翡翠Evolution 〜我に宿りしその力〜

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Evo20 「ソフィーの賭け」

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 神使いであるソニアちゃんは、マリアさんを倒すべく領土に訪れてしまいました。だけどマリアさんは、先制攻撃をする事により、辛うじて勝つ事が出来たらしいのですが、その時もう1人の神使いであるヤーナさんが現れてしまったらしいのです。

 そして、その場は互いに去る事になったと私は聞きましたが、ヤーナさんとソニアちゃんの神使い同士は、結託してしまう事になってしまったらしいのでした。

 そこでマリアさんは神使い達に対抗するべく、ソフィーさんに協力を乞う事になったそうです。

 一方、私達もその事を知り、アリスちゃんと笑姫ちゃんの3人で相談する事になっていたのですが。


「翡翠、遣いの何人かは、ソニアにやられましたよ」

「それに加えて、もう1人の遣いが現れたんですよね?」

 既に遣いは、私、笑姫ちゃん、ソフィーさん、マリアさん、ソニアちゃん、ヤーナさんの6人。そしてまだ存在しているのかを確認されていない遣いを合わせると、7人になってしまっていたのでした。(アリスちゃんは魔術師見習いなので、加わえないものとします。)


「どうすれば、良いんだろう……」

 魔術師の遣いになった以上、神黒翡翠を手に入れる為、戦いは避けられない事です。

 でも、遣いになり平穏に過ごしていたとしても、魔術師の魔力が尽きてしまえば、いつかは一般人へと戻る時が来るでしょう。だけどそれでも私は、遣いとして出会った人達に、辛い思いをして欲しくないと考えていたのでした。


「ならいっその事、神黒翡翠の力を皆んなで分ければ良いんじゃないかな?」

 笑姫ちゃんの意見は、強ち間違いではありませんでした。ソニアちゃん達もその事に気付き、神黒翡翠の力を2人で使おうとしていたらしいのですから。

 だけど前回、私が神黒翡翠を手にした時は、私だけの願いが叶った状況でした。

 神黒翡翠には、意識がある事を私達は知っています。もしその意識が、1人の願いしか聞き入れないとするならば、笑姫ちゃんの提案は却下されてしまう事になるのですが……。


「私達が遣いになれている事自体、一般の人達にとっては羨ましい事だもんね」

「神黒翡翠が、1人だけの物になっても文句は言えませんかぁ」

 神黒翡翠に、皆んなの思いを叶えて欲しいと願う方法も考えられます。だけど今は、それすら叶う願いなのかも分からない状況でした。先ずは神黒翡翠を見付け出し、手にするしか方法は無いのです。

 一方、マリアさんとソフィーさんは先手を打つ為、先にソニアちゃんの領土へと向かっていたそうです。


「ソフィー、貴女は何故遣いになったのですか?」

「どうしたの? マリアが他の遣いに馴れ合いをする何て」

 マリアさんは一時的とは言え、共に戦うソフィーさんの事を知ろうとしていた様です。


「貴女は私を1度負かし掛けています。そのような方が、何を望んでいるのか気になっただけですわ」

「私の願いは、生よ。生きる為に戦っている……とでも言えばサマになるかしらね」

 ソフィーさんは1度、一般世界で瀕死の状態になった事があるらしいのです。その時芽生えた、『生への執着』 の事を言っていたのかも知れません。

 だけどソフィーさんには、遣いを続けている最大の理由がもう1つあったのですが、それを語る事は無かった様です。

 そして2人は、ソニアちゃんの領土前で立ち止まり、互いに言葉を発したと私は聞きました。


「さあ、ソフィー。生きたいのであれば、この戦いを制しますわよ」

「まあ、そう言う事になるわね。マリア、貴女こそ呉々も私の足を引っ張らない様にしなさい」

 2人はソニアちゃんを呼び出す間も無く、ソニアちゃんは目の前にいたそうです。そこにはヤーナさんも一緒にいて、既に待ち構えていたと言っていました。


「マリア、助っ人を連れて来たんだ?」

「確か、ソフィーさんでしたか。私はヤーナと申します。お会いするのは、初めてになりますね」

 ソフィーさんは挨拶を返さないまま、淡々と語り出したそうです。例え、神の魔法を使う2人が相手であろうと、必ず沈めると。

 そして、既に変身しているソニアちゃん達に対し、ソフィーさんとマリアさんは呪文を唱え、戦闘体勢に移行したそうです。


「我に誓いしその力 今この時この瞬間
無限の数で突き動かん……ソフィー……エボリューションっ!」

「我に奏でしその力 今この時この瞬間 聖なる音源で魅了せん……マリア……エボリューションっ!」


 2組の遣い達による戦闘が始まってしまいました。ソフィーさん達は、ペアによる戦闘方法を特に考えてはいなかったそうなのですが、その戦い方はまるで、息の合った仲間同士の動きを見せ付ける事になっていたそうです。

 一方、ソニアちゃん達はヤーナさんがソニアちゃんの攻防をフォローする形で戦う事になっていたと聞きました。


「マリア、この前の仕返しをするわよ。ガンガー、ハヌマーン、ピシャーチャっ!」

 ワニ、大猿、鬼神をソニアちゃんは呼び出し、後衛にいたマリアさんに攻撃を繰り出したそうです。

 そこでソフィーさんは、『その程度の化け物は、1人で何とかしなさい』 とマリアさんに聞こえぬ様呟き、加勢せずにヤーナさんの相手をしたと言っていました。


「当然ですわ。ワニであろうが、猿であろうが、掛かっていらっしゃい」

 聴覚も優れているマリアさんには、ソフィーさんの呟きが聴こえていた様です。


「ソフィーさん、貴女の噂は聞かせて貰いました。冷静沈着で……慈悲など掛けない非情な心の持ち主だと」

「その通りよ。私はね、精神的に弱い者が嫌いなの。例えば……ヤーナの様な奴がねっ!」

 ソフィーさんはソニアさんの領土に来る前に、魔法の国から直接エジプトに行き、ヤーナさんにについて聞き込みをしたそうです。それはソフィーさん自身、神の使いを相手にする事が、初めてであったからだと聞きました。

 そして、ヤーナさんの弱みを握る事で、精神を不安定にさせようと考えていたそうなのです。そこでソフィーさんが知った事実は、ヤーナさんが幼い頃、イジメられていたと言う事であったと、私は後に知る事になりました。


「私が弱いですって? 確かに以前の私はそうだったかも知れない。だけど……今は違うわっ。メンヒトっ!」

 メンヒトは『ライオンの女神』 であり、その牙はあらゆる物を噛み砕く力を持っているそうです。

 だけどソフィーさんにとって、大した知能を持たぬ猛獣など、その魔力によって軽々と押さえ付けてしまった様でした。

 そしてソフィーさんは、神の魔法はこの程度なのかと、ヤーナさんに言葉を吐き捨てたらしいのです。


「私を倒したければ、完全に殺す気で来なさい。でないと貴女がまた、泣く事になるわよ」

 ソフィーさんの言葉で、半狂乱状態になってしまったらしいヤーナさん。そして、次々と神の魔法を放ったらしいのですが、ソフィーさんはその全てを受け切ったと言っていました。


「どうして……どうして貴女は、私をイジメるのよっ!?」

「イジメる? 貴女は既に負けを認めた様ね」

 絶対的な神の力を持つ筈のヤーナさんが、ソフィーさんにイジメられていると言ってしまったそうなのです。

 イジメは基本、自分より立場の弱い者にする行為でしょう。だけどヤーナさんは、ソフィーさんに勝る力を持ってるのもに関わらず、自分がイジメられていると認識してしまったらしいのです。それは、己の方が弱いと認めてしまった証拠でしょう。


「私は……貴女なんかに負けないわっ! ソプデト、神剣を精製し、ウプウアウト、ベスに与えなさいっ!」

 ヤーナさんは戦闘神達に、神が持つと言われている武器を持たせ、ソフィーさんを狙い打たせたそうです。

本来であるならば、その攻撃は一撃で相手をひれ伏させる力が宿されているらしいのですが、己の弱さを突き付けられてしまったヤーナさんの魔力では、信念を持ったソフィーさんを打ち砕く事は出来なかった様でした。

 そしてソフィーさんは、そんなヤーナさんに対してある魔法を試してみる事にしたそうです。


「この魔法がヤーナに通用するかは分からないけど、賭けてみるわ。トロアっ!」

 トロア(アセンデッドマスター) は数字の『3』 を示し、『以前生存していた聖職者を呼び出す』 能力だそうです。
 
 そしてヤーナさんの眼前に、欠かさず通っているコパト教会の、今は他界している神父さんを出現させたと、ソフィーさんは言っていました。


「神父様…………私は、私はどうすればっ」

「……ヤーナ、弱さもまた、強さですよ。認めなさい、己の内にある弱き心を」

 ソフィーさんが仕掛けた魔法により、言葉を失ってしまったヤーナさんだったそうです。

 一方、マリアさん達にて。


「残念でしたわね、ソニア。化け物達はこの通り、私の音で静まり返りましたわよ?」

 神をも震えさせるマリアさんの音魔法により、神獣達は手懐けられてしまっていたそうなのです。


「ふんっ。なら、ルドラの魔法で吹き飛ばしちゃうんだからっ!」 

 私が巻き込まれてしまった、ルドラの暴風攻撃。だけどマリアさんはその場を一歩も動かず、音魔法を使い曲を奏で出したそうです。

 その音は激しく響き渡り、マリアさんの眼前に迫り来る暴風を切り裂いて行ったと聞きました。そして残った風が、マリアさんの髪をなびかせるだけになっていたそうです。


「どうしたのですか、ソニア? 前回みたいに、マジックを披露して下さいな」

「どう言う事なの? ヤーナも苦戦してるみたいだし、何で神の力が押されてるのよっ!」

 その答えは単純でした。ソニアちゃんとヤーナさんが使っている神の魔法は、『神の力』 では無いからであったそうです。

 神の存在は人間が作り出した、只の虚像に過ぎなかったと、後にソフィーさんは教えてくれました。

 勿論、見える人、感じられる人もいるのかも知れませんが、それでも現代科学では証明出来ない事なのです。ソニアちゃん達が唱えていた神の魔法も、人間が付けた名前だと言う事なのかも知れませ。

 昔、誰がこう言っていたそうです。人間がいなければ、神も宇宙も存在しないのだと。認識出来る人がいて、初めてその存在は確立するらしいのです。だけどそれもまた、人間が見ている不確かな現象であるのかも知れません。

 そしてマリアさんも、最後の一撃をソニアちゃんに与え様としていたそうです。


「…………。(お父様……私は未だ、お父様の奏でた音を超えられていません。しかし今ここで、超えてみせますわっ)」

 マリアさんは全ての音を組み合わせ、ソニアちゃんにトドメの一撃を与えたそうです。

 そしてヤーナさんは。


「いや……この力を失いたくない……もう……イジメられたくなんかないのっ!!」

「……辛さはね、他力本願で紛らすものでは無いわ。己が本来持つ強さで打ち砕くものなのよ」

 最後に言葉を付け加えたソフィーさん。願いを乞うならば神では無く、自身の中に存在する真心に乞いなさいと。

 そしてソフィーさんとマリアさんの魔法で、2人は完全に魔力を消費させられてしまったらしく、魔法の国から消えてしまう事になったそうです。


「……終わったのですね」 

「マリア、私はもう少し戦えるわ。貴女もここで、倒させて貰おうかしら?」

「……そうなさい。何とかソニア達には勝てましたが、流石に疲れましたわ」

 ソフィーさんはマリアさんを見つめ、次会う時は敵同士であるから、容赦無く倒すわと言い残し帰って行ったそうです。

 だけど、もしこの2人が共闘していなければ、ソニアちゃん達には勝てなかったのかも知れないでしょう。

 そして遂に遣いは残り4人と、もう1枠になってしまったのです。

 その頃、私はアリスちゃんの魔術師になる為の修行に付き合っていたのですが、アキナ君にダメ出しをされてしまうアリスちゃんでした。


「アリスが魔術師になるには、まだまだ修行が必要だね」

「やかましい、天使もどきっ」

 魔術師になるには、幾つかの試練を超えなければいけないそうです。その1つとして、己の持つ魔力を遣いに供給出来る様にならなければいけないのだと、アキナ君は言いました。

 だけどそれには、己の精神力を高め続けなければ、直ぐに魔力は枯渇してしまう事になってしまうそうです。遣いに魔力を供給する事は疎か、自身の魔力も尽きてしまうのだとか。

 因みに、魔力の量は生まれた時からそれぞれの者に決められていて、限界以上の魔力を使う事は出来ないそうです。でも魔術師になる前の時点では、その2/10程しか使っていない為、極める事が出来れば遣いに供給出来る様になるのだと私は聞きました。

 そしてそこへ、笑姫ちゃんもアリスちゃんの応援に来てくれたのです。


「アリスさん、頑張ってますね。差し入れ持って来ましたよ」

「笑姫は何て優しい子なんでしょう。そこのクズ天使もどきとは大違いだわ」

「アリス、次は魔法の世界と一般世界を300往復だよ」

 アキナ君の指導は、その後も厳しく続けられたのですが、そう簡単に魔術師になれる筈も無く、挫折してしまいそうなアリスちゃん。だけど私達の応援もあり、少しずつですが魔術師として成長して行くのでした。

 そして魔力と数年分の記憶を失い、一般世界へと戻されていたソニアちゃんとヤーナさんは。


「ソニア、宿題はやって来ましたか?」

「え、何それ? と言うか私、何で学校にいるの? ……そうだ、ラートリー、時間を夜にしちゃいなさい」

 ソニアちゃんが記憶を失う前は小学3年生であったそうなのですが、4年分の記憶が消されてしまっていたらしいのです。だけどソニアちゃん自身、その歳には既に魔力を使えていた様なのですが、その力も全て無くなっていしまっていた為、魔法の効果を発揮する事は無かった様なのでした。

 そしてその頃、ヤーナさんは礼拝堂の掃除をしていたらしいのですが。


「ふぅ、結構汚れてるなぁ。でも、頑張って綺麗にしましょう」

「ヤーナ、まだ掃除してんの?」

「さっさと終わらせなさいよね」

 掃除を言い付けられていた他の2人は、ヤーナさんに押し付けていたそうです。


「……うん。今、終わらせるから」

 ヤーナさんは拭き掃除をしようと床に座り込んでいた様なのですが、その時2人は意地悪をし始めたそうです。泥の付いた靴で、教会内を歩き出してしまったのでした。


「あっ、ヤーナごめ~ん」

「ここも拭いときなさいよ」

 俯向いてしまうヤーナさん。そして悲しみを神に告げ助けを乞おとしたらしいのですが、歯を食いしばり2人を見つめ、言葉を発したそうです。


「神は……皆んなで敬いましょう」


 意地悪をした2人は、ヤーナさんが言い返すと思っていなかったらしく、少し面食らう事になってしまったそうです。だけど直ぐに納得する事でも無く、その日はヤーナさんが1人で掃除をする事になってしまったと、私は間接的に知りました。

 だけど、ヤーナさんもきっと、己の力で成長する事が出来る様になって行くと、私は信じたいです。
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