゃんは剣を精製させていました。


「魔美華ちゃん、本当に戦うの?」

「当たり前でしょっ! さっさと翡翠も変身しないと、この剣で八つ裂きにしちゃうわよっ」

「ん~……分かったよ。我に宿りしその力 今この時この瞬間 開放へと導かん……翡翠……エボリューションっ!」

 まだ友達として日が浅かったアリスちゃんとは違い、親友と呼べる私達が戦う事になってしまったのです。だけど何故だか、私は魔美華ちゃんの攻撃を冷静に対処する事が出来ていました。


「へ~。それが翡翠の防御魔法何だ? じゃあこれならどうかしらっ!」

 魔美華ちゃんは子の干支を使い、『音響の矢』 を放って来ました。だけどその矢も私の身体には、大したダメージを与える事が出来ないでいたのです。


「魔美華ちゃん、もう止めて」

 私は子の攻撃を避けながら魔美華ちゃんを説得しようとしました。

 だけどその時、魔美華ちゃんは2つ目の魔法の酉を放ち、私はそれを受けてしまったのです。そしてその能力は、当てた物を縮ませる能力であったのでした。


「どうよ、翡翠。そんな小さな身体じゃ、もう反撃は無理ね。観念しなさい」

「ん~、ウエルさん、エム君、お願いします」

「翡翠嬢、任されたぞ。それっ」

 ウエルさんの能力の1つである『自由』 を使い、私は元の大きさに戻る事となったのでした。それと同時にエム君の能力を初めて発動させたのです。

 エムブリエル君は5月の誕生石であるエメラルドを示し、『縁結び 』 や『円満』 、そして『愛』 の能力を持つ天使だそうです。これで漸く私は、12体全ての天使さん達を同化させた事になったのでした。


「翡翠っち、彼女との縁を固く結ぶよ。えいっ!」

「なっ、翡翠、一体何をしたの?」

 私と魔美華ちゃんの間には、1本の糸の様な線が結ばれていました。これは物理的には切れる事は無く、私が解除するか、より強い魔術でないと断つ事の出来ない糸であったです。


「これで魔美華ちゃんと私は、いつでも一緒だよ」

「何で……私何かと結ぶのよ……」

 私は魔美華ちゃんに願いを聞かれた時、皆んなと仲良く暮らせる世界を作りたいと話しました。そしてそこには勿論、魔美華もちゃんが欠かせない存在であるのだと告げたのです。


「こんな糸……藍原君と結びなさいよっ!」

「魔美華ちゃん、本当は私も魔法の力で縁を結ぶのは違うと思うの。自分の力で切れない縁を結ばなきゃダメだよね」

 たけど、魔法を使ってでも結んでおきたい糸は、魔美華ちゃんだったのだと私は伝えました。


「……ホント、翡翠は馬鹿だよ」

「うん。それでも良いんだぁ」

 『やっぱり』 と、自信を持って言えるのですが、魔美華ちゃんとの絆は切れずに済んだのでした。その糸は、たまにはケンカをし傷付く事もあるでしょうが、決して切れる事は無いのです。

 そして大泣きをする魔美華ちゃんと、それを力一杯の笑顔で包み込む私……であったのですが、雷鳴と共に雷が魔美華ちゃんを打ち付けてしまったのです……。


「ひす……ぃ…………」

「魔美華ちゃん? ……魔美華ちゃんっ!!」


「あら~、1人外しちゃったかぁ。まあ、良いや。次はお姉ちゃんね」

 小学生くらいの少女が、不敵な笑みを浮かべながら私に話し掛けて来たのです。だけど私は無視して、魔美華ちゃんの治療を行いました。


「魔美華ちゃん、大丈夫だからねっ」

「翡翠……逃げて」


「その人はもう、遣いとして役に立たないよ。インドラの雷霆をまともに喰らっちゃったんだから」

 この少女の名はソニア ガンダーと言うらしく、魔術師シャリニヴァーサ・ラマヌジャンさんの遣いだそうです。そして、インド12神の魔力を使う事が出来るのだとも言っていました。


「貴女は……誰?」

「ソニアよ。見たところ、お姉ちゃんが若竹 翡翠ね。でさ、ここでその人みたいに……脱落してくれない?」

 私はソニアちゃんの言葉で、完全に敵であると認識しました。

 そしてその頃、魔美華ちゃんを遣いにした魔術師卑美呼さんの屋敷にて。


「ぐうっ、何だ? 膨大な魔力が失われて行くぞ……」

「只今、お調べ致します。……これはっ!?」


 卑美呼さんは寅の『状況を把握する』 能力を使い、魔力減の原因を探ったそうなのです。そこに映し出されたの光景は、魔美華ちゃんが倒れている状況であり、背中に矢の様な物が刺さっている事を知ったらしいのでした。


「これは……インドラの矢か……」

「多分そうかと。卑美呼様、直ぐに魔美華殿に掛けた遣いの任を解いて下さりませ」

「……致し方あるまい。魔美華……悪いが任を解くぞっ!」


 卑美呼さんは、これ以上魔力を失う訳にはいかなかった為、魔美華ちゃんと交わした契約を解除したそうなのです。

 そしてそれと同時に、魔美華ちゃんの身体は魔法の国から消え、数年分の記憶を失われた状態で一般世界へと戻されてしまったのでした……。


「あれ、魔美華ちゃんは?」

「魔術師に、遣いの任を解かれたみたいね。それが賢明だわ」

 私もソニアちゃんの言葉で、魔美華ちゃんが魔力を失った事により、記憶も消されてしまった事に気付きました。

 だけど今は、目の前にいるソニアちゃんを何とかする事が先決だと考え、戦闘態勢に入ったのです。


「ソニアちゃん、何故こんな事をするの?」

「え? どゆ事? 神黒翡翠を手にするには、自分以外の遣いを倒す事が手っ取り早いよね?」

「魔力を失わせるまで、やる事は無いよね?」

 私や笑姫ちゃん以外の遣いは、神黒翡翠を手にする為の非情さを心得ているでしょう。勿論、私も今までの経験の中で、その事は教わったて来ているのですが、それでも魔法の国にいられる寿命を奪う様な行為は許せなかったのです。


「ソニアちゃんは、まだ子供だから分からないかも知れないけど、やってはいけない事があるの」

 『やってはいけない事』 。それは、人の夢を無下にする事です。

 非日常的な魔法と言う力を手に入れた遣い達には、各々叶えたい願いがあります。その夢を掴む為に神黒翡翠を探しているですが、不意打ちの様な戦いで負けたとあっては報われないでしょう。

 だけどソニアちゃんの考え方は違っていたのです。


「あのさぁ、戦いは負けたら意味が無いんだよ? それがどんな形であれね」

 ソニアちゃんは言いました。神黒翡翠をに手にする為に頑張りました。血の滲むような努力をしました。でも他人に奪われてしまいましたでは、それらの過程など意味を失ってしまうのだと。最後に勝ち残った者だけが夢を掴めるのだと告げたのです。


「……それでも、人は夢を見続ける事が出来るんだよ?」

 叶わなかった夢は、また追えば良い。それでも叶わなければ、自身が納得するまで追えば良いのです。夢の終わりは、自分で決めるものなのだから。


「他人の事なんて、どうでもいいわ。ルドラ、粉砕しなさいっ!」

 ルドラは『暴風』 の能力を持つらしく、巻き込まれてしまうと、その身は八つ裂きにされてしまう程の風を巻き起こしていました。


「マキさん、アユさん、エマさん、エナさん、力を貸して下さいっ!」

 ルドラの暴風は広範囲に広がっていた為、私は逃げ遅れてしまい、まともに巻き込まれてしまいました。だけどマキさん達の能力のお陰で、何とか堪える事が出来ていたのです。


「翡翠さん、私達の能力でも、持って後3分が限界です。それまでにこの暴風から抜け出さないと」

「うん、そうですね……」

 私は考えました。どうすれば、ここから抜け出せるのかを。そこにアキナ君が現れ助言してくたのです。


「翡翠、天使達の力を1つに集中するんだ」

「1つに……うん、やってみるよ。皆んな、アユさんの力に集中して下さいっ!!」

 アユさんの能力は『困難を乗り越える』 力です。そして、私自身もアユさんの能力に集中する事で、ルドラの暴風をかき消す事に成功したのでした。


「マジで? 神達だって手こずらすって言われてるルドラの暴風を……」

「さあ、ソニアちゃん、今度は私の番だよ」

 私はラムさんの能力で氷塊を精製し、バビルさんの能力で希望を照らしました。そして最後にウエルさんの能力で勝利を呼び込み、ソニアちゃんに向け放ったのです。

 だけどソニアちゃんも咄嗟に、アスラの能力である『阿修羅』 を使ったらしく、氷塊を壊していたのですが、私の攻撃が一歩早く、氷塊に包まれてしまったのでした。


「ざぶび……わだぢ、ざぶびのにがで……」

「ソニアちゃん、これからは正々堂々と戦いますか?」

「…………あい」

 ソニアちゃんは全ての魔法を出し切った訳では無かった様なのですが、私は何とか勝利する事が出来たのでした。

 そして、氷塊を溶かしソニアちゃんを解放したのですが。


「はぁ、はぁ……死ぬかと思った。でも、お姉ちゃんはやっぱり馬鹿だね」

 要するに、倒せる相手をみすみす解放してしまった事をソニアちゃんは言っていたみたいです。だけど私にとっては、これが正解の方法であった為、それで良いと納得しました。


「それにしても、ソニアちゃんの能力凄いね?」

「当たり前よ。油断しなければ、お姉ちゃんだって倒せたんだからねっ」


 そう言い残し、去って行ってしまったソニアちゃんでした。
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