ゲーム配信は楽しくないと！ 〜毎日配信で有名配信者になります〜

生配信27 お届け物です Part1

　朝起きてやることといえば、何を思い浮かべるか。

　俺は、朝ごはんの準備だ。

　米を炊くのは面倒くさいので、貯蓄していたカップラーメンで済ます。

　いつもこんな食生活ってわけじゃなくて、週2ぐらいのペースなので、心配は要らない。

　10分も経たないうちに、朝ごはんは終了。

　さて、次に行うことといえば何を思い浮かべる。

　うーん………掃除かな？

　ということで、今度は掃除を始める。

　寝具を日光干しし、ざざっと掃除機をかける。

　物を退かしたかだって？　
　
　この前退かしたし、今日はやらなくていい日なので、退かしていません。

　この家は俺がルールです。

　でも、配信部屋兼寝室は、丁寧にきっちり掃除します。配信活動に支障をきたすことになりかねないので。

　掃除が終わったら、次は、分かりますね。

　………

　……

　…

　そうです、洗濯です！

　色物と白い物は別に洗う。

　白い物に色が写らないようにするため。これは、選択する上で1番大事。

　洗濯は基本2日に1回のペースだ。

　一人暮らしなので、1日分の洗濯物は極少なく、2日分が溜まって、洗った感がある量。

　洗濯機が洗濯物を洗っているうちに、配信者さん達の配信や動画を見て、知識を溜める。

　ゲームの知識やトークの仕方、編集の仕方などなど。

　人の配信や動画を見ていると色々勉強になるね。
　
　1本動画を見終わり、聡太さんの『モンスターハンター』配信を見ていると、

　ピンポン、とインターフォンが鳴る。

　誰か来たのだろうか？

　インターフォンに出ると、「どうも」と宅配業者さん。

　何かが届いたらしい。

「なんか頼んだっけ？」

　何かを買った記憶はないが、玄関を開け、荷物を受け取る。

「いつもお疲れ様です」と一言を言い、玄関を閉め、差出人の欄を見ると、

『佐々木美玲』

　横5文字。綺麗な字で書かれていた。

　なんかのお土産か？

　LINEを確認しても、佐々木さんからのメッセージはなく、何かを送るという話も来てない。

　それにしては、結構重いぞ？

　持って分かるが、10キロぐらいあるんじゃないかと思うぐらい重い。しかも、単品でこの重さではなく、複数個入っている模様。

　冷凍冷蔵、なま物、割れ物の表記はない。

　だから、怖い。

　あの人、突拍子もなく変な行動するから、尚更怖い。

　正直、開けて良いのか迷うレベル。警察も呼んで一緒に開けた方が良いんじゃないかと考えるレベルで怖い。

　まずは慎重に居間に持っていく。

　テーブルの上に乗せ、写メを撮り、

「これは危ない物ですか、っと」

　佐々木さんのLINEに先程撮った写メとメッセージを送る。

　既読は直ぐ付いたが、一向にメッセージは来ない。

　続けて、

「開けても大丈夫なやつですか」

　と送る。

　流石にこのメッセージには返信を返してくれた。

『早く開けろ』と。

　佐々木さんから『開けても大丈夫』とメッセージが来たので、多少怖いが、すっと開ける。

　開けるとそこには手紙が入っていた。

　手紙の下には、白い梱包材で包まれた何かが入っており、それが重さの原因なんだと分かる。分かったのはそれだけ。中身は見ただけでは分からなかった。

「これは、手紙を先に読ませたいのかな？」

　そう思い、再度連絡する。

　手紙が先か、荷物の方が先か、と。

　返事がこうだ。

『手紙を読め』

　なので、手紙を読んでみることに。

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『拝啓、オムライスにデミグラスをかける裏切り者へ。

　オムライスにケチャップ。これが王道だと私は思う。

　でも、だからといって、デミグラスが邪道とは思わない。
　
　デミグラスのオムライス、美味しいもんね。

　でもね、滝くんのTwitterのあの写真。

　私、それを見て、ショックを受けたの。

　チキンライスにデミグラスソース。私が望んでいたオムライスじゃなかったから。

　でも、好みの問題まで口を出すほど、私は馬鹿じゃない。

　ただ分かって欲しいだけ。あの写真は………ケチャラーを煽っただけ。

　その後の配信でも、ケチャラーを煽ったね。

　あれで、私は決意したの。

　滝くんには、ケチャップがどれだけ偉大なのか分からせなくちゃって。

　だから、送ります。

　　マリカーネーム、オムライスにはケチャップより。

　追伸、よくもあんなに煽ったな！　しかも、何回も何回もアカ甲羅を投げつけやがって！地獄を見ろ！』

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「ああ、昨日のあのケチャップ派の人、佐々木さんだったのか」

　そういえば、何遍も何遍も投げつけたな。

　昨日を思い出し、後悔………はしないな。うん。

「まあ、手紙から予想できるよね。荷物の中身」

　梱包材を開けてみると、やはり。

「ケチャップだよね。いち、に、さん………10本ですか」

　送り返そう。

　箱の中身のケチャップを見て、家の調味料だなを確認する。

「………………」

　3本は貰うが、あとは箱から出さず、包んであった梱包材で再度包み、ガムテープで箱に封をする。

　10本は流石に多すぎるし、重たいわ。

　7本ですら重いんだから、10本はそりゃあ重いわ。

　宅配業者さん、本当にすみません。うちの友人の馬鹿行動のせいで重たい物をお持たせして。

　送り返す、というのも手なのだが、それでは宅配業者さんに悪い。

　なので、

「ここが佐々木さんの住所か」

　自ら送り返してあげることにします。